派遣ナースで出会ったナースたちの話

大昔の話ですが、

派遣ナース(寮付き)で暮らし始めました。

最低限の荷物で来た為、研なお子風看護師が心配だと言って、寮を見に来てくれて
「あんた、服も全然無いじゃない!これから寒くなるのに!」
と言って翌日、お古のジャンパーや、服を沢山持って来てくれました。

「若い時に着ていて、もう着ないやつだから」

結構派手でしたが、有り難く頂きました。

後で見たら、結構ブランド服や、カルバンクラインのタイツまで!

タイツのお古を貰ったのは初めてで忘れられません。

研なお子風「私も、バツやからねーあ、ここ結構バツ多いよ、ほとんどは再婚してるけど。
私さ〜1番目の夫とは、死ぬほどやりまくったのに子供出来なかったのよ、まあ、単純にそれが原因で、離婚になった。

でも2度目の結婚の時は1発で出来たのよ。相性って凄いよ!
でね、娘が2人いてね〜。」

来てくれるし世話してくれるのは嬉しいですが、研なお子風は話が長すぎでした。
ここの人達はみんな人懐っこく、面白かったです。
たった1人で派遣ナースとして参入し、このような職場はありがたかったです。

全身ピンクのナースシューズからボールペンまでピンクの高身長の女オンナした看護師も最近バツになって、小さな息子さんと実家を頼り、2人暮らししている人で

息子さん(まー君)の話を聞いてれば上機嫌で可愛い人でした。

託児所から子供がお熱が出ている、の電話がかかって来たら
「まー君が!まー君が!」
と騒いで帰るし、まー君、まー君と言ってて。

結婚して良かったことは、まー君がいること!と言い切ってたので

そんなに自分の子供って可愛いものなのかなあ、と不思議に思いました。
欲しいと思ったことがありませんでした。
子供のいる生活など描けなかった。
もう30直前と言うのに。

その年の新人さん、恐らく21歳か22歳と仲良くしていたんですが、急に妊娠して、こんな田舎でどこで知り合うの?

ってみんなに突っ込まれていて、
「ガソスタしかないでしょ、よく行く給油場でバカボンのパパみたいな人に声かけられてそのまま付き合ったの。」

田舎ならでは?な回答に面白かったです。

その子はこの病院よりさらに山奥の終点駅から通っていて、いつも一緒に帰っていました。

年は離れていたものの、妊娠している時点で、私より精神年齢が上に感じました。
来る日も、来る日もお互いの仕事を待って、雨の日も雪の日も一緒でした。
少しづつ大きくなるお腹を見て、少しづつ不自由になっていく身体を観察して、怖くないんだろうか、と思っていました。

いい年して何も労わってなかったなあ、と反省の念があります。

派遣期間が終わり、暫くして、産まれた、何グラムで、どうのこうのって弾むようなメールが来ていたのに、
私は新しい生活に夢中で、あんなに一緒にいた彼女の存在を闇に葬ってしまい、返事はしませんでした。
今更ながら後悔しています。

あの時、産まれた子供はもう高校生だろうか。







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