トイアンナ「弱者男性1500万人時代」
・本書は、キャリアや恋愛についてのテーマを中心に執筆し、これまで5000人以上の悩み相談を聞き、弱者男性に関しても記事を寄稿する著者が、生きづらさを抱えながらも、無視され、ないがしろにされる側面を持つ「弱者男性」の各調査の統計を基に解説し、彼らに関する3つの目的を叶えることを目的に執筆した1冊。
・この世に女性差別があるように、男性への差別もある。某大学教授による推計値では、日本で弱者になり得る男性は、最大1500万人も存在している。つまり、人口の8分の1が、今も生きづらさを抱えているのだ。
・2022年時点で日本の人口は、1億2494万7000人で、うち男性は6075万人。つまり、男性の約24%は、何らかの弱者性を抱えている。
・自分で自分を弱者男性だと認識する理由の最たるものには「年収が低い、貧乏である」が挙げられており、続いて「友人が少ない」「人と話をするのが苦手だ」がトップ3に入った。
・つまり、男性は自分の年収が低く、さらに人の縁に恵まれないと「自分は弱者である」と認識しやすいと考えられる。
※「弱者男性」という言葉が現代社会に生まれるに至った歴史的背景について述べられているが、詳細は本書をお読みください。
・そもそも男性は、女性と比較して早く死ぬ。厚生労働省がまと」た調査によると、日本における平均寿命は、女性は87.09歳に対して男性は81.05歳で、約6歳もの差がある。特別な理由なとではなく世間一般な平均寿命から見ても、男性は女性より早く死ぬ。これは変わらぬトレンドなのだ。
・また、男性は自殺もしやすい。厚生労働省と警察庁がまとめた調査によると、年間で2万1881人いる自殺者のうち、男性は1万4746人に対して女性は7135人と、男性は女性の約2倍もの自殺者がいる。
・そのなかで、自殺の原因・背景については経済・生活問題や健康問題・家庭問題をはじめ、あらゆる要因が絡み合い、自殺行為につながっていると推測している。
※その他の男性の弱さ(配偶者がいない場合・セルフネグレクト・3K労働の就きやすさなど)についても述べられているが、詳細は本書をお読みください。
・本書は、「弱者男性とは誰のことか」「男性の弱さ」「弱者男性の声」「弱者男性の分類」「弱者男性になってしまう」など合計9章で構成されており、
◇年収1000万円のハイスペでも男性が「生きづらい」理由
◇弱者性の主なカテゴリー
◇独身男性が「介護する息子」になる
◇弱者男性が訴えた「本当にほしい支援」とは
といったさまざまなデータを通じて、弱者男性の実態を解説し、彼らの支援策について紹介した内容となっている。
本書で叶えたい3つの目的とは、
①男性の弱者性を明らかにすること
②弱者男性に対する誤解を解く
③「弱者男性が求める支援」を提案する
である。本書を通じて、弱者男性の現状について理解し、ひとりでも弱者男性が減少するきっかけとなり、世の中の男性やその家族が生きやすい社会にならばよいと感じた。
目に触れたくない事実もありますが、背いてしまっては、前に進めないように思いました。
※本日(4/23)発売の本です!
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