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コロナ禍のアメリカで病院に行ってきた①


「アメリカの保険は高い」とはよく聞きつつも、夫の給料から天引きされていたので毎月いくら払っているか知らなかった私。夫の帰国にあたり、このままの保険を自分で払う(その場合はいない夫の分も払わなきゃいけないのだけど)、または自分で保険に加入するかの選択を迫られて、初めて今まで払った額を知った。

そのお値段、$1,700/month

$1,700って…私、年間価格かと。確かに手厚い保証だったけど。

そんなに払っていることも知らず、今まで「特に健康に不安はないし、コロナ禍だから病院にはいかないどこう」と健康診断すらしていなかった私。最近の胃の不調もあって、やっと病院に行くことにした。

アメリカでは、いきなり専門医に行くより、多くはPrimary Care Provider (PCP)というかかりつけ医を受診し、必要に応じてPCPが専門医を紹介するという形をとっているらしい。という訳で、まずはPCP探しから。最初は近所でいいかな〜と思っていたが、日本人友人の「いざ体調が悪い時に英語を話すのはしんどそう」という言葉に共感し、日本人の先生にお願いすることにした(※他の病院でも、頼めば無料で通訳をつけることも出来るそうです)。

※以下、今のところは病院名を載せませんが、(覚えていたら)帰国後に追記します

初診

クリニックのHPに「新規患者、受け付けています。電話してください。」とあったので、とりあえず電話を掛けてみた。先生は日本語OKでも受付は英語。ソウデスヨネ。電話での英語は苦手だが、なんとか「HPにあるフォームに必要事項を記入してFAXか郵送してください」という情報を得た。フォームをダウンロードして、iPadで書き込む。「こんな事聞くんだ〜」と思ったのは、家族の既往歴。祖父母の既往歴、特に亡くなった祖父母の既往歴は完全には把握していないかも。PDFファイルをUSBに移し、UPSで印刷&FAX送信。(パソコンで印刷をしたのち、FAXしてくださいと店員さんに頼めばできる。10ドルくらい。)

次の日くらいに病院から、フォームを受け取った旨と予約について電話があった。初診はオンライン診療しか受け付けていないらしく、しかも1ヶ月待ち。この病院が特別なわけではなく、アメリカでは普通みたい。ということで、(コロナ禍でも)体調が悪くなる前に主治医に掛かっておくことをオススメします。※主治医に掛かる前に急ぎで病院に行きたい場合はUrgent careやEmargency Room (ER)が使えると思います。

1ヶ月待って今月の頭、オンライン診療を受けた。専用のアプリをダウンロードして待機。予約の1週間前と直前の計2回、事前にスタッフさんから予約確認の電話があった。PCPはとてもしっかりはっきりした評判通りの先生で、健康診断として何をすべきか、必要な予防接種はあるか、胃の不調についての診断方針などを決めていただいた。

胃についてはバリウム検査をすることに。(ホントは内視鏡検査が良いのだけど、コロナ禍だからとのこと。)「発注しておくからね。」と仰ったのでてっきりバリウム検査に必要な物資を頼んでこのクリニックで検査するのかと思っていたら違った。診断後に受付の人から電話がかかってきて、「バリウム検査のオーダーが入っているので、〇〇病院に行ってください。そのために、今から言う電話番号にかけてまずpatient numberを取得してください。」と言われた。発注ってそうか、専門医に依頼するということね。

電話番号を間違えたりもしたが、なんとかpatient numberを取得。クリニックにそれを伝えると、「オーダーを入れたので、次はこっちの番号にかけて。」

教えられた電話番号にかけると「バリウム検査ならXX(忘れた)に電話して」と言われ、XXに電話すると「ああ、じゃあ放射線科に転送するね」、そして放射線科では「オーダーが来てない。放射線科に送ったかどうかPCPに問い合わせて。」と言われる。

クリニックに掛け直して、バリウム検査は放射線科でやっているらしいと伝えオーダーを送り直してもらい、なんとかバリウム検査の予約ができた。予約は最短で3週間後。電話での英語は聞き取るのに必死。場所を間違えないように、スペルまで教えてもらった。

PCPによると、今飲んでいる胃薬はバリウム検査まで中止にしてとのこと。服薬を止めたら吐瀉物が苦くなってきたので、「今まで効かないと思ってたけど効いていたのかも」と思い始める。

バリウム検査

Google先生によると、アメリカではバリウム検査より胃カメラの方が一般的。日本人がアメリカでバリウム検査を受けたというブログは2,3個しかなかった。需要はないかもしれないけど、一応書き残しておく。

前日の夜中以降は飲食が禁止された。食べないのは全然平気、でも飲めないのはツライ。ここ最近は胃食道の不快感を水を飲んで乗り切っていたし。検査後すぐに何か飲めるように、ポカリ的な飲料水を水筒に入れて持っていった。

バリウム検査はhospitalレベルの大きな病院で行われた。建物内をうろつくには、informationカウンターで許可を得ないといけないらしい。検査をしにきた旨を伝える。伝わっていたのか分からないが、特に予約を確認することなくScreened patientだよというシールを渡された。(意味あるの、これ?)

