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三禅定トレイル(リベンジ)〜日本三霊山 白山・立山・富士山を走る巡礼旅〜epi.05 ロードの天国と地獄
2023年8月11日〜18日の8日間をかけて日本三霊山を巡る巡礼の山旅、旅ランをしてきました。
今回その旅の記録です。
8/12(DAY2) ゴマ平避難小屋~頼成の森(砺波市)
ここからは北縦走路を進み鶴平新道を下って岐阜県の白川郷へと下山をしていくルートだ。
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北縦走路の序盤はちゃんと草刈りはしてあり道はしっかりあるものの、刈ったササや草木が地面に落ちていて滑りやすい。歩きにくいトレイルのため慎重に進む。
ここからは小さなアップダウンを繰り返し何度もピークを越えていく縦走ならではの山道だ。
途中素晴らしい日の出を見ることができた。これだから山はやめられない。
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背にある白山が段々と小さくなっていく。
2日目のスタートしたばかりとあって順調に山を越えて白川郷へと下りることができた。
山から下山したらまちのオアシス「コンビニ」だ。
僕は食べたいものを食べるスタイルでついつい買いすぎてしまう。
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一方のOHISHIさんはアイス、果物ジュースなど最低限のものを補給していた。
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ここからしばらくはロードを進む。
その距離は約100km。ウルトラマラソンの距離だ。
しかも昨日に続き天気は晴天で30度を優に超える気温を記録していた。
長時間の行動になるので日中時間帯は無理をせず進むことに決めた。
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しばらくは国道156号線を富山県南砺市方面へと走る。
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このR156は山間の庄川沿いの道で言わば庄川が造り出した地形の道ということになる。
道中には多くのトンネルやスノーシェードがある。
そして幸運なことにトンネル内は温度が上がりにくいためひんやりと涼しいためトンネル内で走って時間を稼ぎ、外では無理しないで歩くという戦略にした。
ひとたび外に出るとそこは灼熱のロード「地獄」である。
トンネルを走る際には歩道が狭い場所も多いので注意が必要だが歩道が全くないというようなトンネルはこの区間にはなかった。
トンネルに入るとそこはまさに「天国」のようだった。
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かつて立山には罪を犯した死者がおちる地獄があるとされた。
これは平安時代末期に作られた「今昔物語集」にも記載されており、多くの日本人が立山に地獄があるということで立山は有名になったのだ。
立山地獄という宗教的意味づけは修験者が苦行による滅罪を主たる宗教目的とした行者らによる立山禅定登山が名声とともに広まっていったのだ。
江戸時代に入り、立山禅定を広めるために絵解きである「立山曼荼羅」が出てきたことにより、全国各地から現世の罪を洗うために多くの人が立山信仰での登拝をしにきたのである。
この立山曼荼羅というのは現代で言うならば写真や動画であると僕は考える。
つまり立山に行きたくなる情報を提供するものが江戸時代では立山曼荼羅であり、現代では写真や映像ということだ。
一方で、立山登拝をするのにあたり広大で植生が豊かな弥陀ヶ原や浄土山などと称されるように天国(極楽浄土)が立山にはあるともされている。
僕なりに解釈すると、
「立山を登ことで今までの罪や汚れを落とし極楽浄土へといくことができる素晴らしい場所が立山なのだ。」
山とは無縁のR156の天国と地獄のロードを交互に走ったり歩いたりしていく。
白川郷や五箇山は世界遺産の合掌造りで有名な場所だ。
途中五箇山の菅沼集落を通る。
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大きなかやぶき屋根と集落の風景はまさのノルタルジーを感じさせられる。
道沿いには湧き水が流れており、炎天下の中水浴びが最高に気持ちよくクールダウンになった。
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水が豊かな場所に人は惹かれ、生活の基盤を築きそこに文化が根付いていく。
合掌造りのまち並みは外見だけでなく内面を含めた美しい美があるのだと思った。
五箇山の名物は「五箇山豆腐」で一般的な豆腐より固いことで知られている。
途中の商店で僕は豆乳と豆乳ソフトをいただいた。
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普段走らない場所を走ることを「旅ラン」と呼んだりするが、旅ランにあたってこのご当地でのグルメというのは大きな楽しみの1つだ。
美味しいものを食べることで心とカラダの両方が満たされる。満たされたところでここからしばらくは人家もない道が20kmほど続く。
小牧ダム方面へR156をただひたすら進み庄川峡遊覧船でようやく自販機が現れて休息をとった。
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たそがれ時になり、休もうとするが大量のブヨが僕たちをたかってくるので休むのにも一苦労だ。
さてここから先は砺波平野に入り、庄川水記念公園の横を通って頼成の森まではもう少しだ(と言っても14km程)。
ヘッデンを装着しラストスパートで走って行く。
ここまで2日目の行程はOHISHIさんと行動を共にしていたが、途中のバス停で休息するとのことで、僕は先に進み、晩ご飯となるコンビニへと向かった。
外の暑さに順応しているからだろうか、コンビニに入るととても寒い。
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長袖の上着を着ないと居続けられないほどだ。
しっかりと栄養補給をし今日のゴール地点である頼成の森へ到着した。
〜6へつづく