古我知史「いずれ起業したいな、と思っているきみに 17歳からのスタートアップの授業―アントレプレナー列伝 エンジェル投資家は、起業家のどこを見ているのか?」
・本書は、80社の起業、事業開発や投資育成の現場に、投資も含め、直接参画し、現在は県立広島大学大学院客員教授、京都大学産学官連携本部フェロー、IPOを果たしたベンチャー企業の取締役などを兼任するエンジェル投資家の著者が、未来の人類と社会に、より良き変容を実現するために、すべてを賭けるアントレプレナー(起業家)、ともにすべてを賭ける仲間、その人間たちに焦点を当てた1冊。
・まだスタートアップすらしていないアイデアレベルの状態の「自称」アントレプレナーに投資家が投資、支援を決める条件とは、
①未来の機会着眼とビジネスモデル
②起業家その人の「人格」
である。
・①は要するに、未来へのソウゾウ力(想像力と創造力)で組み立てる社会と生活者に役立つ独自の効果的な儲かる仕組みのことである。
・②は要するに、「この人は、こちらがお金と時間を賭けるに値する人か?」である。
・成功者というのは、成功してからは、高い品格を備えた人格者と呼ばれることが多いが、もともとの原始的人格は「普通じゃない」ことが多い。要するに、「変人」である。
・本書では、変人の3つの特徴について挙げられており、どれかを強烈に備えていると、「この人はアントレプレナーの資質を持っているな」と判断させる、ということだ。
※変人の3つの特徴については、本書をお読みください。
本書で紹介されているアントレプレナー(起業家)のケース(一部)
レイ・クロック(マクドナルドの実質的創業者)
・レイ・クロックは、1954年、ミルクセーキミキサーのセールスマンとして、マクドナルド兄弟の元を訪れ、マクドナルドの効率化された調理システムに興味を持ち、フランチャイズ権を獲得、その後、店舗数の伸長に貢献し、90年代には全世界で2万店舗以上を展開する世界最大の外食産業に急成長させた人物である。
・レイ・クロックがつくったものはマクドナルドだけでなく、ファストフード産業そのものをつくった人と言っても差し支えない。
・彼はもとは、流しのピアニストだったが、そこからセールスマンとして、当時流行り出した紙コップのセールスマンを始めた。
・そのうちに、紙コップから次に当たりそうなミルクセーキをつくるマルチミキサーを売るようになり、全米を一生懸命に渡り歩いた。
・あるとき、マクドナルド兄弟がやっているハンバーガー屋さんに出会い、常に行列であるにもかかわらず、すさまじい勢いでさばき、フライドポテトのあまりの美味しさに衝撃を受けたことで、マクドナルド兄弟に商標権(営業権らを買い取りたいと申し出たことが始まりであった。
※その後、どのようにマクドナルドは展開していったのか、そして、「レイ・クロックのどこにすごさを感じるのか」についても触れられているが、詳細は本書をお読みください。
・本書は、「エンジェル投資家は、アントレプレナーのどこを見ているのか?」「アントレプレナーに見るリーダーシップ」「アントレプレナーの必須要件」「『人格者』アントレプレナーの人格を示す『善・知・徳』」「DX時代をつくるアントレプレナーたち」「アントレプレナーは、たいてい共同創業者」「いずれ起業したいと思っているきみへ」という章で構成されており、
◇ダイソンをつくったジェームズ・ダイソン
◇マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ
◇アップル創業者のスティーブ・ジョブズ
◇テスラ・モーターズのイーロン・マスク
◇フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグ
◇ソニーをつくった井深大とソニーを残した盛田昭夫
◇ホンダを生んだ本田宗一郎とホンダを育てた藤沢武夫
などのアントレプレナー(起業家)を通じて、投資家が投資、出資を決める人たちの特徴について紹介した内容となっている。
思わず、心の中で「面白い!」と叫んでしまいました(笑)
本書の最後に書かれている、毎朝起きたときに繰り返しつぶやいてほしい「ひとり言」もぜひ毎日実践します!
※↑の詳細は本書をお読みください。
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