大学病院で過ごした、夏祭りの思い出
その昔、大学病院に看護師として出戻りした話。
夏祭りで、花火があり、まぁ、適当に都会なので建物で見えないし、
高台に行きたいねって。
ど新人のさぁちゃんと話していたら、さぁちゃん、意外と砕けた子で
「あの、病院の隣の不気味な研究棟が、邪魔よね、あそこ、登って屋上から見たらどうやろ。」
と言い出した時はびっくりしました。
なんか、つるの葉?が壁に一面に伸びてる様な不気味な研究棟で、
何の研究してるか知りませんけど、病院の真横だし、、、
多分マウスで血管縫合とか?
そんなイメージの暗い建物。
柵もあって、草がぼうぼう生えてて、あまり近寄りたくない雰囲気で
さぁちゃんが、「ここなら、侵入してもバレない様な気がする!何とか入って屋上まで行こう!」
と言い出し、意外でした。
日勤が終わって早速、2人で軽装備で、柵はとりあえず乗り越えた。
中にはどうやって入ればいいのかなかなか分からなかったし、ロックもかかっている様子で。
出入り口を誰かが通らないかなぁと。
関係者が1人が入って行った隙を狙って入り、
暗い階段を登り続けて
あ!
屋上に到着しました。
意外にや、意外、
多くはなかったですが、数人、関係者がビールを持ち込んで入り込んでいました。
私らも、そのスペースに入れてもらい、何を喋ったとか言うわけでもないですか
やがて、花火が始まり、
見惚れて、帰りは簡単。
関係者に続いて、1番近道な階段を一緒に降りて、解散して来ました。
この日を境に、さぁちゃんと夜勤以外は、毎日一緒に過ごす様になりました。
悪知恵や,人のアラなど目につくところが似ていて、気が合い、
びっくりするくらい、呼吸が合っていたのです。
ただ、医学生と付き合ってて、医者の国家試験を受からないなら切り捨てて、違う医者を探すと言っていたので(既に1回落ちてて)
さぁちゃん「ぶっちゃけ、彼氏より私の方が頭いいんだよね!」とか言い切ってました。
さぁちゃん「なんて言うか
勉強のやり方が下手なんだよ、あいつはー!」と言っていました。
さぁちゃんは、家が貧乏で、長女で我慢して来た分、セレブ願望みたいなものがあるとは言っていました。
私はそういう、自己分析ができない。
自分がどういった未来が向いているのか分からない。
ただ、自由だったら、何でも。
今は、望んで大学病院にカッコいいと思って戻って来たけど、全然満足とかじゃなくて
むしろ、全然自由で無くて、世界が違いすぎて、後悔し始めていました。
その頃、気難しいドクターが肝臓がん末期で入院してて、
いつもトイレとか付き添ってたんですけど、
手の洗い方が雑だとか、細かく注意が入り、いちいちうるさくて、
面倒だなぁ、外科と違って長い付き合いになるんだろうなぁって、
酷いこと考えたり、していたな。
一人一人の入院が長いので、かなり気を遣い、一人一人の事をよく覚えています。
私らからしたら、入院患者一括りにしか見えないけれども、
お話ししていくうちに、その人の背景だとか、生き様、色々聞けて、
ちょうど…女子部屋が、姑に苦しむ世代の人たちだったので、びっくりするくらいの苦しみの話は本当によく聞きました。
姑に長年いじめられて、その後は嫁に虐められて、人生なにも良いことがない、
こんな風に言ってる人が多かったです。
あの時代のオンナに産まれなくて、本当に良かったなと思いました。