混合病棟Kちゃん(押し付けられやすい日本人)の大逆転
不思議なご縁で、昔、脳外科にいた時、夜勤中後にKちゃんが若い眼科の患者さんと非常階段で並んで座っている(ラブラブ)所を目撃した事がありました。
Kちゃん曰く「入院中に細身の彼が素敵だなと思って、彼から、モーションがあって、ついつい」
と言ったところでしたが
この細身の彼はグラ🟰緑内障(眼圧が高くなって、調節してあげないと失明してしまう)
若くしてグラになる人は大体神経質な、細身の人が多いとは聞いたけど
彼はまさにその典型で、Kちゃんに退院後も一方的に好意を寄せて、会いに来ていました。
Kちゃんは、単に病棟アバンチュールを楽しんだだけで、退院後も、というつもりは全くなかったと。
罪だわ!それは。
そもそもKちゃんは本大学法学部の学生彼氏がいるのです。
なんだそりゃあ。
グラの男が訪ねてくると身を隠し、皆んな周知してて、今日Kちゃんいないよーと返す。
そんな事を延々としておりました。
Kちゃんは学生の時から一人暮らしをしていて、本年度は看護研究をしていました。かつ、プリセプターも兼ねていました。
恐らく、押し付けられやすい優しい子なんだと思います。
去年の私と同じく気が狂ってて、来年は絶対辞める!
法学部の彼氏が卒業したら結婚する!と言っていましたが、
彼氏がなかなか厄介な人で、自分のせいではないのに、共同責任みたいな感じで、刑務所に入ってしまい
計画は断たれました。
Kちゃんは益々気がおかしくなって行きました。
Kちゃんの部屋は荒れていました。
髪の毛だらけだったし、髪の毛がわんさか付いたブラシもそのまま、ペッて床に置いてあったし。余裕のない生活丸出しでした。
この前はお風呂を貯めている途中で寝てしまい、出しっぱなしで朝を迎えたとか
荒れ放題の部屋に何故かよく遊びに行きました。
Kちゃんは3日、4日の休みをたまに取って、内緒で1人で海外に行く様になりました。
元々頭がいいので、英語は何となく出来て、海外にハマったKちゃんは
ニュージーランドの写真など見せてくれて、
「私、海外で働こうかな!」と言い出し
看護研究とプリセプターのダブルをしながら
アイルランド人の個別指導を受けて、そのアイルランド人の結んだご縁で、何と、イギリスにマジで留学して行きました。
その後、イギリスで大恋愛をして、結婚。
イギリスのリハビリ病院に就職。
エアメールをお互い送りまくっていました。
日本の看護師はありえない!絶対無理!
もう戻りたくない。
私には無理。
イギリスで、日勤だけで6回ティータイムのある余裕のある看護をしているそうだ。
Kちゃんはイギリスの方が自分に合っていると。
楽しくエアメールを送り続けていましたが
途切れてしまいました。
頭のいい子は、こんなにも救われるんだ…と思いました。