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死産後の産休から仕事復帰直前の心持ち

仕事復帰日が迫ってきた。
死産後からの定期通院と、直前の気持ちの状態の記録を残しておく。

定期通院の記録

死産後、約2ヶ月後の通院を行なった。
前回(死産後1ヶ月)は、まだ子宮内に血流が残っており元通りではなかった。「生理がくるか様子を見たい」と言われ、無事生理がきた。ちなみに、きた生理はダラダラと不正出血からはじまるような、いつもとは様子が違ったものの、この生理を境に自分の自覚としては完全に戻ったと思えた。

体調面について

通院の結果、子宮はほぼ元通りに見えるとのこと。前回の死産後一か月タイミングの血液検査で確認したHCGの値も、10以下になっていた。
最後に、すぐの妊活を望むのであれば、次の生理のタイミングで子宮を確認したい、とのこと。この確認で問題なければ、妊活を再開してもよいとのこと。昨年うった風疹ワクチンによる避妊期間も明ける、ちょうどよいタイミングから再開できるかもしれない。

死産の退院後で3回通った。二週間後、一か月後、二か月後。
病院によるかと思うが、割と念入りな方かと思う。流産手術だと、終わった後は「一回生理がきたら大丈夫」とだけ言われているブログもよく見るので……。たまたま私が要観察なのかは分からない。特に経過観察内容を言われていないので、この先生は全員にそうなのかもしれない。

メンタル面について

やっぱり産婦人科にいるのはしんどい。エコー室からでてくる妊婦さんを見て、自分の時のエコー画面を思い出したり、なにかこう衝動的なものが押し寄せる。突発的に動いたりなにかを叫びたくなる(していないけれど)。たまたま私はギリギリ冷静を装えているけれど、産科の待合室で待たせないほうが死産・流産経験した人のためにはいいのではないか。
前回はうっかりイヤホンを忘れてしまって周囲の平凡な会話やら、内診室から漏れ聞こえる胎児の鼓動音(これが一番キツかった)で気が落ちてしまったので、今回はノイズキャンセル機能つきのイヤホンをつけてきた。
おかげで自分を呼ぶ声しかほぼ聞こえず、視覚情報については下を向いておけばよかった。
それでも、ストレス値が高すぎる。環境がきつい。そもそもこの待合室は検査薬が陽性になって初めて入り、胎嚢や心拍や心臓の異常が発覚したときに待っていたのと同じ場所である。記憶がよみがえる。この診察が終われば次は妊娠しているときかな、と考えて耐える。長い休みを経て考えは整理したけれど、ソワソワは消えなかった。
また、小さい子どもを見た時の居心地の悪さは死産前から変わらない。羨望だけでない、後ろ暗い感情も一緒に湧いてくる。自分と親の関係が苦しかったのに、その関係を自分の血で再生産することを望むグロテスクさと、シンプルに子どもがほしい二律背反が気持ち悪い。自分が産んだら変わるんだろうか。

仕事復帰を目前にして

仕事に復帰すること自体にはあまり抵抗感はない。2月でもうすぐ3月の期末になるので、リセット前に復帰かあ~程度の気分である。
仕事自体は私はフラットな感情というか、ライフワークというにはまだなじんでいないけれど楽しいことしているよなあ、という前向きな気持ちではある。ただ、組織環境自体はあまりよくないのでいずれ異動・転職する心づもりだが、今年は妊娠・出産の準備期間と捉えてその場で頑張ろうと思っている。会社からしたら大変かと思うが大きい企業なので社会貢献だと思ってお許し願いたい。

所属する会社・組織はカオスを良しとする社風なので、4月からものほほんと仕事できるかは不明、もっといえばうまく妊活が進んで育休をとったとしても来年・再来年の復帰時にどうなっているかは不明という、とんでもない状態でもある。それなりに長く会社にいるので、カオス自体には慣れているので前向きにとらえるしかないなあ、という気持ちでもある。
自分の人生のカオスが辛かったことに比べると、会社のカオスなんていかようにも乗り越えられるだろう……。

同僚たちに二か月の休みをどう説明するか、については、素直に話そうと思う。誰には話さない、誰には話す、という線は引かずに、一対一で話したり、水を向けられたら話すと決めた。
ただ、内容が内容なので、一対複数で相手と対話できないような場で伝えるのは避けようとは思っている(具体的には復帰報告とか、会議とか。)
死産はセンセーショナルな話題なので、私のことをよく知らない人も知ることもあるだろうが、特に傷つくとは思わないので噂にしてもらっても全然かまわない。むしろ、身近な人が死産した、という情報で私以外の誰か、自分自身、自分のパートナーの事情にも思いをはせるきっかけになればよいと思っている。噂になるデメリットが私にとって特にないというだけである。

一方で、取引先には伝えない。急な休みの平謝りで終わらせる。
社外の人とウェットな情報をやりとりしても、デメリットしかないと思うからである。相手は気を遣うし、言葉を探す。私も死産した事実以上の心の動きや深い話をできないのに、わざわざ話題に出す必要はない。しかも、それ以降に私の属性について情報がアップデートされなければ、「死産した人」になる。社外の人に言う必要はない。


全体を通じて、仕事復帰は前向きな気持ちである。
体調の復調、妊活の再開も近くにできそうでもあるので、おそらく仕事とプライベートに忙殺されてあっという間に日がすぎるようになっていく。
この8週間と少しの休みで、社会人になって初めて立ち止まってリフレッシュできた。子どもを持つことへの解像度も上がった。仕事をどうしていくか、についても落ち着いて考えられた。

この経験を抱えてまた人生を頑張っていきたい。

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