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40代からはじめるTCG(トレーディングカードゲーム) ~FABを添えて~

はじめに

TCGショップのイベントに参加してこれまでも何度か感じたのですが、30人近くいるけど一番年上かも。だいたい30代っぽい感じがすると。知り合いだとかテニス仲間もTCGやってる人は全くいないし、そういう自分(今年45)も昨年から初めたばかりのニワカでもあるものの、40代でTCGが趣味という人はかなり少なそうと思いこのnoteを書かせてもらいました。

現在40代以上の方であれば、トレーディングカードと聞いて=ポケモンカードでしょ=子どもが集めるもの遊ぶもの。といった認識ではないでしょうか。小学生でファミコン、スーファミ、中高生でプレステが流行り、ゲーム機と共に成長した世代だと思います。エンタメといえば、漫画、ゲーム、アニメや映画。
カードといえば、カードダスは記憶にあられるのではないでしょうか。20円入れてぐるぐるとバーを回すとカードが出てくるあれです。ドラゴンボールやガンダムなどがありました。ただカードダスはコレクションするだけで「カードゲーム」ができる代物ではありませんでした。ポテチの野球カードやビックリマンチョコの延長線上にある商品なのだと思います。
次に「遊戯王」はご存知な方もいらっしゃるのではないでしょうか。ジャンプ読んでた人であれば漫画だけでなく遊戯王カードがあることは知っているはずです。でも遊戯王のカードは手を出さなかったんではないでしょうか?
なんとなしに中学生の自分からすると手を出すコンテンツではありませんでした。対象が小学生だったのは明白でしたし、周りに遊戯王に手を出してる友人はいませんでした。

そうです、我々40代思春期のエンタメに「カードゲーム」は存在してませんでした。
ただ僕らの少し下の世代は「カードゲーム」がしっかりと認知されている印象があります。いまや世界中で「Pokémon」「Yu-Gi-Oh!」として親しまれているコンテンツを牽引した世代はいまの30代です。

近年ではTUTAYAもTCGに力を入れている

そんな40代にTCGという世界があるということををぜひ知ってもらいたいと今回記事を書いてみようと思いました。なんか楽しいことないかな〜、熱中できる何かが欲しいと薄っすらでもあられましたらぜひご一読いただき、TCGの世界をのぞいて貰えれば幸いです。

あともう一つ補足させていただきます。ここでいう「TCG」は「DCG」ではありません。DCGはスマートフォンアプリで提供されているようなデジタルカードゲーム(シャドウバース、ハースストーンといった)ではなく、フィジカルカードを使ったものを指してますので、スマートフォンのDCGどっぷりハマったことがある方は嗜好的にもマッチしているはず。

シャドウバースはスマホゲームとTCGがある

ただTCGとDCGは結構違うと感じているので、その辺りもお伝えできればと思います。


自己紹介

まずは簡単に自己紹介させてください、自分も40代ど真ん中ですので、こんな同世代がお勧めしてるんだというイメージを持ってもらいやすくなるかもしれません。
世代としては松坂世代と言われた1980年生まれのいわゆる就職氷河期世代です。
仕事はWEB/ITサービス業、子どもは小3と中2の娘が2人いまして、バリキャリの家内と共働きしながら35年ローンが75歳まであるという、一般的には中間層ですねという属性なのだと思います。
趣味としてはテニスは高校生から続けていまして、いまも地元の青年団で子どもにテニス指導(といってもカジュアルなレベル)しています。
元々MMOにどっぷりハマるぐらいにはゲーマーだったのですが、特に2人目が産まれてからしないようになり、スマホゲームも飽きが来たのかさっぱりやらなくなってしまいました。
そういったこともあって、ハマれるなにかをちょうど探していたのかもしれません。

カードゲームとの出会い

TCGと出会ったのは「遊戯王」でもなければ、昔からある「マジック・ザ・ギャザリング(以下MTG)」でもなく、約20年前に「THE EYE OF JUDGMENT(以下EOJ)」というPS3で発売されたゲームで、実際のカードをカメラで認証させてオンライン対戦するというコンシューマーゲームでして、いま振り返っても画期的なゲームだったと思います。

当時このゲームにドハマリしたことがあって、カードゲームは面白いという認識は持っていました。残念ながらこのゲームは長く継続されることはなく3弾で終えることになってしまったのですが、時代が早すぎたのかもしれません。短期でサ終するのはもったいない秀逸なゲームだったと思います。

以降はカードゲームにさほど縁はなく、スマートフォンアプリのカードゲーム「MARVEL SNAP」はそれなりにやり込みましたが、実際のフィジカルカードでプレイするTCGに手を出すことになるとは思っていませんでした。

