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本間正人「言いづらいことの伝え方」

・本書は、教育学を超える「学習学」(「人間は学ぶ存在である」という人間観に立って、誰もが様々な学びを通じて、じぶんらしく輝いていくことができるという考え方)の提唱者として、個人の可能性を引き出すコーチングやファシリテーション、キャリア教育、グローバル人材など、幅広いテーマで活躍する著者が、「わびる、反対する、お願い事」など、言いづらいひと言を的確に口にする適切な方法を、ビジネスシーンごとに具体的に解説した1冊。

1 自分のミスをお詫びする〜取引先に2週間後にうかがう約束を取りつけたが、翌日、他の用事が入っていることに気づき、日程の変更はできたが、訪問した際に謝る方法〜

回答&解説
×すいません
△すみません
×ご不快な思いをさせて申し訳ございません
⚪︎私の確認不足でご迷惑をおかけして申し訳ございません
⚪︎二度手間をおかけしましたことをお詫び申し上げます

・お詫びは丁寧に丁重に言うのがベター。「すいません」は砕けすぎた言い方である。ミスの内容はどんなものであれ、軽く扱っているような印象を与える。謝罪の言葉として機能しないのが実情。せめて「すみません」と言いたいところだが、相手が取引先であれば、最低でも「申し訳ございません」というのが礼儀である。
この事例のポイントは、
□お詫びの言葉は軽すぎても、言いすぎてもダメ。
□本当に相手は不快に思っているかどうか
□ミスそのものに絞ってお詫びをすること
である。
※詳細は本書をお読みください。

2 上司に不満を伝える〜プロジェクトリーダーの部長に不満をぶつけたい場合〜

回答&解説
×そんなことではダメですよ
×部長はなんで□□しないんですか
△部長、ひとこと言わせてもらっていいですか
⚪︎部長、いまよろしいですか。ひとつ提案があります
・「そんなことではダメですよ」などの言い方は明らかに相手を責める、詰問する言い方である。部下からこんなふうに言われれば、誰しもいい気持ちはしないもの。
・今回のケースの目的は、組織のあるべき姿、目指すべき方向性を具体的に提案することのはず。まずはその点を踏まえておくこと。
・「部長、いまよろしいですか。ひとつ提案があります」の言い方は自分の意見を述べようとしている。前者はトゲがあり、怒りの感情が含まれており、ケンカを売っている印象すら受ける。
・不満を伝える場合のポイントは、怒りの感情を抜いて、ニュートラルな状態で提案すること。そうすれば、相手も受けとめやすくなり、提案が採用される確率も高まるのだ。
・実際に言うときには、「部長、いまよろしいですか」と許可を取ってから、「ひとつ提案があります」と切り出すのが効果的である。

・本書では、「「お詫び」の気持ちを伝える」「相手を傷つけずに「反対」「指摘」する」「相手の心に寄り添う「なぐさめ方」」「ミスを伝える、頼み事をする」「成果の出ない人を「励ます」」「感謝の気持ちを適切に伝える」という章で構成されており、「ミスや失言のお詫びの方法」「依頼の断り方」「相手のミスの指摘方法」「失敗した人、元気がなさそうな人などのなぐさめ方」「感謝の伝え方」など、さまざまな言いづらいことの伝え方の方法が紹介された内容となっている。

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