IT業界志望って言っても広いのよ・・・
「どういった軸で企業を探していますか」という聞くと、「IT業界を中心に」と答えが返ってくる。
別に志望する業界を聞きたいわけじゃない。「ゴリゴリ働いてキャリアを作れるような企業」「給料がよくて安定的な企業」「給料よりも成長できる環境」といったような、特に新卒については仕事に対するスタンスを知りたいのだ。
IT会社の面接に来ているのに、「IT業界を志望している」という答になる質問がおかしいと思ってくれると、それだけでポイントを高くつけてしまうだろう。
とはいえ、これは聞き方が悪いので、IT業界を志望する新卒の方にためになるような面接対策を伝えたい。
業界はもう少し絞り込もう
全体的に幅広く業界を見ていることはよいことだ。しかし面接の段階になったらもう少し志望する業界を絞り込んだ方が良いだろう。
ざっくりIT業界を志望して言うのは幅が広すぎる。それが、Web系か、インフラ系か、ソフウェア系、ハードウェア系とかで分野が違うし、プログラマーかエンジニアか、保守ができればよいのか、それこそ営業という業種だってある。
いま、面接している会社がどの分野の会社であって、どういった人材を求めているかは事前に調査をしておくべきだろう。
例えばゴリゴリにコーディングをすることを目指しIT業界を志望しているのに、その会社はパッケージ製品を売るリセラーという特徴を持っている場合、プログラミンをすることがない、というケースもありえる。
でもどちらも「IT業界」には違いない。
もちろん逆もしかりで、大きなプロジェクトを回すようなPMOといった姿に憧れて入社をしたが、コーディングが主たる仕事でお客様の顔を見ることがない、というようなケースだってありえるだろう。
エンジニアはまだまだ枯渇している。つまり、企業側としては多少経験値が浅くとも、新卒ならポテンシャルで採用して自社内で育てようというケースも大いにあり得る。
つまり志望すれば大概の分野や業種でのチャレンジができるかもしれないが、逆を言えば人事は積極的に「勘違い」を止めないかもしれない。なにしろ人が欲しいからね。
すると入社してから「こんなはずじゃなかった」という早期退職が起こり得るわけだ。
でも「こんなはずじゃなかった」という不幸な事象の原因の多くは、その会社がどのようなIT分野の会社で、どんな仕事がおこなわているのかをしっかりと把握していないことに起因するだろう。
ようするに調査不足とちょっぴりの人事の悪意があると成立してしまいかねない。
IT業界の幅は広い。飲食業界といったって、接客や料理をする人、店舗を経営する場合、食品メーカーだってこれに含まれるかもしれない。金融だって不動産だってそうだ。
IT業界が特にしっかりと自分のやりたいことを決めておかないといけない理由は、プログラマーといった代表的なもの以外、イメージがしづらいケースがあるからだ。
面接でOKなパターン
「IT業界でも特にITコンサルといった職種を希望しており、お客様の経営・業務課題をかいけつできるような仕事したい」と言われると、その会社はITコンサルをやっているならOK だろうし、コンサル的なことは行なっていないならばNGを出してくれるだろう。
不採用になるかもしれないが、入社してからミスマッチだったという不幸な事象は回避できるだろう。本当はコンサル的なことはできないのに、「できるできる。そんなことをやってる部署もある」といって引き込む人事がいなければ、の話だだが。
「しっかいりとプログラミングやITの基礎的な能力を伸ばし、ゆくゆくは要件定義をしたり、プロジェクトをマネージメントするような仕事をしたい」というように、時系列をもってキャリアパスを意識しているのも非常によい。
「プログラマー、もしくは営業ともに興味がある」というように二つのキャリアパスの可能性があるのもOKだと思う。どうしても開発に向かない人というのはいるからしょうがない。
いずれにせよIT業界全般と言われるより、ずっと面接がやりやすい答えばかりだろう。
逆にITだけはやりたくないという人も
これも結構いる。ITは向かない、自分にはできないという最初から限定している人だ。
やりたくない人間にやらせるのは労力がかかるから、基本的にはどうでもいいと思っているが、その結論にいたった背景については気に食わないケースが多い。
例えば、「学生時代に居酒屋でバイトをしていましたが、自分には接客業が向いていないとわかりました」「塾講師をしていたが、人にものを教えるという仕事に向いていないとわかりました」というなら納得もできる。
だが学生時代にITにガッチリ関わるようなバイトをするようなケースがあるだろうか。
ようするに、志望する動機も志望しない動機も「なんとなく」が多いのIT業界なのかもしれない。