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『浪人街 RONINGAI』(1990)

浪人街 RONINGAI #一骨画

『浪人街 RONINGAI』(1990)

監督:黒木和雄 総監修:マキノ雅広
出演:原田芳雄、石橋蓮司、樋口可南子、勝新太郎、田中邦衛

剣戟映画(けんげきえいが)である。

いわゆる、チャンバラ、ちゃんちゃんバラバラを楽しむ。

難しいところはひとつもない。

だが監督は黒木和雄、ATGで「竜馬暗殺(1074)」「祭りの準備(1975)」「原子力戦争(1978)」など撮っている。
70年代に撮った映画は見てるが80年代は知らない。
「祭りの準備(1975)」はヤバい映画なので、気になったらぜひ観てください(とだけ云っておきます)

原田芳雄を追うとだいたいこの監督にたどり着く。

さて、この映画の概要を話す積もりはありません。
見れば単純明快、それに俳優陣もこの上なく極上、ゆるくスイング。
原田芳雄石橋蓮司の絡みはおなじみのところ、これは次回にまた。
芳雄さんはかっこいい、駄目なオトコをやらせたらピカ一だ。
僕はゲイではないが、彼の足が好きでたまらない。
すっと伸びきった筋と、浅黒い皮膚、裸身が似合う男だがその足はまた格別に素敵だ。

石橋蓮司がまともに剣戟をやってる姿も素敵だ。

田中邦衛はまた三番手、毎度いい位置に据えている。

樋口可南子、80年代から出ずっぱりなイメージ、脱ぎっぷりもまた威勢がいい。

これが遺作となってしまう勝新である。
云うコトはない、勝新勝新を演じているような愛くるしさ、素なのか演技なのかもはや識別不能。
物語と関係ないが、長門裕之扮する立ち食い蕎麦屋との掛け合い「侍ソバや」に頬が緩む。

そして映画ラストの痛快なチャンバラを是非ご賞味ください。

ギリギリ最後、電球の終わり際の明るさ、といった映画。

この映画の設定は江戸末期、この30数年後に明治を迎えるという、際のお話。
武士も浪人も町人も女郎も、これから末端へと滑り落ちていく寸前なのである。