新人看護師、風俗に興味をもつ。
お気に入りのバーバリーのミニスカートで街を歩いていたら、
あっちこっちから、声がかかります。
風俗のスカウトです。
笑って逃げる、無視して逃げる、が定番でしたが
何だか気になってました。
当時、ドラマで研修医が風俗嬢になるっていうドラマやってて、フィクションだけど、気になってて。
それに一度ピンサロに体験(働いてないけど)もあって敷居が低くなっていました。
いつものように信号待ちしてる時に、やって来た感じのいい男性(スカウトマンは大体、愛想めちゃくちゃ良いです)に着いて行きました。
店に入った途端。コワ系の人にバトンタッチされて、スカウトマンは去って行き、不安になりました。
そしてコワ系の人に「ここは、男性の性器を舐めたり、咥えたりして、いかせる仕事です。」
と淡々と説明を受けました。
何となく分かってましたが、改めて、仕事内容として説明されると、全くエロい感じが無く、
ただの文章に聞こえて、
お仕事なんだ!って思いました。
店の名前は「お口の恋人」。
まぁ、体験だけなら。
いつの間に私はこんな度胸がついてしまったのだろう。
吉原や黒の日常的に内臓が飛び出る程のパワハラの事を思えば、
人の前で脱いだり、舐めたりとか、何もかも大したことではないように思います。
講習は記憶がすっぱ抜けて
全く覚えていません、
箱ヘルで、隣の声が筒抜けで、隣はザーッとシャワー浴びる音とか、
キャッキャ楽しそうで、ひっきりなしなのに、、、、、
これまた、こっちには、客が全然来ない。
初めましてのボーイさんが部屋に遊びに来ました。
紫の変な色のスーツに、髪の毛はカッパみたいにボッサボサ、シンナーのやりすぎで歯が溶けまくってて、全ての表情筋が緩んだ様なダラーっとした表情で、垂れ目。
以下ダラダラ男とします。
ダラダラ男は話が上手でした。
今、風邪ひいているんだけど、保険証がないから行けない。
歯も痛いんだけど、誰かから保険証借りないと、、、、
親は産まれた時からおらず、施設育ち。
出身は北海道。
今、服はこの紫のスーツしかない。
こんな面白い、不思議な人、初めてです。
こういう世界に来なかったら出会うことがない感じの方です。
保険証がないとか、新感覚です。
ダラダラ男は、清潔感が無いのに、感じはとても良い人でした。
とにかく、いつも笑っているのか、締まりがないのか、そのなんとも言えない表情に、私は癒されていました。
「大学病院の看護師さんて、大変そう、ここで休んでね。」
とか、ほろっとさせることも言うし。
「看護師さん、たまに来るよ。大体、病んでるね。病院辞めちゃったりね、君は全く病んでるように見えない。
あ、明日、元看護師の嬢が来るから話してみる?」
と言われ、うん!と返事しました。
約束通り、元看護師さん?に会わせてもらったけど、表情が実に暗く、気難しそうで、気弱そうに見えました。
ああ、この人は私とは違う、、、、、
そう感じて、ろくに話はしませんでした。
ダラダラ男「あの子は君と違って、辞めちゃってるからね、ダメージ大きいと思うわ、将来ちょっとした山奥の老人病院とかに復帰するのが良いんじゃないかなって、僕は思っているよ。」
それにしても客がつかない、ダラダラ男が阻止してるんじゃないの?って疑うほど来なくて、隣のシャワーの音がひっきりなしに聞こえます。
ダラダラ男「隣は特別な子だよ、施設育ちで、普通と違う。」
と言っていたのが気になり、耳を澄ませて聞いていたら、優しさが伝わってくるような接客をされていました。
後ほどお会いしましたが、特別可愛くもなく、ただ常に笑顔で、笑顔で、ややふっくら。
「貴方の写真、どれ?うわー可愛い!こんなポーズいいね!バイバイ!」
と、これまた出会った事のない人見知りのない異質な子でした。
ここに来るのは儲けるというより、癒し?刺激?避難?何だった?
二重生活スタート。