郵便物の物流について・・・郵便局で手で仕分けしているイメージは昔のこと・・今は・・・
郵便物はどういう流れでいくのか?
今は、マスクの流通が気になる人が多いと思います。
如何せん、政府が発表する供給体制を考えれば多少は店頭に置かれてほしいものです。
しかし、現状は全くみかけないですね。
先日、福岡に出張した際に地下鉄の出口を降りると、なにやらマスクと消毒液が入荷しましたと店頭でアナウンスしていました。
しかし、一瞬にして完売です。
現状は、こんな状況ですから入れど入れど店頭に並ぶ見通しはしばらくなさそうです。
さて、物流にはいろんな物の流れがあります。
今回は、郵便物について考えてみましょう。
郵便物はポストに投函した後はどこにいくの?
こんな書き方をすると、きまっているだろうと言われそうです。
宛先に決まっているだろう・・・
まあ、最終的にはそうなのですが、実際は少し複雑になります。
郵便物には、定形郵便物、定形外郵便物、ゆうパック(小包)があります。もちろん、その他のものも一部あります。
定形サイズのものには、葉書や定形の封筒が該当します。
定形サイズは、重さ50g以内、最大 タテ23.5cm×ヨコ12cm×厚み1cm、最小 タテ14cm×9cmになります。
定形外サイズは、規格内と規格外があります。
(規格内)
重さ1kg以内、タテ34cm×ヨコ25cm×厚み3cm
(規格外)
重さ4kg以内、タテA×ヨコB×厚みC、A=60cm、A+B+C=90cm。
規格外のものはポストには入らないので、ここでは除外します。
あなたがポストに投函した物は、郵便局の人が郵便車両で決められた時間に周回し、回収されます。
それは、管轄する所定の郵便局にまずは集められます。
街に小さな郵便局がありますが、そこでは集配機能をもっていないので、あくまでも集配機能がある郵便局に集められます。
(郵便配達人がいる郵便局と考えた方がわかりやすいですね。)
大体、各市に1つ位あると考えてください。
政令都市であれば区に1つというイメージです。
集配機能のある郵便局から郵便物はどこにいくの
集配機能のある郵便局で集荷された郵便物はどこにいくのか?
実は、主要な仕分けシステムをもつ大型の郵便局に集められます。
例えば、東京都を考えた場合、東京都の郵便物は江東区にある新東京郵便局に集められます。
その後、川崎東郵便局(川崎市)、西東京郵便局(和光市)とオープンし、新東京郵便局に集約されていた郵便物は一部分散されるようになりました。
川崎東郵便局であれば、川崎市全域・横浜市の一部を集荷し仕分けしています。
大型郵便局の中には、いろんな目的の仕分け装置がありますよ
集荷した郵便物の樹脂製コンテナがつまれた郵便局専用のかごテーナが、トラックから降ろされます。
かごテーナからコンテナを降ろす作業には、ロボットが使われている所もあります。
ロボットから段ばらしされたコンテナは、搬送コンベヤに載せられて仕分けステーションに自動で運ばれていきます。
私が仕事で絡んだコンベヤが多数使用されています。
中2Fに行くと、そのコンベヤだらけです。
(新東京郵便局では一般見学コースがありますが、中2Fには一般の方は入れません)
新東京郵便局の某担当者から、○○さんの所の○○を使用したコンベヤに入れ替えたら、とても静かになったと感謝されました。
以前使用していた旧来型のコンベヤだと、とてもうるさくて会話できません。
1Fにいてもうるさい位でしたから・・・
1Fの作業環境も好転したことになります。
こういう改善は、顧客に喜ばれるのでうれしいですね。
やりがいを感じます。
1)葉書 → 葉書専用の区分機
2)定形封筒 → 区分機
3)定形外封筒 → フラットメール用区分機
4)その他 → 専用の区分機
郵便局では、よく区分機と言われますが、仕分けする装置とイメージして下さい。
ここで、NECさんの子供向の郵便物のしくみを描いた動画と大阪北郵便局にテレビ取材が入った映像がありますので、こちらをみて下さい。
郵便物は配達順に並びかえられることを知っていましたか?
実は、郵便物には透明のバーコードがつけられています。
※OCR(Optical Character Recognition/Readerの略)
光学的文字認識とは、手書きや印刷された文字をイメージスキャナやデジタルカメラによって読みとり、コンピュータが利用できるデジタルの文字コードに変換する技術です。
このOCRで読み取ったものをバーコードに変えて郵便物に印字しているのです。
それ以降の郵便物は、このバーコードを認識して配達順に仕分けされていきます。
定形外郵便物を仕分けする魔法の機械・・フラットソーター
定形外郵便物を仕分けする魔法の機械があります。
それをフラットソーターと呼びます。
このフラットソーターにもどっぷりと私も仕事で関わりました。
よく宅配便のY社さんで、メール便を出すときに厚みを気にされますよね。
(厚み測定の定規みたいなものにメール便を通されますよね)
実は、このフラットソーターで仕分けるために、受入窓口で選別しているのです。
N社のフラットソーターは3cmの厚みまで仕分けできます。
よって、Y社の場合は安全をみて2cmに制限をしているのです。
郵便局もY社も、同じN社の機械を使用しています。
(一部の局は、S社の海外製が導入されています)
前述の新東京郵便局には、日本のN社のフラットソーターと海外のS社のフラットソーターが横並びで配置されているので面白いですよ。
しくみがやや違います。
普通は、2社のメーカーを横並びでいれるのは決していいことではありません。
メンテナンスの時に課題がでてきます。
しかし、郵便局の場合は元お役所なので入札が導入されます。
海外に入札の門戸を開かなくてはいけない事情もあり、海外の会社がある時期の案件で落札したのです。
私は、N社のフラットソーターに愛着がありますので好きです。
(笑)
欧州など海外でも導入されています。
以下のスイスポストは、思い入れがありますので載せておきます。
(N社がどこかわかってしまいましたね。笑)