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そういう人になるための数百メートル

人が物を落としたらすかさず拾って手渡してあげるとか、駅や道などでしゃがみ込んでいる人を見かけたら「大丈夫ですか?」って声をかけるとか、転びそうになった人に手を差し伸べるとか、道に物が落ちていたら人に踏まれないように、だけど持ち主が探しに来たら見つけられるような場所に移動させておくとか、そういうことをとっさに、自然にできる人を尊敬する。

自分もそうなりたいと思いながら、いざとなると行動の瞬発力がなかったり、迷ったり悩んだりしているうちに他の人がやっていたり、「いま時間ないし」などと自分に言い訳して通り過ぎたりしてしまうことが多い。


このあいだ、地下鉄を降りたところで前を歩いていた人のバッグから何かがポロッと落ちて、本人はそのことに気づかずスタスタと歩いて行ってしまう。

こういう場面キターーー!今日こそは!😳
と思った私は、かねてからイメトレしていたように、サッとその落とし物を拾い、持ち主を追いかける。

その人が曲がって行った角を曲がると、すでに10メートルくらい先を行っていて、しかも走り出している🏃‍♂️

そこは複数の路線が乗り入れている駅なので、乗り換えに急いでいるのかもしれない。


え、走るのー?!と思いながら私も走る🏃💨

その人はどんどんスピードを上げていく🏃‍♂️💨💨

なんとか追いつこうと、こちらもスピードを上げる🏃💨💨

けどなかなか距離が縮まらない🏃‍♂️💨💨 🏃💨💨

なにこの追いかけっこ🤣
相手は追いかけられてるのを知らないから、「っこ」じゃなくて「追いかけ」か……

このまま追いつけなかったらどうしよう、と考え始める。
私も乗り換えないとだし、駅員さんに届けるしかないか…でもこの人、どこで落としたかわかんないのにこの駅で聞くだろうか、確実に持ち主のもとに戻るにはやっぱり今追いつくしかない?
……足をフル回転させながら、脳みそも回転させる🏃🧠💨💨


その人が上りの階段に差しかかって、ようやく若干スピードが落ちたところでこっちは本気を出して階段を駆け上がり、やっとのことで肩に手を触れることができた。

「あの…これ…落とし….ましたよ…」……虫の息😵‍💫

その人は立ち止まって振り返ると、笑顔で受け取ってくれた。

よかった……バタン、、

とはならずに、余力を振り絞って無事自分の乗り換えもできた。


バトンリレーで次の走者にバトンを渡すときのテイクオーバーゾーン、次の走者が本気で走り始めているところを範囲内で追いついてバトンを渡さなければならない、あれを数百メートル続けた感じで(とはいえ、せいぜい200メートルくらいだけど)、あとから思い出すとけっこう面白い。


そんなわけで、"人が物を落としたらすかさず拾って手渡す"を実践できたので、今後もできる自信がついた。

最近ぜんぜん走ってなかったけど、なるべくエスカレーターでなく階段を使うようにしていたのが功を奏したのか、無事追いつけてよかった。

何かのときはいつでも走れるように、足腰を鍛えて体力をつけておかないとだ🏃💨

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