倉嶌洋輔「AI時代のキャリア生存戦略」
・本書は、IT系証券企業、グルメレビューサービス企業、東大系AIベンチャー等の事案でのコンサルティングやらTech系の情報発信を一般の方々に行い、個人や企業のTech系の底上げや先進化に従事する著者が、次の時代に生き残るためにAIの基礎知識やAIを踏まえて変えるべき仕事観について同世代と共有するために執筆した1冊。
・新技術の進歩により、新しいものが生まれる一方、古くからある多くの職業が、脱人間化され、「テクノ失業(脱人間化の波による失業)」起こる状況に私たちは身を置いている。
・しかし、この「テクノ失業の波が来ていること」自体が問題ではない。その波の正体が理解されず、波に対抗するための的確な理解と戦略を持って行動に移せている人がとても少ないことが問題である。
・その中で戦略を考える際、身の回りの外部環境がどのような状況に置かれているかを理解し、今後どうなりそうかの検討をつけておくことが重要である。
※その考え方として、未来を4つの分類する考え方(確実に見通せる未来・他の可能性もある未来・可能性の範囲が見えている未来・全く先の読めない未来)をキャリア戦略に重ねて紹介しているが、詳細は本書をご覧ください。
・本書では、テクノ失業の波だけでなく、それが飲み込む職業を「低・中・高」の3つのスキルに分け、それぞれに最適な戦略を用意している。
・スキルの定義については、
⚪︎低スキル=マニュアル型業務の人
⚪︎中スキル=非マニュアル型業務を行う一般的なビジネスパーソン
⚪︎高スキル=起業家、小規模企業の経営陣など、マルチスキルの人
になる。
・「低スキル型職業」とは、仕事のやり方を緻密にマニュアル化・定型化できる職業であって、頭の良さ悪しではない。たとえば、銀行や公務員の窓口係、定型化された教科書の内容を教える教員は、頭を使う低スキル型の職業として挙げられるし、税理士のように年収の高い職業も該当する。
・この低スキル型業務が、もっともAI化・キカイ化される危険性が高いので、早めに危険を察知し、別の領域への戦略を立て、行動に移すことが、この低スキル型の領域におけるキャリア戦略となる。
・ただし、「人間が行うことに価値のある仕事」や「AI化やキカイ化するには多大なコストがかかる仕事」などの低スキル型業務は引き続き残り続ける。
・低スキル型の職業の方は、「整理された業務を確実にこなす能力に優れ、まじめで忍耐強い」という強みを活かし、いまの低スキル型職業から、淘汰される可能性の低い低スキル型職業へ転職する戦略が推奨される。また、大幅なステップアップを目指したい方は、本書に書かれている複数領域を横断する「防御戦略」も読み、戦略の選択肢を加えていくことを著者は勧めている。
※中スキル、高スキル向けの戦略については、本書をお読みください。
・本書では、「「魔法の時代」と「魔法への対抗策」」という序章から始まり、「「テクノ失業」の波と、3つの生存戦略」「3つの生存戦略の具体的な方法(高台に逃げる退避戦略・防波堤を築く防御戦略・時代に乗る、波乗り戦略」「AI時代の情報収集術」という章で構成されており、「AIが得意なこと、苦手なことは何か?」「AIに代替されやすい職業(レッドリスト)25選と代替されにくい職業(ブルーリスト)25選」「変化の激しい時代のあるべき生き方とはどのようなものか」などが紹介されており、「公務員」「大手企業のサラリーマン」「起業家」の3つのパターンを漫画を通じてどのように戦略を立てれば良いのかという具体的な事例が書かれている内容となっている。
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