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ビールを飲めない理由
飲めないビールを飲んでみた。
こんなちょっとでもすぐ酔える。なんでビールを飲もうと思ったかというと過去に付き合った人を思い出したから。お酒の力を借りて綴ってみる。
4年前の3月に1人で居酒屋へ。そこで1人で飲んでる男の人を発見。一目惚れだった。ビールに、煙草にスーツが似合う男の人だった。もう少し酔ってから話しかけようとおもって遠くから見つめ、飲めないビールを頼んだ。
思いきってはなしかけて、無視される。LINEのIDを書いて渡す。目の前でクシャッとされる。その左手さえかっこいいと思ってしまった。
それから時間があればその居酒屋に行った。その人も行きつけだったらしい。私を見つけるなりハァってため息をつく。困った顔で少し笑うその表情と呆れた声にしこたま溺れてしまった。
あなたが出ていったあの日。冷蔵庫にはビールがたくさんある。こんなに飲めないよ。こんなにあなたを残して行かないでよ。
吐くまで飲んだ。吐いて一緒にこの気持ちもなくなればいいのに。好きだった。大好きだったんだ。ずっと一緒にいると思ってたよ。いたかったんだよ。
今何してるかな。きっと仕事が忙しいから仕事に生きているんだろうな。わたし27歳になったよ。今ならあの時のあなたの気持ちがわかる。私は未熟すぎた。
もしまた会えたら、あの困った顔でため息つきながら「またお前か」って笑ってね。元気でいますように。ずっとあなたが幸せでいられますように。