マガジンのカバー画像

【映画観覧記】

60
【映観】 活動写真(映画、ドラマ、映像)感想を、発表してみる試み。
運営しているクリエイター

#映画

【映観】『インフィニティ・プール』(2023)

『インフィニティ・プール(Infinity Pool)』(2023) 監督:ブランドン・クローネンバーグ 出演:アレクサンダー・スカルスガルド、ミア・ゴス、クレオパトラ・コールマン 興味深い変質映画でした。 監督は、デヴィッド・クローネンバーグの息子さんで、長編3作目だそうです。 お父さん譲りなのか、グロテスクな描写もチープではなく、かなりエグくて良い。 この映画の肝は、ビックリさだと思うので、何の予備知識もいれないで楽しむ方がいい。 なので詳細なストーリーなどは語らず。

【映観】『マルホランド・ドライヴ』(2001) +リンチ追悼+

『マルホランド・ドライヴ(Mulholland Drive)』(2001) 監督・脚本: デイヴィッド・リンチ 出演: ナオミ・ワッツ、ローラ・ハリング、ジャスティン・セロー 2025年1月15日に亡くなったDavid Lynchを追悼します。 この映画は難解だといわれている。 僕も何度か観ているが、筋を追っていくうちに見失ってしまい、いつの間にか迷子になってしまう。 種明かしをされたらきっと納得できるだろうが、監督自身は何も語ってくれない。 観客に委ねるスタイルを頑なに貫

【映観】『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』(2024)

『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(Joker: Folie à Deux)』 監督・脚本: トッド・フィリップス 出演: ホアキン・フェニックス、レディー・ガガ、ブレンダン・グリーソン キャサリン・キーナー、ザジー・ビーツ 映画を観たらスタンプ一個捺印されるポイントカード(8回満了)で今回無料。 だけれどこの制度は廃止され、次回からはネット経由で会員になってください、とのこと。 なんでもかんでもそれだなぁ〜、と思いながら、いざ映画館。 (ここで妄想入れば、案内嬢と一緒に歌っ

【映観】『ジョーカー』(2019)

『ジョーカー(Joker)』 監督・脚本: トッド・フィリップス 出演: ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ、ザジー・ビーツ、フランセス・コンロイ ええ!もう公開から5年も経ってしまったのですか!? 余りにも早いので、もう映画の中に籠るしかありません、フィルムの中では歳取らないゾ、と。 衝撃的な映画でした。 もちろん公開時に映画館で観ました。 何から手をつけたらいいのかよくわかりませんが、とりあえずここ数日でこの辺りを見返してみた。 僕は「バットマン」がアメコ

【映観】『パリ、テキサス』(1984)

『パリ、テキサス(Paris,Texas)』 監督: ヴィム・ヴェンダース 出演: ハリー・ディーン・スタントン, ナスターシャ・キンスキー, ジョン・ルーリー 音楽: ライ・クーダー 40年前の映画、何度となく観ているがたぶん今世紀初かも知れない。 初めて観たのは「バグダッド・カフェ(1987)」とかミニシアター花盛りの頃だった。 もうこの映画に漂う色気だけで、ついぞ酔ってしまっていたような気がします。 今観てもやはり写真の色がとてもいい。 赤い帽子(なぜこの色?笑)を

【映観】『ミッドサマー』(2019)

『ミッドサマー(Midsommar)』 監督・脚本: アリ・アスター 主演: フローレンス・ピュー 公開時に映画館で観ました。 強力な匂いを放つ、近年稀に見るカルト作品だと思った。 映画館で中学生くらいか?、4人組の男の子らがワイワイ言いながらやっていた。 どんな映画だと思ったんだろうか? 僕自身もなんとなく入ってしまったので同じようなもんだが、 帰りしなの彼らは一切無言で、何か強烈なドラッグでも摂取したかのような青い顔だった。 変なトラウマにならなければいいけれど、 こ

【映観】『ボーはおそれている』(2023)

『ボーはおそれている (Beau Is Afraid)』 監督・脚本・製作: アリ・アスター 出演: ホアキン・フェニックス、ネイサン・レイン、エイミー・ライアン 「ミッドサマー」アリ・アスター監督、+「ジョーカー」ホアキン・フェニックス というだけでも、絶対に観ないといけないヤツ。 そうして長尺179分というコトも知らず、予備知識もなし、ある意味驚愕の3時間でした。 率直に云えば、最初の何をやってもダメダメになってく主人公ボーの可笑しさは好き。 ほらチャップリンの有名な

