②何故看護師になったの?なりたかったの?そんな訳ない。

微妙な看護体験を終えた1年後、また看護の日がやって来ます。

高校2年5月。
また友人ミヤコが看護体験を誘って来ました。

また、気は進みませんでしたが、ミヤコが
「今度は絶対に行く!その証拠にナースサンダルを買いに行く。」

と言って、ミヤコはナースサンダルを購入していました。

そして、また2人で申し込みました。

ところが今年も、体験先の病院が2人とも違っていました。

今回は私は日赤系で、ミヤコは前私が行った国立病院でした。

勿論、申し込んだのだから、行きました。
日赤も、そんなに大した思い出はなく、見学させてくれた婦長さんに正直に「なるかどうかは、分かりません。」みたいな事を言ってしまった様な気がします。

ミヤコはやはり、行ってませんでした。

しかし、この日赤も、ご丁寧に暑中見舞いだ、年賀状だが、届いて、私の言った事なども覚えていて
「あなたは賢いからもっと別の道を目指すのかもしれませんが、看護の道もあると言うことを忘れないでほしい」だの

「一度は興味を持ってくれた資格ですから、気になったらいつでも、連絡して見学に来てくださいね」など

ハガキが来ていました。

看護師は、父親にとっては「あんな、医者の小間使い」みたいな事を言ってたのも印象に残っています。

特に家族は、看護体験に2連続で参加しても、絶賛どころか、誰も興味を持ってませんでした。
私自身も興味は全く湧きませんでした。

そんな時、私に突風の様な、おぞましい転機が訪れ、事態は急変します。

あれは、高校2年の夏の夜でした。

夜遅くに帰って来た父親の様子がいつもと違っていました。

弾むような口調で
「とにかく、みんな、笑顔で帰ってこれるから!」と、私を、後部座席に乗せました。

母親も、いました。

何故か、高校の制服を持たされ、出発しました。
お父さん、お母さん、私をどこに連れて行くの?

10歳離れた弟はその時どこにいたのか、記憶がありません。

私の運命が狂う、始まりです。

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