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小島英揮「ビジネスも人生もグロースさせる コミュニティマーケティング」

・本書は、AWS(Amazon Web Services)の日本法人で、マーケティング部門のヘッドとして従事し、日本最大規模のクラウドコミュニティを発足させ、多くのエンジニアがコミュニティを通じて新たなビジネスや価値創出に関わるモデルを確立し、日本のクラウド業界全体に大きな貢献を果たした著者が、"リアルとネットの無限ループ"で新しい人をどんどん巻き込み、コンテンツを生み出し続ける仕組みづくりの「コミュニティマーケティング」の概要と効果、成功させるための鉄則などを実例を通じて解説した1冊。
・コミュニティマーケティングとは、既存のマーケティング戦略の中に追加されるものではなく、根本的にマーケティングの考え方を変える新しい考え方である。
・これまでマーケティング、とりわけマスマーケティングは、とにかく大量に当たれば、結果も大きくなる、というもので、大多数にリーチすることを目的としている。
・その結果、広告の多くは、ターゲット以外の人々にまで広く届く一方で、本当にリーチしたい人々があちこちで「漏れてしまう」という状況が起きていた。
・これまでのマスマーケティングは、ボーリングのピンに例えていうならば、10本のピンが立っているとして、「これを倒すには、球がたくさんあればいいじゃないか」「とにかく球を投げていこう」というものだった。
・そのため、大きな広告予算が必要だったり、たくさんキャンペーンをしなければならないと考えるわけである。
・それに見合うだけの効果があればよいのだが、実はあまり本来のターゲットには当たらないという問題がある。
・コミュニティマーケティングの場合、ターゲットとなる1本のピンに対して1個の球を投げ、その波及効果ですべてのピンを倒していく(ストライクを取る)、というイメージだ。
・このストライクを出すために重要になるのが、「1番ピン(ファーストピン)」に相当する人たち。すなわちコミュニティの初期メンバーやリーダーたちであり、このファーストピンとなる人たちの存在こそが、コミュニティをうまくまわしていくうえでの重要なポイントとなる。
・端的にいえば、コミュニティマーケティングは、すでに興味がある人たちを中心に、「これいいよ」と言ってもらおう、というモデルである。
※コミュニティマーケティングの利点、コミュニティそのものの価値、そこに参加する個人にとっての魅力についても述べられているが、詳細は本書をお読みください。
・著者がAWSでコミュニティを立ち上げるとき、最初にしたことは、当時まだ数少なかった国内のユーザーに会いに行くことだった。
・その際、「コミュニティをつくろうと思っている」などと話を切り出さず、最初は、「日本法人ができたので挨拶に行きたい」とメールでコンタクトをした。
・アポイントを取ってオフラインで会いに行き、著者が確認していったのは、その人の関心がもっとクラウドを拡げたほうがいいというところにあるかどうか、という点だった。もし、そうであると感じたら、「こういうコミュニティがあったほうがよくないでしょうか」と相手に提案していた。
・これに対して「いいね」という返答が来たら、「では、私がちょっと場を用意しますので、一緒にやりませんか。何人かに声をかけます」と申し出てみた。
・著者が大切にしていたのは、相手の「主体的な参加を促すこと」である。「いついつにイベントをやりますから、お願いですから来てください」とは言わない。それでは、自分ゴトにならず、単にイベント参加をお願いされてしまっているからだ。
・重要なことは、自分ゴト化して受け止めてもらうこと。仕方がないから行くか、にしてはいけない。「こういう場があるとよくないですか」と投げかけて、「そうだね」と賛同してもらったうえで、「じゃあ、場をつくります」という流れにする。
・「そうだね」という返答が返ってこなければ、無理に引っ張ってきても自分ゴト化はされておらず、仕方がないから来た、になってしまう。
・正直なところ、どんな場になるかわからないところに、忙しい人は来たりしない。だからこそ、重要なのは、関心軸の設定だ。そこに同意しているかどうかを確認したうえで、来てもらえるかどうかの確認に移っていく。それが大事になる。
※「それを確認するために、著者は自身のコアメンバーの選定をしてしたのか」「コミュニティをマネジメントする立場にある人は、どのようなことに気をつけておく必要があるのか」などについても解説しているが、詳細は本書をお読みください。
・本書は、「AWSを成功に導いた『コミュニティマーケティング』とは何か」「新しい視点をもたらす『コミュニティマーケティング』」「『コミュニティマーケティング』を成功させるための鉄則」「『コミュニティマーケティング』の実践ケーススタディ」「『コミュニティマーケティング』は人生もグロースさせる」という章で構成されており、
◇〇〇の多さで顧客をセグメントする
◇〇〇〇〇〇で地方ユーザーも巻き込む
◇3つのファースト:ファースト、〇〇〇〇〇〇、アウトプット
◇コミュニティづくりに役立つ「焚き火理論」
◇「〇〇〇」でグロースするコミュニティ
など、ビジネスのみならず、仕事のキャリアや人生もグロースしてくれる「コミュニティマーケティング」のつくり方、育て方といったノウハウについて紹介した内容となっている。
「コミュニティマーケティング」を通じて、自分のビジネスや人生に役立ててみたい方はご一読ください。
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