深夜のyoutube
note投稿企画、「やってみようかな~」と思ってる間にいつも流れが去ってしまう。
「#はじめてのインターネット」の投稿企画を見て思い出したことがあったから書いてみようと思う。
-----
私が小学生のころから、家族共用のパソコンが家に1台あった。
といっても、皆あくまで必要な時に使うといったようなスタンスで、私は暇な時にイラストを描いてみたり、ちょっとしたゲームをしてみたり...くらいしか使っていなかった。
私がインターネットをよく使うようになったのは、中学生のころ、ちょうど10年前くらいだと思う。
中学生の時、友達から「youtube」で動画を観たり、曲を聴いたりしてると聞き、そんなものがあるんだと知った。
初めてyoutubeという単語を聞いた私は「ユーチューブ」を「遊宙部」と勝手に脳内変換し、「遊宙部ってなんかよくわかんないけどなんか面白そうだし、音楽聞けるんだ!」と興味を持って調べてみることにした。
-----
当時、自分はあんまり音楽が好きじゃないと思っていた。
自分の好きなものを人に言うことが苦手だから、友達同士が「あの曲が好き!」「このアーティストが好き!」と言ってる輪の中で、ちょっとした疎外感を味わっていた。
カラオケに行っても何を歌ったらいいかわからなくて、部屋とドリンクバーコーナーをひたすら往復しながら友達の歌を聴いていた。
大きな音や響く音が苦手なのもあって、ピアノを弾いたり、家族が音楽番組を観たりしてるのを不快に感じることもあった。
でもその一方で、「ipod買って自分の好きな曲を聴きたいな~」と思ったり、「もっと色んな曲知りたいな~」と思ったりすることもあった。
でも親に「ipodほし~いな~ぁ~買ってほし~な~あ~」と言えるような子どもでもなく、もどかしい思いを抱えたまま、母や妹が車で流す曲ばかりを覚えていくのでした。
-----
そして、そんなときに出会ったのがyoutube。
youtubeで初めて聞くようになったのは「ゆず」の曲だった。
当時、妹が観ていたMステで、ゆずの「夏色」が流れてて、
「あ、これ、聴いたことある。いい曲だな~~」とリビングの片隅で感じていた。
「ゆずって『虹』も歌ってたな、あれもいい曲だな」と思って、初めてちゃんと音楽を聴きたいと思ったのがその時だった。
音楽を聴いているのを誰かにばれたくないから、家族が寝静まった深夜の1~2時ごろにパソコンを点けて、イヤホンを差して、明け方まで曲を聴くようになった。
あと1曲、あと1曲、と聞いていくとどんどん時間が経っていて(深夜の時間の進みはとてつもないスピードである)、外が明るくなるころに「そろそろ寝ないとやばい」と検索履歴を消して布団に潜り込むような日が続いた。
-----
あれから十年。
年始の実家で妹と観ていたテレビ番組で、岡崎体育が「龍」という曲を披露していた。
その歌の中に、こんな歌詞があった。
夜は龍になって
星の透き間を泳いで誰も知らない姿をうねらせて山を掴んで
海を食べてここは私だけの場所 私だけの私
それを聴いて、深夜に人知れず音楽を聴いていた中学生時代の自分を思い出した。
誰にも言わず、ひっそりと音楽を聴いていたあの時間は、紛れもなく自分だけの場所で、好きなものと躊躇なく向き合える唯一の居場所だった。
-----
情弱な人間だからこのご時世、情報社会に頭が追い付かず、情報機器に文句ばっかり言ってる私だけど、なんだかんだインターネットの中に「自分の居場所」を作って自分を発信しようとしてる。
情報社会ありがとう。
-----
中学生の自分へ。
2019年。
私は
「岡崎体育」を聞いています。