子供にパワハラ的な物言い
(2021年2月6日 「カサンドラ・デイズ」投稿)
2013年、「セクハラ」という言葉は広く知られていたものの、まだ「パワハラ」や「モラハラ」といった言葉は聞きなれないころだったと思います。
このころ私の職場に、2021年の今なら通報されるレベルの「ザ・パワハラ」なマネージャーがいました。
毎日のように特定の部下に対して人格を否定する暴言を吐いていました。
『そういうことを聞いてるんじゃない!』
『私の言ったこと分かりますか?分かりますよね?(笑)』
『そんなんだからいつまでたっても出来ないんだよ!』
『何でそうなるのか理解出来ないんだけど』
とても嫌な言葉ばかりです。
私は席が近かったので、それがいやでも耳に入ってきて仕事が手につかず、ひとり、心を消耗させていました。
ちょうどそれと同じころ、夫が子供二人を連れて富士山登山に行くことになりました。
私は体が疲れきっていて、登山など危険だったのでやめておくことに。
山歩きは夫の趣味です。ふだんから子供のやってることには何も興味を示さないのに、自分の趣味に付き合わせることには積極的。
でも子供たちは夫と一緒に行く気になっていたので、この際だからと私は全部夫に任せ、横になって休んでいました。
すると夫が子供たちに指図する声が聞こえてきました。
「明日着る服はどれ。」
「着替える服はどれ。」
「は?なんでズボンが三枚もあるのか理解出来ない」
「そんなことを聞いてるんじゃない!」
問い詰めるような言い方、否定語のオンパレード。
私にはあのマネージャーのパワハラとまるで同じに聞こえました。
親子で楽しい思い出になるはずの登山の準備でなぜあのようにイライラして子供を叱るのか?
子供たちだって初めてのことを一生懸命やっている。
慣れていないだけ。悪いことなんかしていない。
叱られる理由などない。
夫の言葉と態度は子供の心を傷つけるだけ。
そう思いながらも私はそこに割って入る体力もなければ、そのころはまだ自分の考えに絶対の自信もありませんでした。
でもあれが父と息子の姿なの?
女の私にはわからない世界なの?
今は見守るしかないの??
横になりながら、心はずっとモヤモヤ、嫌な気持ちでした。
ちなみにその後、あのパワハラなマネージャーは部署を異動になりました。
そのせいだったかどうかはわかりません。