【映観】『マッシブ・タレント』(2022)

『マッシブ・タレント(The Unbearable Weight of Massive Talent)』(2022) 監督・脚本: トム・ゴーミカン 出演: ニコラス・ケイジ、ペドロ・パスカル ニッキー F u c k i i i i i i i i i i i ~~~~ n' ケイジ! 残暑の爆コメディ! こんな役柄を演じられるのはニコラス・ケイジくらいぢゃないのか、と。 彼の出演は多作で、当たり外れが多い、肩すかしを喰らうコトも多い。 それというのも、彼の気質に由来す

【映観】『エイリアン:ロムルス』(2024)

『エイリアン:ロムルス (Alien: Romulus)』(2024) 監督: フェデ・アルバレス、制作: リドリー・スコット 出演: ケイリー・スピーニー、デヴィッド・ジョンソン、イアン・ホルム(A.I) 僕の唯一の贅沢は、映画館で映画を観るコト。 昨今入場料も跳ね上がってるけれど、ここの映画館は月曜日1300円、 Dolby Atmos(立体音響)で100円追加だ。 前回「マッドマックス:フュリオサ」もここで観た。 いつものように上映前のサイゼで腹ごなし、準備万端だ

【映観】「ドント・ウォーリー・ダーリン(2022)」

『ドント・ウォーリー・ダーリン(Don't Worry Darling)』(2022) 監督: オリヴィア・ワイルド 主演: フローレンス・ピュー、ハリー・スタイルズ 先月観たなかで、とっても奇妙さを醸し出した一作。 なにしろ今年の夏も酷暑であり、トタン屋根の2階は籠った暑さが深夜にまで及び、冷房装置も付け焼き刃だ。 これから地球環境の負荷に拍車がかかり、さらに過酷な状況になっていくんだろうか。 そんな夏の一作。 映画の舞台は、出来すぎなようなアメリカの小さな町、 カラ

【映観】「DOGMAN」(2023)

『DOGMAN ドッグマン』(2023) 監督・脚本: リュック・ベッソン 主演: ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ 7月、2番目に良かった映画。 リュック・ベッソン監督だ。 「グラン・ブルー(1988)」が大好きだった。 その当時、何度も何度も見返して、それからほぼドキュメント「アトランティス(1991)」にどっぷり浸かった。 その頃僕は20代前半、海への憧れが強過ぎて、とうとう海水魚の飼育にまで至っていた。 180cmオーバーフロー水槽を特注し、海を部屋に再現しようと

【映観】「エンドロールのつづき」(2021)

「エンドロールのつづき」(Last Film Show/2021) 監督・脚本: パン・ナリン 出演: バヴィン・ラバリ 今月見た映画で一番素敵でした。 インド映画、僕の中では「ムトゥ 踊るマハラジャ」くらいしか記憶にない。 とにかく、中年で恰幅よく中肉中背髭ちょびん、それがリズミカルに踊ってると絶世のインド美女にモテる(らしい) 痩せてると貧相で、小太りくらいが富を象徴するんだろうか、だいたい太っちょが主人公だよねインド映画。 この映画はそれとは違う。 まず最初に、い

【映観】『マッドマックス:フュリオサ』(2024)

『マッドマックス:フュリオサ (Furiosa : A Mad Max Saga)』(2024) 監督・脚本: ジョージ・ミラー 出演: アニャ・テイラー=ジョイ、クリス・ヘムズワース、トム・バーク もちろん映画館、"Dolby Atmos"という立体音響システムで観ました。 もうこうなると一つのアトラクションでございます。 映画館がいいのは大画面もさることながら大音量、そして今後VRな空間が提供されていく方向にいくのだろう。 それにしてもだ、もの凄い映画だった!!!

【映観】『レット・イット・ビー』(1970)

『ザ・ビートルズ: Let It Be』2024年修復版 監督:マイケル・リンゼイ=ホッグ 僕が若かりし頃(80年代)既に伝説化され、教科書に載ってしまうくらいポピュラリティを得てしまっていた。 80年にジョンが殺され、もはやビートルズ再結成は叶わなくなり神格化されていくのだが、ご存じの通り20世紀末のアンソロジープロジェクトで実質的に3人が新曲を演奏し、去年「Now and then」で残る2人がA.Iの力を借りラスト曲を発表した。 10代の僕は、FAB4好きを隠すよう