Are you ready to shoot?
『一度も撃ってません(2020)』
監督:阪本順治 / 脚本:丸山昇一
出演:石橋蓮司、大楠道代、岸部一徳、桃井かおり、妻夫木聡
石橋蓮司・主演、はとても珍しい。
主人公は売れない作家、裏の稼業は殺し屋なの?
今宵が最後の営業となるBAR"Y"に集い、事件が起こるの?
というハードボイルド・コメディ。
なんの気なしに見ていたが、ヒジョーに懐かしい気分になってきたゾ。
成る程そういった経緯か、あれ、ほら、あの映画が観たくなってきた。
そう、あの映画から30年以上も経ってしまうのか。
『われに撃つ用意あり(1990)』
監督:若松孝二 / 脚本:丸内敏治
出演:原田芳雄、桃井かおり、石橋蓮司、蟹江敬三、室田日出男
タイトルからして、先の映画はこのアンサーとして制作されたコトは明白だ。
舞台は新宿、今宵が最後の営業となるBARに集う全共闘世代の仲間たち。
原田芳雄がBARのマスター、ヤクザに終われるアジア人女性をかくまい騒動が起こる。
いったいあの60年代後半からの喧騒は何だっただろうか?
反戦運動から派生する全学連の安保闘争、デモ、ヘルメットとゲバ棒に火炎瓶、大学封鎖占拠。そんな中、67年新宿騒乱事件で気焔を挙げた仲間たち。
その未消化だったものを吐き出すように、街を駆け抜けるという映画。
当時観た時、自分は20代、随分と日和ってるなと感じたが、見返してみたら悪くない。というか、『浪人街(1990)』と同時期なのか!?
どうりで脂が乗り切ってぎらぎらしてる。
主演の芳雄さんはともかくとして、この映画での石橋蓮司は泥酔して寝てばかりだ。
それに桃井かおり、彼女はいったいどこまで貪欲なんだ。
ショーケンとも松田優作とも肩貸してるよね。
この映画から30年後にあの映画があり、それから先はあるのだろうか?
"Y" の次は、"Z" これで終わりってこと。
そんなノスタルジイに囚われ、過去の作品を漁り、
年齢を重ね、当時観ていた作品が毛色を変えていく。