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悩めるカサンドラさんへ…財産目録を作ってみよう【①不動産編】

(2021年2月23日 「カサンドラ・デイズ」投稿)

財産としていちばん大きいのは一般的にはやはり不動産ですよね。
金額が大きいのでここはしっかり押さえていきましょう。

<賃貸に住んでいる方>
今賃貸に住んでいる方はこの【①不動産編】は書くことはないので、ノートにタイトルの「財産目録」だけを書き、次の【②預貯金・現金・投資信託・株式編】に進みましょう。

ノートを見開きに使って、まずはこんなふうに書いてみましょう。

財産目録『不動産』

タイトル:「財産目録

見出し:「1.不動産

表の項目(文字が小さくなりすぎて誤りが発生しないように二行使っていくのがオススメ。)

・No(1,2と連番を書いておきます)
所在・地番(又は家屋番号)
・地目 種類
・地積 床面積
・評価額
・確証
・備考(現状・持分等)

書けましたか?

では、次に最新の「固定資産税・都市計画税納税通知書」を探しましょう。
ありますか? 毎年、市などから送られてきているものです。(見つかることを祈ります!)

  • うっかり捨ててしまった!?「固定資産税・都市計画税納税通知書」が見当たらない場合
    市などで課税明細書の写しをもらえるようです(300円)。下記は東京都主税局の場合ですが、『課税明細書の内容を再度確認したい場合は、資産が所在する区にある都税事務所において、課税明細書の内容が記載された名寄帳の写しを交付(閲覧)することができます(手数料は1件300円となります)。』(https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shitsumon/tozei/index_o.html#o25

見つかった人はこれを見ながら、わかるところを埋めていきましょう。

固定資産税・都市計画税明細書

・所在・地番(又は家屋番号):いわゆる住所ですね。「所在地」として載っていますね。
地目 種類 :「課税地目又は現況構造」として載っています。土地は「宅地」、建物は「木造二階建」などです。
地積 床面積 :「登記地積又は登記面積(㎡)」として載っています。
・評価額
 :「評価額」として載っています。
確証 :「固定資産税・都市計画税納税通知書」ですね。
備考(現状・持分等):共有者一覧に載っている持分割合を載せておきます。

分かったところから記入してみる

こんなふうに書ければOKです!

ただし、実際はこの課税明細書に載ってる評価額だけでは財産目録として認めてもらえないです。
なぜなら、不動産に限らずモノの価値の基本的な考え方は「今、現金化したらいくらなのか?」ということに尽きるので、課税明細書の評価額とは別の話だからですね。

そこで、次に示す「不動産会社に査定してもらう」ということをやります。
財産目録に載せる評価額はこの不動産会社の査定額が基本になっていきます。

不動産会社に査定してもらう

戸建ての場合、マンションの場合、いろいろだと思いますが、自宅の金額を知りたいときどうするの?と私もはじめは思いました。

ちょっとびっくりなんですが、実は「売却するかもしれないという仮定で大手の不動産屋さんに無料で査定してもらう」ということをするんです。

『え?売る気はなくてもウソついて無料で査定だけしてもらうなんてできるの?』と思いますよね。
私も、売る気は全くなかったです。
売るなんて考えただけで涙が出そうなほど思い出がいっぱいつまった家ですから。
でも「売ったらいくらになる」という情報が必要。
不動産屋さんには何の得もないのに、頼んでいいの…?

いいんです。

そういうものらしいのです。
離婚や相続などで不動産を無料査定してもらうのはよくあることなのだそうです。
ただし、あまり最初から「査定だけです!絶対売りません」と断定するのはどうかな?とも思います。
実際、そう宣言していても売ることになるかもしれないですしね。
あまり思わせぶりなことを言ってもよくないですが、「おそらく査定だけになる可能性が高いのですが、実際にもし売ることになったら御社を検討させていただきます」というくらいのスタンスがいいのでは、と思います。

ここから先は、私が実際に不動産会社に査定を依頼した時の経験談になります。

私も実際に三社に査定を依頼しました。
地域により不動産会社側の得手不得手もあるようなのですが、私の場合は大手二社とこの地区に強いと言われる一社をネットで選びました。

ネットで見ていると、メールなどですぐに回答が得られるところ、まずは査定依頼の入力から始まるところ、電話して予約するところ、等いろいろありましたが、大手二社は査定依頼の入力をしたあと担当者からびっくりするほど早い折り返し電話がかかってきました。

