発達障害のうのみ
1. うのみにしない
2. せいと
1. うのみにしない
「発達障害」という言葉が広がるにつれて、発達障害の関連本もたくさん出てきた。
たくさんの人が興味関心を持って理解しようとする流れはとてもいいと思う。
だけど、私も何冊か読んだ中で、鵜呑みにしてはいけないような本もあった。
診断は受けてないけど、自分は発達障害で、だからこういう人間で、それを強みにして自分は成功しました!
みたいな。
診断を受けた受けてないはこの際どうでもいいんだけど、
いろんな人の生き方を知るっていう意味ではそういう本も必要なものではあるんだけれど、
その人の特性や成功談がすべて発達障害ありきのような書き方をしているものがある。
それはちがう。
一口に発達障害といっても、一人一人の特性はちがう。
「この人は発達障害で成功したんだから、あなたもできるでしょ」
とか
「この子は発達障害だから、そんなことやってもできるわけない」
とか。
「発達障害だから」
これが得意なはず。
これは絶対にできないだろう。
はちがう。
もちろん、発達障害ゆえの特徴というものはある。
でもその出方は、その人の他の特性や、今置かれている環境や、興味関心の方向性など、色々なものによって変わる。
「発達障害」という言葉が普及してきた今だからこそ、鵜呑みにされやすい意見がごろごろとそのへんに転がっている。
本やネットで知識を集めるのも大事だけど、もっと大事なことは、知識と向き合うことよりもその子自身と向き合うこと。
「発達障害だから」
じゃなくて
「この子だから」
「この人だから」
「自分だから」
こういうことができて、こういうことが苦手なんだと気づいていくことが大切なんだと思う。
2. せいと
小学生の塾のバイトをしている。
小学生なんて落ち着きのない子は星の数ほどいるが、「この子はきっと自分では抑制できない子だな」と思う子も中にはいる。
私が担当している子の1人もそうである。
公の場なのであまり深くは言えないが、よくしゃべる、よく動く。
でも、その子は恐竜が大好きで、作文の時間になると大好きな恐竜についてたくさん書く。
ホニャララザウルスだのホニャララノドンだの(私は全く覚えられない)を博物館に見に行ったなどと話してくれる。
きっとその子の親も、その子が恐竜が大好きであるということを理解していて、その子のために博物館に足を運んでいるのだと思う。
その子はいつでもニコニコしている。
恐竜の話をするときはもっとニコニコしながら、とにかくたくさん話す。
この子はきっと、大人になっても好きなことを追求できる子になるだろうなと思う。
-----
おわり。
ひさびさに書いたからか、えらく真面目な文章になってしまった。