DCGとは違うTCG

何かしらスマホアプリでカードゲームされた方はいらっしゃるのではないでしょうか。ああだこうだと考えを巡らし自分なりのデッキを構築して対戦して、また構築して〜というPDCAをぐるぐる回しながら強いデッキをつくる、プレイが上達していく、といったユーザー自身の嗜好性やクリエイティビティが求められ強く反映する他にはない遊びができるゲームだと思います。

それ自体にDCGとTCGが大きく変わることはないですが、実物のカードが手元にあること、対面で対戦することによって得られるリアルなユーザー体験がDCGにはない体験として、TCGはめっちゃいいです。
コレクションしたカードをファイリングするのも楽しいですし、欲しいカードを手に入れるプロセスも楽しいです。

気に入ったカードを鑑定に出してレーティングコレクション

リアル対面での対戦も、ネットでの対戦が気軽にできる世の中ですが、リアルでしか得れない栄養があるなと思います。お気に入りのカードを手に持ち、それらを駆使して対戦するのは得も言われぬ楽しさがあります。
また対戦相手と交流したり、カードゲーム以外の人との交流が自然発生的に生まれることも趣味としての広がりがあります。
TCGでのリアル対戦はいわば趣味仲間たちとのある種のオフ会でもあるので副次的に趣味仲間ができてくるようになります。
これは他の趣味ではなかなか得ることができない大きな魅力です。
(ネトゲなどののオフ会ももちろんあったりはすると思いますが、頻度が段違い)

大人の嗜みとしてのTCG

40代のいい大人がカードゲームをするということに抵抗を感じる人も多いだろうと思ったこともあってこの記事を書こうと思ったので、大人こそぜひという思いがあります。
理由が大きく2つあります。
まずTCGが誤解されているまたは過小評価されている。ということ。
もう一つはある程度お金がかかることもあり逆に子どもだと無理。ということがあります。
まず海外特に欧州ではTCGやボードゲームはテーブルトップゲームとして広く認知され老若男女ごくごく普通に遊ばれ、子どもやのオタクの趣味といった位置づけではないようです。

日本産のTCGはポケモンカードを代表とするように、どちらかというと小中学生をメインとしたファミリー層向け、またIPのファン層向けになっていると思います。子どもが好きだから一緒にやってるお父さんだとか、ワンピースが好きだから、ワンピースカードゲームやってるといった感じであると思います。
ただ海外産のTCGはそもそも推奨年齢が16歳以上といったターゲットを成人男性をメインとしたゲームがあり、それらは大人ががっちりハマれるようなプロダクトに仕上がっています。

質実剛健で重厚感があるいぶし銀なイラスト

TCGの始祖とされるマジック・ザ・ギャザリングも海外TCGですが、国産のTCGよりも相場感が比較的お高めであったり、トップレアカードについては2〜3桁万円ような市場価値になっていたりと、逆に学生諸君では手が出しづらい大人の趣味として関わるようなものです。

我が家はお小遣い制ということもあって自由に使えるお金があるわけではないのでそこまでつぎ込むといったことはできないのですが、ある程度自由に使える方や、それこそ散財先を探している人にとってはうってつけの趣味だと思います。

老後に向けた趣味として

40代になると老後考えません?
仕事とかキャリアとか心配ごともあるのですが、老後ぐらいは楽しみたいなって思うじゃないですか。いまこれといった趣味がないようであれば、候補としてTCGはありですよ。
TCGをはじめてまだ1年未満であるのですが、老後もこれは趣味にできそうという感覚があります。麻雀、囲碁や将棋みたいなものではあるので、仲間内で楽しむものとしては手頃にやれる遊びだと思いますし、老後になっても欲しいカードがあるとか幸せそうな気がします。

あとまじめな話をすると、暇と孤独は人間をだめにすると思っていて、ある種仕事も人生の暇つぶし的なところもあるわけで、金があっても何もやることがなくなったら暇すぎて辛いですし、また孤独も然りで人間は社会的な動物で他者との関わりの中で自分の存在が活きてくる側面があります。TCGがオンライン対戦よりも、リアル対面でプレイしたほうがユーザー体験として優れているのはその辺りがあるのかもしれません。

はじめてTCG(FAB)をお店で教えてもらったときのもの

TCGを通じて人との繋がりがあるというのは老後の楽しみの一つになるでしょうし、今後10年20年後、AIなんかが世の中をより最適化させ合理的に推し進める中で人がやることが減っていく、暇になっていく社会が実現するかもしれません。少なくとも余暇をいかに楽しく過ごすかが今よりももっと重要になってくるはずです。