ドキドキしながら「事情があり、土地と家屋の査定を希望しています」ということを伝えると、担当者は慣れていて「住所や築年数だけを参考にざっくり評価額を出すこともできますが、実際に拝見して、より現実に近い数字を出すこともできます。どっちがいいですか?」と聞いてきました。
私は内覧してほしいとお願いしました。

内覧の日

内覧は、夫や子供たちがいない日時を設定しました。(もちろんですが)
スーツを着た30代くらいの担当者が来てほんの10~15分程度だったか、家の内部を見ていきました。

一社の担当者はサーッとすばやく見て「すてきなおうちですね」と最初から最後までほめてくれて、「査定は高めに出しますか?それとも低めに出しますか?ご要望にお応えしますよ」とも言ってくれました。
なんだかほんのり味方になってくれてるようで嬉しかったのを憶えています。
もしその時点で私が取得することが決まっていれば「低めにお願いします」と言えましたが、まだどちらのものになるとも決まっていなかったので「中間くらいの、現実的な数字をお願いします」と伝えました。

別の一社の担当者は掃除されていない子供部屋を見て「もし買い手が見に来る場合はこの部屋は掃除したほうがいいですね」と正直に言っていかれました。
担当者にとっては商売ですからこの家を単なる商品として見るのは仕方がないと理解しながらも、『めんどくさくて掃除してないわけじゃないんだよ~!子供が手を付けさせてくれないんだ!問題はそんなに簡単じゃないんだよ~~~』と思い、ちょっと苦笑いしてしまいました…

内覧した会社の査定書は一週間後くらいに厚めの封筒で届きました。

家の査定書

ネット査定も含め、三社の間でわずかに違う金額だったり、一社の中でも幅があったりしましたが、土地に関しては10%以上違う数字はなかったです。

家屋については築年数だけで算出したところは最も高く、内覧したところは低い査定という結果になりました。きっと傷みが激しい家、と内覧で見られたのでしょうね。

不動産会社とのその後

こちらとしては査定書さえもらえばあとは不動産会社との付き合いは必要なかったのですが、その後やはり何度か電話はかかってきました。
不動産屋さんからすると「売ってほしい」んですよね。それが不動産屋さんにとっての仕入れになりますからね。

私は『子供たちとの思い出の家、絶対売るもんか』と涙を浮かべながら思ってはいましたが、実際、調停で決着するまでどうなるかわからなかったので、電話がかかってきたときは「すみません、まだ相談中なんです」と保留させてもらっていました。

そしてようやく調停が成立したあとに「申し訳ありませんが売らないことに決まりました」とはっきり返事しました。

逆上したりする担当者はいませんでした。残念そうだったりはしましたが。
掃除したほうがいい、と言った担当者は「ハッキリ言ってもらって助かりました」とおっしゃっていました。

以上が不動産会社から査定書をもらったときの私の経験談でした。

役所の課税評価額は使えないの?

モノの価値は「今、これを売ったらいくらで売れるのか?」ということに尽きるので、不動産については不動産会社の査定書がズバリそれなのですが、その一方で、じゃあ役所が決めている「課税評価額」は何なのか?と思いますよね。

ウチの場合、課税評価額は不動産会社査定の5~6割くらいだったので、家を取得する側にとってはこれを使って安い評価額にしたほうが財産分与するときにはお得なわけです。(安く手に入れられる)

『課税評価額は使えないの?』

このことを私も疑問に思い調停員に聞いたところ、これまたとても不思議なのですが、

「使っていけない決まりはないです、相手方と相談して相手方が了承すればそれでいいです。そのようにしている方もいらっしゃいます」

という、なんとも自由すぎる話。
それだけで数百万円もカンタンに金額が動いてしまうのに特に決まりはないんですね。

ただし「相手方と相談して」←ここが問題ですよね。カサンドラさんたちはそれができないから調停に申し立てているわけなので。

損はしたくない。けれど相手方から面倒なことを言われるのも絶対に避けたい。

…私はそう思い、(三社査定の平均+評価額)÷2という、どこまでも真ん中を行くような考え方を提案し、幸い元夫に了承されました。

家庭の事情によりいろいろだとは思いますが、不動産会社の査定額や課税明細書の評価額を参考に、第三者から認められるような不動産評価額をノートに書き込んでみてくださいね。

信頼される資料作りを!

以上で不動産編は終わりです。次は【②預貯金・現金・投資信託・株式編】です。

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