肝心なところでフリーズ
(2021年1月31日 「カサンドラ・デイズ」投稿)
ASDらしいエピソードでいえば「肝心なところでフリーズしてしまう」シーンがいくつかありました。
『フリーズする』というのは、話している途中で『口を閉ざし、何も反応しなくなる様子』のこと。
そんなとき私はつい『じっくり考えてるのだろうから、考えがまとまるのを待ってあげよう』と思ってしまったのですが、このモードに入ってしまうと待たされたまま1時間以上ずっとそのままのこともあったので、いわゆる一般に『考え込んでる』のとは全く違います。(本人がどんな状況に陥ってるのかはわかりません。)
私が元夫のフリーズを目撃したのは4、5回ありましたが、その中でもわかりやすかったのは、市の発達支援センターで長男が受けたIQテストの結果について元夫と一緒に心理士と面接した時のこと。
私はそれまでにも発達支援センターに通って心理士とは何度か面談していたので、この日は主に元夫が心理士と話す感じになりました。
心理士はこんな内容のことを話しました。
「息子さんの件で発達障害を心配しておられましたが、結論から言うと急いで受診しなければならないようなことはないと思います。全体として知能は低くないです。〇〇などが高いスコアを出しています。ただその一方で●●などは苦手なようです。この差が大きいのでやはり凸凹があるとは言えます。お父さんはこれをご覧になってどう思われますか?」
この問いかけで元夫はフリーズに入ってしまいました。
二分か三分か…誰も声を発さない時間が続きました。
私もどうしたものか焦りましたが、心理士はいたって落ち着いていて、表情も変えなかったので私も何も言いませんでした。
それからようやく元夫がゆっくり口を開いて、話し始めたのでなんとか会話は続きました。
今思い返すと、息子のIQという初めての話題でオープンクエスチョン(答えが選択式ではない質問)されたのがダメだったのだろう、と思います。
ASDの人はオープンクエスチョンが苦手です。
しかも初めての話題であれば経験を活かすことも出来なかったのだろうなと思います。
もしかすると心理士もあえてその聞き方にしてみたのかもしれません。特性を見るために。