「太陽よりも眩しい星」にドハマリしている話
昔からマンガや小説が大好きだったのだけど、増やしても増やしても足りない本棚の容量の関係でめっきり買わなくなっていた。
ところが、コロナ禍+在宅勤務+まだ小さい子供の寝かしつけに時間がとられる+自分の趣味の時間がとれない…という環境で、昔よりもバラエティ豊かになったマンガアプリに手を出したら、手元のスマホにエンタメの世界が広がって、「毎日の彩りが違う!!」と開眼してしまう。
いったんハマったら転がり落ちるように電子コミック沼にズブズブズブ。
気づけば惜しみなくお金と時間を電子コミックにつぎ込むようになってしまった。
沼落ちの大きなきっかけになった作品がある。
それが「太陽よりも眩しい星」
略して「たまほし」
別冊マーガレットで連載中の、河原和音先生の作品である。

(電子でも紙でも買う傾倒っぷりです)
この作品の良さを一言で表すのは難しい。いわゆる恋愛ものの少女マンガなのは間違いないのだけど、他の作品とは一線を画す何かがある。
その魅力に抗えず、私は別冊マーガレットを毎月購入するようになり、誰かと良さを語り合うためにTwitterで専用アカウントを開設した。
(すっかり雑多なつぶやきにまみれていますが…)
#太陽よりも眩しい星 にハマって別マ購読を始めた者です。
— ちー📕 (@chee55nezu) April 14, 2022
実は若かりし頃は別マを履修していなかったため、いい歳でガチの別マデビュー(!)
別マアンケで「35歳以上」ってくくられてる枠。ターゲット外なのに勝手に刺さってうっとりして、お見苦しい限りで恐縮ですw
でもでもでも!好きなんですー!!!

(表紙を飾る際は別マも電子+紙で購入)
(本棚の限界に挑戦中😂)
■あらすじ
ヒロインは岩田 朔英(いわた さえ)ちゃん。
作品開始時点では中学3年生。
(2話から高校1年生)
小学校の入学式で出会い、その後6年間同じクラスだった男の子のことを一途に想っている、引っ込み思案な女の子。
身長が高く、女の子らしくないのがコンプレックスで自分に自信がない。
でも実は、スポーツ万能、成績優秀、いつも冷静に周りを見て、躊躇わずに人助けをする優しいハイスペ女子なのだ。
本人と周りの幼い子たちが気づいていないだけ。
朔英が思いを寄せるのは神城 光輝(かみしろ こうき)くん。
にぱっと笑う八重歯の笑顔が可愛い男の子。
小学校入学時は、背が低くて勉強も運動も苦手で好き嫌いが多くて。
牛乳ぎらいの光輝の代わりに、朔英が6年間給食の牛乳を代わりに飲むというエピソードも。
でも小学6年生頃から背が伸び始めた光輝は、みるみるかっこよくなり、サッカーも上手くなり。
隣の席の「光輝」から、誰もがかっこいいと思う「神城」へと成長。
そんな神城を、朔英は昔のまま想い続けている。
そして同じ高校の同じクラスになって…というお話である。
■作品の特徴
この作品の特徴は、朔英が小学校の頃のふたりの思い出を頻繁に回想する点にあると思う。
1話に1回、場合によっては2〜3回かそれ以上、朔英は小学校の頃の神城を思い出す。
読者は何度も挿入されるエピソードに、ふたりの仲の良さ、朔英の想いの深さを知る。
まるで青春時代に戻ったかのような気持ちで、優しく切ない恋心を追体験する。
そして、優しく謙虚で可愛い朔英の想いを全力で応援したくなってしまう。
■モノローグ
朔英は口数が少なく、言って良いことかどうか検討してから慎重に発言する性格で、口癖は「大丈夫」。
会話は相手主導で進むことが多いが、そのぶん心の中ではいろんなことを考えており、それがモノローグの多さにつながっている。
モノローグは時にとても叙情的で、時に抽象的。まるで歌詞のように。
それが作品の世界観を深め、高めている。
帰宅中の車内は再読タイム
— ちー📕 (@chee55nezu) May 20, 2022
ずっと心の奥にしまってきた
想いが生まれるたびにとじこめて
私の中で育った気持ちは
怖いくらいに大切で
……好きすぎて
壊れるのが怖くて
消えるのが怖くて
口に出すことをしなかった
今やっと言葉にできた
第3話のこのモノローグ好きすぎる…!#太陽よりも眩しい星
#太陽よりも眩しい星 17話感想
— ちー📕 (@chee55nezu) October 12, 2022
エピソードタイトル
「星座にならない星」
朔英の決意
「ロケットに乗った人は
怖くないから乗ったんじゃない
宇宙へ行きたくて」
痺れました。
私たちはただの恋愛物語ではなくて、朔英の成長を読んでいるんだな。
#太陽よりも眩しい星 18話感想
— ちー📕 (@chee55nezu) November 10, 2022
サブタイトルが「太陽よりも眩しい星」なので予感がありました。
ひたすらエンドレスで読み返してて、最後らへんのモノローグ暗記しちゃいました🤭💕
神城は 眩しく光って
神城を好きな気持ちは 眩しく光って
道標みたいに
■たまほしを支持するファン
定期的に感想をつぶやくTwitterアカウントは30件以上。
もともと河原和音先生のファンの方々に加えて、この作品でファンになって専用Twitterアカウントを作った方が何人もいる。
メディア化されていない少女マンガで、ここまで支持される作品というのは珍しいように思う。
(私が把握していないだけかもしれませんが)
この作品がここまで支持されたのは、1巻の最後、4話の展開が大きいと考えている。
3話のラスト、神城に好きな人がいることが発覚する。
そして4話では、朔英が直接神城に好きな人のことを訊く。
すると真っ赤に動揺した神城は、夜空を見上げながら、第三者の存在として「太陽を超えた星みたいに眩しい人」のことを語るのだ。
それまでは
「神城も絶対朔英ちゃんが好きだよね!両片想いだよね!」
という雰囲気の描写だったのが、
「え?!神城には他に好きな人が?!」
と様相が一変。
朔英がすばやくジャージの袖で拭った涙とともに、読者も失恋の切なさを味わったのである。
恋愛は楽しくきゅんきゅんするばかりじゃなくて、つらく切ないこともある。
読者も、過去にいろいろあるわけで。
そんな自分の弱くて柔らかい思い出とともに、たまほしの世界観にぎゅっと心を掴まれたように思う。
実際、先ほど書いたTwitterアカウントの開設者も、大半が子育て中のママさんたち。
本誌での掲載順は前の方なので、別冊マーガレットの本来のターゲット層である女子高生たちにも支持されているはずだが、熱烈に読み込んで感想を世に送り出しているのがアラサー・アラフォー世代中心だというのは、「過去の経験ゆえの没入度」が少なからず影響しているのかな…と拙考する。
ずいぶん前置きが長くなってしまった。
今後このnoteでは、大好きな「太陽よりも眩しい星」について、過去にTwitterでつぶやいたアレコレや、新規のレビュー、考察(というか妄想)をまとめて記録していこうと思う。
書くとなったらむやみに長くなりそうなので、そんなに本数は書けないかもしれないし、続けられないかもしれない。
でも、とにかく始めてみます。
よろしければお付き合いくださいませ。