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【映観】「ドント・ウォーリー・ダーリン(2022)」

『ドント・ウォーリー・ダーリン(Don't Worry Darling)』(2022)

監督: オリヴィア・ワイルド
主演: フローレンス・ピュー、ハリー・スタイルズ

先月観たなかで、とっても奇妙さを醸し出した一作。
なにしろ今年の夏も酷暑であり、トタン屋根の2階は籠った暑さが深夜にまで及び、冷房装置も付け焼き刃だ。
これから地球環境の負荷に拍車がかかり、さらに過酷な状況になっていくんだろうか。
そんな夏の一作。

映画の舞台は、出来すぎなようなアメリカの小さな町、
カラフルで整然とした家、ホームパーティーで少しハメを外し、
翌朝にはきちんとした身なりで旦那方は車を連ね、
砂漠の先にある職場へと向かっていく。
奥方は、家庭にある諸事をこなすいわゆる専業主婦。
そんな退屈だが申し分のない生活が、何の疑問もなくループしていく日常。
主人公は「ミッドサマー(2019)」の女優さんフローレンス・ピュー。
あの映画とどことなく雰囲気が似ているのも、宗教的な匂いがするからなのかも知れない。
この町で暮らす人々には、どうやら隠された秘密があるらしい。
その共同体が織りなす匂いが、宗教的でもあり、コミューン生活を思わせる。
隣人の奥方が、立ち入り禁止の砂漠地帯で見てはいけないものに触れ、突然奇行に走り出す。
それから少しづつ、主人公アリスにも疑心が芽生えていくという物語。

屈折した夫婦関係と愛が行き着く先、
「ビクトリー計画」とは何なのだろうか、
この出来すぎた町の秘密とは、
というとこが焦点であるが、それを知ってしまったら興味は尽きてしまうだろう。
wikiにネタばれストーリーがあるのでくれぐれもそんなのを見ないようにしよう。
僕は、もっとアニミズム的なホラーだと思って見ていたので、
ええ〜そっち?と、良い意味で期待を裏切られた。
見終えてから整理してみて、そういうコトだったのかと納得する映画でした。
それにこの映画は綺麗に撮っているので、是非とも映画館の大画面で見たかった。
余談になるが映画館で観た「ミッドサマー」も強烈な映像美で、それも何か同じ匂いを感じたところでした。