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中崎倫子「大学図書館司書が教える AI時代の調べ方の教科書」

・本書は、大学院時代に培った学術系の情報収集の技術や統計学・データ分析の技術をもとに、レファレンス担当・ガイダンス担当として、利用者に図書館の利用法や資料収集の方法を教えるほか、NewsPicksトピックスオーナーとして、古典や図書館などの情報を発信する著者が、調べ物や情報収集に不慣れな初心者を対象に、調べ物や情報収集の技術を効果的に習得する方法について解説した1冊。

・情報収集とは、「どこに」「どんな情報」があって、「どんな方法でその情報が入手できるのか?」の3つの要素に分解できる。
・言い換えると、「情報の内容」「情報の所在」「情報の入手方法」を決め、実行することが情報収集と言える。
・情報収集で最初に決めるのは「期限」。期限を設定することは、情報収集を効率的に進めるうえで非常に重要である。
・その目的は、
◇時間的な制約をかけ、集中力を高める
◇調べすぎを防ぐ
の2つにある。特に、「調べすぎを防ぐ」ことは重要。現代はアクセスできる情報が多くあり、収集しようと思えばいくらでもできてしまう。情報収集に時間をかけすぎてしまうと、分析や時間に取れなくなってしまう。
・そのため、どれくらい調査に時間が使えるかを明確にしておくことが大切である。
※具体的なステップ、情報収集の前の計画の詳細については、本書をお読みください。

・情報収集をするときは、適切な資料の選択が大切。基礎的な知識を知りたいのか、最新の情報が欲しいのかなどの目的により、利用する情報源が違うためだ。
・資料の種類として、
◇参考図書(調べるための本)
◇本(図書)
◇雑誌記事・論文
◇新聞記事
◇ウェブ記事
◇SNS
◇各種データベース
が挙げられている。
・参考図書や本のように、網羅性・体系性を備えた資料は、基礎的な知識を得るのに向いている。
・一方、雑誌記事・論文、新聞記事、ウェブ記事やSNSは、情報は断片的だが、速報性が高いため、新しい情報を得るのに適している。
※各資料の特性や、情報収集で調べたいテーマについてどんな情報があるのかを調べるのに便利なサイトについても述べられているが、詳細は本書をお読みください。

・本書は、「情報収集をする前に」「情報の集め方」「図書館を使いこなす」「情報を吟味する」「情報のまとめ方」という章で構成されており、
◇情報を探す前の決め方3ステップ
◇各資料(本・雑誌・論文・インターネットなど)の情報の収集方法
◇図書館の使い方の基本
◇情報の信頼性の見極め方(基本編・応用編)
◇情報は使える形で〇〇〇〇する
など、AI時代における調べ物、情報収集の基礎的な技法について紹介している。また、章末には本書の項目の内容が深まるブックリストも収録されている。

情報過多な現代社会だからこそ、読んでほしい調べ方の教科書です。

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