やりたいTCGを探す

TCGとの出会い

まずは自分ごとを話させてください。TCGに手を出すきっかけになった動画がありまして、ゲームYouTuberのナカイド氏の動画でFlesh and Blood(以下FAB)という初めて聞くカードゲームが紹介されて、ほーんっと思ったのがきっかけです。

この動画を2023年末頃に見てから、2024年5月に日本語版がでるとの情報が出て興味を持ちました。
当時は英語版だけしかなかったのですが、YoutubeやBlog、SNSをまさぐって情報集めると海外で爆発的に伸びているということ日本国内でも英語カードであっても熱心に遊ばれているユーザーがいるということで、面白いものを見つけたかもしれないと思いました。

TCG大国に乗り込んできたニュージーランド産黒船

どんなTCGがあるか

FABしかやってないので、あまり他のTCGについては語れるほどの知見はないのですが、TCG始めるにあたって自分の琴線に触れるかどうかは重要な気がします。それぞれゲーム性も違いますしイラストのテイストなんかはそのTCGの特性が反映されています。
その時の状況であったり、例えば自分の子どもが男の子だったら一緒にワンピースカードやろうかとなったかもしれません。

こちらのラジオ動画ではいろんなTCGについての俯瞰的な話が聞けるので参考になるような話が聞けるので紹介させてもらいます。

素人ながらに思うこととして、大きくは海外産と国内産のカードゲームがあって、国内のTCGはIPものが多く、海外産はインディーズが多い印象です。プレイヤーの年齢層については海外産の方が対象年齢が高いです。
家族で楽しみたいということであれば、子どもが好きなIPのTCGをチョイスしてもいいかもしれません、今年からディズニーロルカナというディズニーのTCGがタカラトミーからリリースしているのでうってつけです。

IPといえば40〜50代であればガンダムが好きな人も多いのではないでしょうか。タイミングよくガンダムの新規TCGが今年2025年にリリースされます。バンダイもかなり気合い入れてると聞くので初期リリースから追っかけれるのはいいかもしれません。

惹かれるIPが特になく、大人が楽しめるTCGをということであれば海外産TCGに目を向けてもいいかもしれません。
知ってるものをざっと紹介するとFABMTGGrand Archive TCGSTARWARS Unlimited TCGAlteredTCG、といったタイトルがありFABとMTGは日本語版もあるのでとっつきやすくはあると思います。

Flesh and Bloodの魅力

自分はFABをしているのでFABの魅力についてもお伝えさせてください。個人的な視点でのFABの魅力として3つあります。
1.装備品があること
2.インディーズであること
3.バランス設計

愛用している装備

まずは1つめ。FABは自分の分身であるヒーローと、そのヒーローに装備を装着して戦うグラディエーターのようなカードゲームです。
この装備を装着するというのは、他のTCGにはないのではないFABだけの要素ではないかと思います。武器や防具に当たるものはあったとしても、FABのように盤面に装備装着させるような仕組みにはなってないと思います。で、これがむちゃくちゃいいです。

苦痛の王笏を装備させたフローリアン
命刈りの刃を装備させたフローリアン

かっこいいですし、例えば装備一つ変更するだけでデッキ構築が変化する味変ができるため、デッキ*武器*装備とで構築の幅が広がる面白さがあり、同じヒーローでもコンセプト違いのデッキ構築が行えます。

2つ目のインディーズであることについて。
これは国内産TCGの多くが大手メーカーから作られるのに対して、FABはLSS(Legend Story Studios)がFABだけのために存在している企業であること。
例えばワンピースカードゲームはバンダイナムコが提供していますが、バンナムとしてはビジネスポートフォリオの一つでしかない。
LSSはFABがすべてであり、FABにすべてのリソースが注がれる企業だという点で大きく違います。
「ワンピースカードゲームは30年続きますよね!?」とバンナムの株主総会で質問しても回答者は困る気はしますが、LLSは当然だと答えるはずです。

3つ目のバランス設計。
これは一番はじめに紹介したEOJが3セットで終えてしまった理由が、2セット目で出したカードバランスに失敗し(最終的にエラッタされたが対応が遅すぎた)そこでユーザーが離れてしまったことがありました。
FABのことを知ってサイトをのぞいた時に、膨大なレギュレーションが記載されたPDFを見て感動しました。
長期間運営・提供するためのゲームを想定していること、バランス調整のための仕組みや仕掛け、思想、設計において思慮深い配慮がなされていることに感銘を受けたことが惚れ込んでハマった理由でもあります。

