『交渉人(The Negotiator)』(1998)
『交渉人(The Negotiator)』(1998)
監督: F・ゲイリー・グレイ
出演: サミュエル・L・ジャクソン、ケビン・スペイシー、デヴィッド・モース
この感じ、とても懐かしい感じ、少し暗めの画面がいい。
できたらブラウン管テレビ画面で観られたら、もっと感じいいかも知れない。
それくらいアナログで、たかだか20数年前の映画だというのに哀愁を帯びていた。
(もちろん良い意味です)
シカゴ警察東分署の刑事で交渉人、いわゆる犯人を説得して投降させる役を演じるは、我らのサミュエル・L・ジャクソン。
随分と彼を見てきた。
遅咲きながら、たくさんの映画に出ているので、うまく言い表すことが難しいが
「パルプ・フィクション(1994)」に於ける彼が一番好きかな。
早口でまくしたてるかのように台詞を回す饒舌さ、演説をかますが大して意味をなさない間抜けさ、
それに顔立ち、説得力があるようでまるでない、諸刃の土着顔、
だからこそアベンジャーズシリーズに代表されるような指揮官のような役柄も多い。
「ディープ・ブルー(1999)」ではそのイメージを逆手にとって、とんでもない目にあう。
「キングスマン(2015)」の徹底的な嫌なヤツも、彼の真骨頂だ。
この映画では、最初は刑事、罪を着せられ一変、犯人となって立て篭もり、
交渉人が交渉人と交渉するという展開となる。(あーややこし)
その交渉人に、ケビン・スペイシー。
しっかり仕事をこなす男、
素晴らしい役者なのでこれからも活躍して欲しい。
立て篭もり事件は心理戦だ。
自らの潔白を晴らすために人質をとって立て篭もるという、勝てば官軍なところがアメリカの安易さではあるが、映画としてはとても盛り上がるところだ。
罠に陥れた側は早く彼を抹殺したいわけで、あの手この手で交渉を邪魔する。
これくらいが丁度いい。
ほどよい緊張感、ポテチを一枚、ビールをガガっと流し込んで、
二人の交渉人の高等技術を見やる。
サミュエル・L・ジャクソンが画面いっぱいにアップになる。
なんかニヤニヤしちゃう。
いまさらながら、存在がおもしろいんだな、彼は。
とても楽しんでお絵描きしました。
やはりサミュエル・L・ジャクソン、いい顔してる。