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惹かれた踵の三本線

2024/9/24(火) AM11:09記 

昨日は秋分の日の振替休日。
3連休最終日。

お昼には天気が回復し,店内も賑わいを見せた。

カップルと思しき一組がご来店。

男性の足元にふと目を落とす私。

ラバーソールのチロリアンシューズ。



このメーカー,何だったっけかな?

ド忘れした。

ダメだ気になる。

聞こう。

現行のカジュアル既製服のみ取り扱うお店に所属しているパートタイマーの割に,靴に関しては国内外・新旧・ジャンル問わず,広い守備範囲を持っていると自負しているが,パッと出てこない時もある。

人間だもの。

「お履き物はどちらのメーカーですか?」

「えーっと,何だったっけ。あ!KLEMANです。」

「失礼しました。ありがとうございます。」

こんな具合に,お客さんが身につけている物が気になったら,遠慮なく聞いてしまう性格です。

KLEMAN(クレマン)は1945年創業のフランスCLEON社の安全基準をクリアしたワークシューズレーベル。
フランスの行政機関が信頼を寄せており、フランスの国鉄SNCFに始まり、AIRFRANCE、税関、消防署、陸軍などに提供しています。
当初より安全性、頑丈さ、品質を求める業界向けに提供され、当社の代表的なモデルのほとんどは、ISO EN-20347規格に適合しており、滑り止め、耐摩耗性、素材の安全性により、さらなる品質が証明されています。

kleman.jpより

聞きたい衝動に駆られた理由は,ヒールカウンターの三本線。

当店でもラバーソールのチロリアンシューズは取り扱いがある。

それが,Parabootの『MICHAEL』。

ただ,こちらは一本線。

MICHAEL(ミカエル)


でも,これが理由で目に止まった訳ではない。

実はParabootにも,かつて踵に三本線が引かれたモデルが存在していたことを知っていたからである。

それが,こちら。

MORZINE(モジーン)

MICHAELの原型と言われており,三本のダブルステッチだけでなく,モカ部は鋸歯状の被せで手縫い,ウェルトの形状も異なる。

チロリアンシューズは元々木こりの靴だったということ,そしてParabootは登山靴がルーツということもあり,手厚く踵の補強がされている。

兎に角,このクラシックなシューズの記憶が呼び起こされて,お客様のKLEMAN『PADROR』が気になってしまったという訳です。

昨日,琴線に触れたキッカケをくれた『MORZINE』。

この存在を教えてくれたのは,弊社と古くからお付き合いのあるRPJの営業課長さん。

当店のような地方の小規模小売店で,TRUNK SHOWという贅沢極まりないイベントを開催していただいた折,その方が履かれていたモデルが『MORZINE』でした。

「MICHAELとは少し違いますね?」

そんな問い掛けを口火に,貴重なお話をお聞きすることができた。

国境の山を越えたドイツで三本線と言えば,ヒールではなくサイドパネルにあしらわれた某スポーツブランド。

このようなウィットに富んだ情報まで色々と。

最後は取り扱いブランドさんの宣伝みたいになってしまったが,一口にフランス靴と言っても沢山メーカーがある。

ウェストンやエシュン。
コルテ,オーベルシーなどなど。

ここまでお読みいただいた殊勝な方で,もしパラブーツにご興味を持たれた方がいらっしゃいましたら,以下の書籍もぜひ手に取ってみてください。

『MORZINE』も掲載されています。

以上,冬に向けて皆様の足元事情が充実しますように。



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