若い女性患者さんの涙と、脳外科の剃髪は誰がする?

可愛い患者さんでした。

まだ28歳とかで、ある日、左ばかり身体をぶつける様になって、左ばかり怪我する様になって、調べたら

左視野欠損してて、

MRIしたら、AVM発覚。

手術予定。

私は受け持ちでした。

その人は保母さんしてて、もう中堅なんだとか。

結構、ワガママっぽい感じで、ツンツンしてるし

イラチもあり。

こんな人が本当に保母さん?と、思いましたが、

入院中、ベッドの上で、子供たちにメッセージを書いたり、何か、創作して、楽しげに作っていたのが印象的で


心から仕事を愛しているんだなと、羨ましく感じました。

子供愛なのか?仕事愛なのか?

自分自分ばかりの人では無いところが素敵。

教授回診の時、

その保母さん、黙って、教授を睨んで、大泣きするという事態を起こしたのが、

びっくりでしたが

教授が、無視して次へサラーっと移動したのにも驚いた。

ここで、、看護師の出番なのかも知れないけど、

敢えてそっとしておきました、直感でそれが良いと思ったからです、。
、、

くも膜下出血など、緊急手術は、麻酔かけて手術室で剃毛

たまに.病棟で剃毛することもありますが、剃毛中に再出血を起こし、死亡するという、大事件があってからは

麻酔かけてからに徹底されました。

予定手術の人たちは…火曜に専門の散髪屋さんが来て、病室でカットしてくれます。

オペ日は水木です。

いつも来る散髪屋さん、小柄でバイクで来ていて、病院全体の病人の出張カットを担っていました。

遷延性意識障害の患者のカットも定期的にしに来てくれるのですが、

もう、なじみさんになりすぎて、たまに、何故か散髪屋さんと家族と喧嘩とかしてて

その時の患者さんの髪型が、えらい事になってたので(寝たきりとはいえ、切り残しだらけ)

理容師さんも、感情ある人間なんだなぁ、と、クスリと笑ってしまいました。

処置室ではいつも

「自分の名前を言ってください。」
「生年月日言ってください。」
「今日は何月何日ですか?」
「桜、猫、電車、この3つを覚えてください、後でもう一回聞きます。」
「100から7引いてください、さらに7引いてください、さらに7引いてください。」

研修医と、今日、入院してきた患者さんのやりとり。

横ではせっせと点滴作成してる看護師、流しでは経管栄養と、シリンジ内服作成したものが並んでおり、

昼に配る薬配トレイ、いつもの景色、いつまでも、ここにいれると錯覚していました。

まさか結婚で離れる事になるとは。

寂しかった。

無常です。





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