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選択するということは、それ以外を捨てること

幼い頃からもともとアイスが好きだった。そう、きっと僕だけでなく誰もが好きなものなので何も特別なことではない。

アイスの活動をはじめる

今から12年前、思いきって、かつ軽い気持ちでアイス評論家の活動をはじめた。いろんな所を食べ歩くのは面倒という理由で近所で買えるコンビニアイスに特化することにした。

その道を歩みはじめると周りの景色は少しずつ変わっていった。多くの人にとってアイスクリームはデザートだ。食後の〆だったり、小腹を満たすためのおやつだったり。どちらにしても「おまけ」的な存在だ。

アイスの存在感が高まる

人は見たいものしか見ない。「アイスで食べていこう」と決めた瞬間アイス中心の人生に切り替わった。今までよりも至近距離で触れることでアイスに関する情報解像度が高まり、今まで当たり前に食べてきたポピュラーなアイスの見え方も変わり、メーカーや歴史にも興味が出てくる。

アイスで精一杯

同時にそれ(アイス)以外の大切なことが、わりかしどうでも良く思えてくる。アイスで精一杯なのだ。社会で重要とされていることにも興味が持てず、いち国民としての共感力も乏しい。標準装備されるべきの常識(年相応の知識や教養)も持ち合わせないまま、来年50歳を迎える。

自分にできることは意外に少ない

何かを選択するということは、それ以外を捨てる(見ない)ことだ。何かにフォーカスすれば、当然それ以外の部分はボケて見えにくくなってしまうものだ。こんなことを言うと「無責任だ!」と怒られそうだが、多くの人にとって大事&重要なことは自分よりも賢こい若しくは向いている人がやればいいと思っている。そもそも人ひとりが持てる責任など、たかが知れている。それぞれ個人が自分の持ち場に対して全力で取り組んでいけばいいのではないだろうか。

狭い領域も掘れば自分のやるべきことが見えてくる

コンビニアイスを徹底的に探求することで下地ができる。ローカルアイスと全国流通するアイスそれぞれの特徴や性質がわかり輪郭もはっきりと見えてくる。今現在は、アイスの歴史を探求したり全国のご当地アイスを食べ歩くのがめちゃくちゃ楽しい。(食べ歩きが面倒だということからスタートしたのに…)イベントや通販を通じて自分以外の誰かに楽しんでもらいたいという気持ちも生まれ、さらに日本のアイスクリーム市場を自分なりに耕していきたいとも思えるようになった。狭い領域でも、そこをとことん掘り込めば自分が目指す場所、立ち位置、やるべきことが見えてくるものだ。

自分の持っている僅かな価値を最大化する

動かないと自分を取り巻く景色も思考も変わらない。何かと理由をつけ、その場に立ち尽くしていたら人生はあっという間に終わってしまう。時間は有限なので、余程の天才以外はあらゆる分野に首を突っ込み満遍なく網羅する必要はない。いろんなことをしていたら、それぞれの分野に割り当てられる時間が少なくなってしまう。自分の持つ僅かな時間と能力を最大化する努力をしていきたいと思っている。

真っ直ぐ歩いていく強さを持とう

現代はモノや情報が多過ぎるため、周囲の人を気にせずに自分の道を歩んでいくこと自体が難しい。真っ直ぐに自分の道を歩いていくには、それなりの強さが必要だ。時には目や耳を塞いでスルーする能力が求められる。

周囲ばかりを気にして他人の足りない部分、間違った部分を見つけて叩いて引きずりおろすのではなく、人間のダメな部分を互いに認め合い、補完し合いながら生きていける世の中になるといいな。

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