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守屋実「新規事業を必ず生み出す経営」

・本書は、自ら資金を入れて役員につき、事業責任を負うスタイルを基本とし、医療、介護、ヘルスケア、印刷、金融、教育、農業、製造業…と、様々な分野の新規事業に従事し、30年で50余りの事業開発に関わる「新規事業のプロ」の著者が、自身が事業開発を手掛ける中で編み出した、事業を再現性をもって生み出す「基本の型」を公開した1冊。

・新規事業には、「こうすれば必ず成功する」という百発百中の必勝法はないが、ものすごい数の失敗を経験していくと、さすがに同じ転び方はしなくなる。
・新規事業は多産多死が前提で、十中八九失敗するが、それはつまり「10回ちゃんとやりき」ば1つは成功する」ということである。
・そうであるならば、9回転んでも致命傷を負わない痛手を負わない転び方で正しい試行錯誤を重ねれば、さらなる高確率で必ず事業は生み出せる。
・本書では、著者が30年にわたる成功と失敗を量稽古で身につけ、実践の場で使っている型を、
①マーケットアウトの型(どういう事業をつくれば成功するか)
②仮説・実証・参入の型(どういう手順でやれば成功するか)
③新規事業のプロと対象市場のプロの型(どういうメンバーでやれば成功するか)
という3つに体系化した。
・新規事業に共通する一番重要な成功要因は、「マーケットアウト」ビジネスになっていることである。マーケットアウトとは、顧客の立場に立ち、顧客の視点で真の顧客ニーズを理解し、マーケットの利益を最大化するビジネスを創造し続けるスタイルである。
・戦前戦後から現在にいたるまでのビジネスは、「ものありき」のプロダクトアウト型で成功してきた。
・売るモノ、つくるモノを決定するシーンにおいては、往々にして生産(供給)側の都合が優先され、顧客ニーズは二の次となる。そして、売りモノができて初めてマーケット(顧客)に目を向けて、「商品をどこに売るか、使ってくれそうなのは誰か」を考え、そのターゲット層に対してコミュニケーションを仕掛けていくのだ。
・つまり、考える順番はあくまでも商品・サービスありきで、すでにでき上がったものをどんかユーザーに訴求するか、というのがマーケティングの中心にあった。
しかし、モノが充足されてくると、プロダクトアウトでは消費者のハートをつかむことができず、マーケットイン(顧客の声を聞いてつくって売っていこう、顧客満足を重視しよう、という考え方)へとシフトしていく。
・だが、著者は時代はさらにその先に移っていると考えている。顧客の第一選択肢が「要らない」となったいまらプロダクトアウトはもちろんのこと、すでにマーケットインも通用しない、ということだ。
※その理由についての詳細は、本書をお読みください。
・マーケットアウトは、顧客に近づく方法としてはマーケットインと同じだが、構造的に近づけるのがマーケットアウトなのである。
・また、費用の面で見ても、総じて需要より供給力が上回り、需要喚起コストが供給コストを上回る不等式社会に突入している。
・なので、顧客のほしいものを探り、そのニーズに応えるマーケットアウト型で商売をやるほうが、高い収益性を生み出し、ひいてはビジネスの持続的な成長が可能になるのだ。
※ただし、マーケットアウトを事業として成立するためには、ひとつ重要な条件がある。その条件については、本書をお読みください。

・本書は、「新規事業は必ず生み出せる!」「新規事業版『7つの大罪』の原体験」「新規事業の『型』を身につける」「新規事業に最適な体制を整える」「『マーケットアウト』の型で事業を構想する」「『仮説・実証・参入』の型で事業の勝ち筋を確立する」という章で構成されており、
◇学生起業で1億円稼いだ時のエピソード
◇新規事業に最適な体制をつくる2つの策
◇どういうメンバーでやれば事業は成功するのか
◇絶対的な価値づくりの3ステップ
◇最小の投資で儲かる事業をつくる3ステップ
といった新規事業の立ち上げ方、体制の整え方など、新規事業を成功するためのヒントが収録された内容となっている。また、巻末には「デジタル事業・福祉業界・大企業との協業」の事例や、新規事業の心得も収められている。

本書の価格は13,500円+税と一般の本よりかなり高額となっていますが、新規事業を立ち上がる方々にとっては高くないかと思います。

ご興味ある方は、手に取って見てください。

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