例えばこのカード「Fyendal's Spring Tunic」FABの象徴的なカードの1つですが、リリースから5年経つ今もバリバリ使われるカードがなんと第一弾のブースターセット「Welcome to Rathe」のカード。
カードの価値がこれほど長期的に担保されているのはすごいことだと思いますし、ゲームのインフレ課題に真っ向から向き合っている証拠だと思っています。

過去ヒーローが躍動

新セットが発表されるたびにFAB界隈でもインフレだのFAB2.0だの、カードパワーが1段上がったねといった話が飛び交いますが、蓋を開けると過去ヒーローが活躍していたり、それなりにバランス取れてる状況になっていたりします。

FABに興味ありましたらいくつかコンテンツ置いておきますので御覧ください。

▪️FAB創業者インタビュー

▪️海外TCGショップのTCG紹介動画

▪️FABのオンラインチュートリアル

▪️FAB参考文献

あとFABのネガティブ記事もあったので紹介

この記事の感想をいうと「そう?」というのと、勝てなくてイラついたとかなんだろうなと。勝ててたら続けてます。
FABはTCGの中でもとくにコアプレイヤー向けのプロダクトなので、ゲームでいうとフロム・ソフトウェアとかコアゲーマが好きな人が合う気がします。万人受けするものでもないと思いますし、趣向が合う人が始めてもらえればという思いです。

ステップ・バイ・ステップ

はじめの第一歩

TCGないしはFABに興味もっていただいたようであれば、次はどうすればいいのかをせっかくなのでご案内させてください。

入村する

まずは手始め的なところからだと、X(旧Twitter)で興味あるタイトルのTCGをプレイしているユーザーをフォローしまくるのがいいと思います。情報が入ってきます。
FABであれば初心者向け体験会だとか、いまではあれば公式がティーチングツアーなるものを主催していたりするので、こういったイベントに思い切って参加するのがいいです。

ショップに行く

諦めて行きましょう。
わかります。馴染がないお店や場所に行くのは抵抗感があると思います。
ただゲームのように、AppleStoreやGooglePlay、Steamでゲームダウンロードするとは違います。お伝えしたようリアルな人との繋がりなどに価値があるからこそTCGをおすすめしているので、諦めて取り扱っているショップを調べて行きましょう。
FABであれば、取り扱っているショップであればだいたいティーチングしてくれます。やってなければ店員さんと話すれば次に繋がる話をしてくれるはずです。

いざ底なしの大穴へ

ここまでお伝えしたので、はっきり言いますと後は知らん勝手に来てくれ。という感じではあります。
どういうことかというと、手を取って一緒に進んでくれる人はたぶんいないです。ぜんぜん勝てないとかで壁にぶつかることもあると思います。その時に燃えるぜ!ってなるのか、クソゲー!って辞める人もいるでしょう。
先程のネガティブ記事を書いた人のように、不満点に目がいって辞める人もいるのだと思いますが、それは自由ですし、別にそれが悪いことでもなんでもありません。
またそういうわけではなく、より自分に合った何かを見つけてそちらに向かう人もいらっしゃたり、それも自由です。

ただ自分の足で進む人とFABをやりたいですし、関わりたいという感じです。自分はカジュアルにやっているだけですが、FABを競技的に参加しているユーザーはもっと上のレイヤーで本気度高く遊んでると思います。
本気で関わってもその分打ち返してくれる深みがFABはあります。
あ〜こんなもんか〜というソシャゲやTVゲームであるような底の浅いものではないです。

上に行くほど競技性の高い大会やイベント

自分も何人かティーチングに連れて行った知り合いがいて、仕事仲間3名、テニス友だちが1人、続いているのはテニス友だちの金やんだけです。そんなもんです。10人勧めて、2〜3人がはじめるかどうか、最終的に1人残るかどうかじゃないでしょうか。

それはTCGは漫画やアニメ、映画、Netflixのように、受け身で楽しめるコンテンツではないからです。ゲームのように1人で完結するようなエンタメではないからです。他人と関われば嫌な思いをすることもあるでしょう。
FABが自動的に楽しませてくれるわけではなく、FABを楽しめるかどうかはその人次第。受動的な姿勢が必要だからだと思います。誰かが楽しませてくれるわけではありません。
ルールを覚える、デッキを考える、カードを買う、対戦を重ねる、ショップへ行く、イベントに参加する、知らない人と交流する、自らが判断して行動する必要があります。
モチベーションも誰も与えてはくれません。大げさかもしれませんがある程度のやる意味のようなものを見出し、価値を見出すのは自分です。
そこにあるのは単なる紙のカードとサイコロです。

単なるカードとサイコロに価値を見出した酔狂な人間として、底なしの大穴の深淵でお待ちしています

いま4層の入口らへんだと思います

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