混合病棟で見たことある名前のカルテ発見!

看護師3年目、混合病棟にも慣れて来た頃、
カルテの電子化が進み、

職員は全ての科のカルテを読めるようになりました。

夜勤中、暇な時に違う科の電子カルテを読んでいました。

今日は産婦人科読もう、

今日は泌尿器科読もう。

こんな感じなんだ、こんな年齢で、こんな症状なんだ、単なる興味です。

今日は精神科読もう、と思った時、ふと、見たことある名前というか、忘れもしない、ヒデちゃんのフルネームがありました。

はい?

思わず2度見しました。

同姓同名?
いや、年齢も誕生日も間違いありません。
私は寝ぼけているんだろうか。

病歴を読みました。

家庭不和、仕事のストレス、彼女との離別、精索静脈瘤によるストレスにて、鬱と診断され、職場の保健室?みたいなところから紹介されて入院。

はい?

夜勤のペアが喋りやすいKちゃんだったので、知り合いが精神科に入院してる。
男性なんだけどね、みたいな話をしたら

Kちゃんが「それは!お見舞いに行ったら喜ぶんじゃない?」と能天気な返事。

Kちゃんに事情を打ち明けたくても、何せ風俗で知り合った客ですから、

何も言えない。

その夜勤は、鼓動が止まりませんでした。

せっかく、諦めた不倫相手のヒデちゃんが、まさか、私の病院に、しかも精神科に入院してる?!

気になって、夜勤明けで精神科に足が向きました。

しかし、精神科とは、普通に面会できる所ではありませし、
よく考えたら、私の立場上、行ってはおかしいと思い、

寸前で思いとどまり

メールにしました。

すぐ返事が来ました。

会社の紹介でここに来たけど、ここは、休めるところじゃない。とか何とか。
会って
話したいこともある。

と返事が来て、入院中に外出という形で会うことになりました。

会ってみて、びっくり、

坊主になってて、偉い痩せこけて、スウェット姿で、髭面で、まるで、刑務所から囚人が抜け出したかのような容貌に変わっていました。

昔、スーツで紳士服売り場を練り歩いていたヒデちゃんが、こんなになっているとは?!


とりあえず、入院したものの、周りがあまりにも酷すぎて、安らげていないとか。

久しぶりにヒデちゃんの車に乗ったら、AUBEと書いた奥さんの口紅らしきものが置いてあって、

この人が既婚者だと言うことを思い出しました。

嫌な分になりながら、どんな女性なんだろうと思い、

意地悪?な気分で、でその口紅を持って帰って来て、色味を見たら、
コレは、ちょっと普通の人が付けれないぞ!という、ショッキングピンクだったのを覚えています。

個性的な人なんだろうか?と想像しました。

感情が昂って来て

その日を境にヒデちゃんとメールを交換するようになりました。

ヒデちゃんの入院はまだ続いていました。

また、ヒデちゃんのことばかり考えるようになりました。



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