行ったり来たり

私が崇志とベッドで愛し合う仲になってから4年ほどは、はっきりしたエクスタシーがなかった。

C(気を使ってズバリは書きません)を優しく撫でられても絶頂の2歩手前みたいな状態が長く続き、峠を越えることはなかった。

崇志と一つになるとVに刺激を受けて気持ち良くはなるのだが、やはりこれも絶頂の手前で足踏みしてしまう。私はいつも私の中で果ててぐったりと覆いかぶさってくる崇志を抱きしめ、ひとりさびしく見送るような気持ちでいた。さびしくはなかったけど。

ただその4年間で何の変化がなかったわけでもない。いつか書くことになるけど、崇志はとても執念深い「探求者」で、私の身体を攻略するための突破口をずっと探っていたからだ。

「とーこの身体は達していると思うよ」

崇志から何度かそう言われたことがある。実はこれはその通りで、私自身はエクスタシーの実感がないにもかかわらず、身体だけがその反応を示していた。

具体的には私のVが「崇志」をぎゅうぎゅうに締め付けていたのだ。私自身は85%くらいの快感だったにもかかわらず。

ただ崇志はあきらめず、私の身体が達する方法を探し出し、されにそれを連続させることにいつの間にか成功していた。

それを思い知ったのは、「身体だけ8回連続で達する」という状況に追い込まれた時だ。

私の身体が達するときつくなって中にいる「崇志」も気持ちよくなって楽しいらしく、私はいくつか体位を変えられながら何度も何度も「身体だけが達する」状態にさせられた。

悲劇は崇志が満足して離れた後に起こった。なんと私の腹がひどい生理痛のような痛みに襲われたからだ。

「あいたたたた」

確かこんな声をあげてお腹を抱えてしばらく丸まっていた。幸いにも、生理痛のような痛みは徐々に治まって30分ほどで何ともなくなった。

あの時の崇志のうろたえた顔は今でも覚えている。

その後、崇志は「私の身体だけいかせるのは連続で6回まで」というルールにしたらしい。

今にして思えば、これは心と身体が伴っていない、おかしな状態のエクスタシーだったから起こったことで、私がエクスタシーを自覚できるようになってからは、10回連続のエクスタシーを強制されても(たいていイジワルをされて12~13回はいかされてたと思う)全く問題なかったからだ。

☆ ☆ ☆

思ったより長くなったので、続きはまた明日にでも書きます。

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