EURO VINTAGE BOOK
2024/7/10(水) AM9:52記
故きを温ねて新しきを知る。
昔の洋服を参照している商品は数多ある。
むしろ,ほとんどそうだと思う。
従って,古着屋さんでなくとも知識は得ておくべきだというのが持論です。
こと洋服に関しては,古いものや簡素なもの,はたまた規格を外れたものなどの方が価値が上がるという可逆の事象が起こり得る。
技術職として働いていた頃,現場の設備は高効率,メンテナンスフリー,長寿命など機能性が高いものの方が価値が高く,古いものは順次更新されていくのが当たり前だった。
見た目がレトロで格好いいから,使い続けよう!とはならない。
まぁ,普段着と機械電気設備を同列に語るのはお門違いであるが,これは感覚の話です。
古くて機能的にも劣るものの方が価値が高い場合もあるんだと新鮮な発見をくれたのが洋服。
私が洋服を好きになった理由の1つでもある。
車や家具や美術作品など意匠性も重要視されるジャンルには同じことが言えるでしょう。
兎に角,新品のみ販売しているお店であっても,スウェットって何ですか?とかジーンズって何ですか?と聞かれて,学者のように理路整然とは行かずとも概要くらいは語れないと話にならない。
いつもの通り前置きが長くなりましたが,そのような責任感と単なる興味本位から購入した本。
『EURO VINTAGE BOOK』
Them magazineの過去に発売されたナンバー,
No.037『MODE or VINTAGE』
No.044『EURO VINTAGE』
No.050『EUROPEAN VINTAGE CATALOG』
の抜粋に新たなページが加えられた再編集版。
No.050は当時書店で購入できたが,他のナンバー含め2次流通で高騰しているものもあり,中々手が出せずにいるが,いつの日か……。
さて,私が古着に興味を持ったのは学生の頃。
当時はお金がなく(あ,今もでした),SPINNSさんや古着屋本舗さんなどで,安いものを掘り出して,味付けが足りないと感じたらリメイクしてといった感じで,好きで古着を買っていたというより他に選択肢がなかったという要素が大きい。
よって,社会人になって多少使えるお金が増えてからは勉強はすれど "古着を買う" という行為から暫く離脱していた。
そして,当時の年齢の倍になった今。
初老手前にして再燃。
ハイブランドやデザイナーズ,ファクトリー系などヨーロッパ中心のアーカイブ作品に憧憬の眼差しを向ける日々。
現行品はそもそも高くて買えないので身の丈に合わないということもあるが,場合によっては鼻につくというか嫌味に見える。
何より産地が違う,デザイナーが違う,惜しまれつつ終了してしまったブランドなど,新旧どちらが良いという訳ではないが,古着ならではの魅力がある。
故きも新しきも塩梅良く知り,取り入れ昇華させたいものです。
というような洋服屋パートタイマーらしい記事もいくつかしたためてマガジンにしておりますので,他もよろしければご覧ください。
以上,界隈にEURO VINTAGEを扱うお店ができますように。