秋田将人「誰も教えてくれなかった!自治体管理職の鉄則」
・本書は、30年以上、自治体に勤務し、福祉・教育・防災などの現場から、人事・財政・議会などの官房系まで幅広く勤務していた著者が、自身の経験から、自治体の管理職になった際のアドバイス(対応・指導・心得など)が書かれた1冊。
・人事異動の内示を受けてから実際に異動し、着任するまでの時間はとても重要。課長であれば、異動までに課の課題などを整理し、着任したらすぐに課長として活動できる体制を整える必要がある。この準備が、昇任後の自分を大いにラクにしてくれるのだ。理由は、つまずくことなく、スムーズなスタートを切ることができれば、その後もうまく波に乗ることができ、業務を進めていけるからだ。
・この時期をどのように過ごすかで、「管理職としての成果の8割が決まる」といっても過言ではない。
※「異動日前日までに、どのような準備をすればよいか」、「異動日からの管理職としての振る舞い方」については、本書をお読みください。
・業務の「全体像」をつかむために、業務の概要を把握することが第一歩である。そのために、
①自治体にある既存資料を活用する
②専門書など自治体の外にあるもの活用する
という2つの方法がある。
・自治体の既存資料だけでも、業務の概要を把握するには十分だが、幅広い視点から業務を理解することも大事。そのために、専門書を読むだけでなく、その領域のマンガや、ブログ、動画なども参考にすることもできる(ただし、ネットの情報は玉石混合であることには注意が必要)
・自分の自治体以外の情報を知ることで、「この業務は、本来どのようにあるべきなのか」と、抽象的な視点を持つことができる。自分の自治体のやり方だけしか知らないと、「実は間違った事務を慣例的に行っていた」ということがあるので、注意が必要。
※記憶に残りやすい資料の活用法についても記載されているが、詳細は本書をご覧ください。
・管理職は、議員の「名前・顔・所属会派・役職」をしっかりと把握しておく必要がある。管理職にとって、議員は、自分の業務を進めていくために欠かせない存在なので、その人たちの名前や顔などを覚えるのは基本中の基本。
・議員の「名前・顔・所属会派・役職」については、議会で発行している広報誌に掲載されている。これらを職場に貼り付けておけば、いつでも目に入るので、覚えやすくなる。
・ただし、掲載されてきる写真は選挙用ということもあり、実際の姿と異なる場合もある。このため、本会議や委員会の動画を議会事務局のホームページで公開している場合、念のため、改めて確認することを勧めている。
・また、議員のブログ等は、議員の個人的な意見や考えを知ることができるだけでなく、議員が委員会などで質問しそうなことを把握する際にも役立つ。このため、議員のSNS等は折に触れてチェックしておくとよい。
※要チェックの箇所はどこかについても触れているが、詳細は本書をお読みください。
・本書では、「昇任・異動したらまず押さえる「スタートダッシュ」11か条」「自治体管理職の三大業務(「議会対応」の基本・「部下指導」のポイント・「業務管理」のルール)」「事件・事故はあって当たり前!「トラブル対応」のノウハウ」「誰も教えてくれなかった「組織サバイバル」の技術」「自分も部下もつぶさない「メンタルマネジメント」のコツ」という章で構成されており、「議会議事録を「直近1年分」読み込み、論点を明確にする」「「組織を運営する責任者」が持つべき2つの視点」「押さえておきたい2種類の「キーパーソン議員」」「常に「最悪のケース」を想定しておく」といった管理職という重責を引き受けた方のためのノウハウや心得が紹介された内容となっている。
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