放射線科で受付。バリウム検査の予約をしていると伝えると、本人確認のためか住所と電話番号、生年月日を聞かれた。腕にバーコードが印刷されたリストバンドを巻き、更衣室に案内される。「Underwearと靴以外を脱いで、かごに入っている検査着を前からと後ろから2枚着て」と(多分)言われた。OK!と言って個室に入るも、「あれ、underwearの定義って…」と困った。Underwearはどう考えても下着、でも、え、下着ってブラも含む?ヒートテックの肌着を着てるけど、これも下着だよね…?結局、胃を見るんだしどっちも着けちゃえと思ったのだが、結果的にそれは間違いだった。ホックが写りこんで撮りなおしになった。ヒートテックも脱ごうねと言われた。この場合のunderwearはpantyだけだったのか。そして私は検査着の着方も不正解だったかも。2枚と言うからエプロンのようなものを想像していたが、実際は浴衣のようなものだった。一応2枚着ていったが、待合室には私ともうひとりを除いて皆1枚しか着ていなかった。名前を呼ばれ挨拶した後に、「私、これ着方あってます…?」と聞いら看護師さんは「うーん、大丈夫よ」。OKだとしても正解ではなさそうだった。実際、着替え直したときは1枚だけで済んだ。

再度名前を確認された後、看護師さんにどこ出身なのと聞かれた。日本ですよと答えると、「まじで!?」というリアクション。どうやら、名前の雰囲気がアフリカっぽかったらしく、アジア人だったのに驚いたらしい。彼女の名字はカネキさん (うろおぼえ)らしい。確かにfamiliarに聞こえるわ〜wとちょっと盛り上がった。

まず看護師さんから検査の概要の説明を受けた。「あそこにある二種類の液体を飲んでね。まず口に含んで、いいって言われてから飲み込むのよ。」「今日帰ったら、水をたくさん飲んでね。アルコールやコーヒーではなく、水ね。それからフルーツをたくさん食べて!」「白い便が出ると思うけど、それが正常だから安心してね。」日本では検査後下剤を飲むらしいが、それは処方されなかった。自然に排出させるらしい。

そしてドクターの登場。同年代のアジア人で、親しみを感じた(後ほど看護師さんに、あなた先生に似てるわねと言われた)。症状や飲んでいる薬について聞かれた。バリウムを飲むのは不快だと思うけど頑張ってねと励ましてもらった。

台に立って、指示された方向に身体を向ける。「難しいと思うけど、げっぷはしないで!」と言われ、ソーダみたいな発泡水を飲む。ただでさえ病気でげっぷが出るのに。なんとか堪える。胃を膨らますのに必要らしい。

そしてバリウムの登場。全く透明感のない、セメントにような液体を口に含む。数秒後、Swallow!と言われて飲み込む。覚悟していたほどまずくはなかったが、不快感が顔に出ていたのか、ドクターから気持ち悪いよね、分かるよと励まされた。身体の角度を変えたりしながら、これを数度繰り返した。

ドクターによると、PCPが疑っていた食道裂孔ヘルニア(胃の一部が横隔膜の上に飛び出す状態)ではないとのこと。ただ、バリウムが逆流する様子が写真に収められたとのことで見せてもらった。バリウム検査で分かることは、胃、あるいは胃壁の形なはず。まさか逆流しているという事実が分かるなんて(一般的なのかは分からない)。私は感動したが、ドクターは「胃酸が逆流しているのは検査する前から知ってたと思うけど」と笑っていた。

バリウムにできるだけ早く出ていってもらいたかったので、指示通り果物を食べることに。「身体のためだから」なんて言いながらこんなに買っちゃった〜!(※一人暮らし)


Mayさんがオススメのチキンヌードルスープもいただきました。しっかり味があって美味でした♡

血液検査

バリウム検査とは別に、オンライン診療の時に決めた血液検査がオーダーされた。これは、Quest Diagnosticという所で受けように指示された。ネットで予約できるからとのこと。Quest Diagnosticというのはアメリカにある医療検査の会社らしい。家から一番近いラボを予約した。予約の際に「何をテストしますか?」と聞かれた。私が受ける予定のものは選択肢になかったので、その他を選択。ただその詳細は聞かれなかったし、オーダーを送ることもなかった。つまり、検査会社側が何を検査すればいいのか知れるのは当日。それでいいんだ、すごい。私が予約したラボはhospitalの中にあるらしく場所が分かるか不安だったが、病院に入ると"Lab testはこちら"と案内があったのですぐ見つけられた。待合室には誰もおらず、チェックイン用の機械が置いてあった。チェックイン方法としてQRコードを選び、メールで送られてきたバーコードをかざす。「車で待つ、それとも待合室で待つ?」と聞かれ、待合室を選択。それから1分もしない間に名前が呼ばれた。

検査技師さんにPCPから貰ったオーダーの紙を渡す。食事の履歴を聞かれる。主治医師の指示通り今朝は何も食べていないことを伝えた。検査項目は沢山あるが、私からサンプリングするのは血液と呼気だけ。私の血管は細くていつも看護師さんに苦労をかけてしまうのだけど、彼女はささっとアンプル2本分を回収。呼気、これはピロリ菌検査のようだ。ピロリ菌が尿素を二酸化炭素と窒素に分解することを利用した検査。まず、空っぽのウィダーインゼリーのような袋に彼女のOKが出るまで息を吐く。そして、検査薬(尿素)が入った水を飲み干し、15分待機。そして、再度呼気を採取。終わり。英語でのやり取りに身構えていたが、検査技師さんが優しくゆっくり話してくれたので、リラックスできた。支払いについては、オーダーに保険会社の情報があったからか、当日は特に何もなかった。

結果はPCPを介してアプリで知らされた。全部正常値、ピロリ菌はおらず、必要な抗体 (はしかとか) もちゃんと持っていた。

ピロリ菌はいない、ヘルニアではない、でも逆流はしている。PCPとはまだ話していないけど、薬や食事、生活習慣で改善していくしかなさそうだなあ…。


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ここまで書いていて何故か投稿しておらず、2ヶ月経った今下書きから発掘。
明日は胃カメラを飲むことになりました。
こっちの方が、まだ需要があると思うので終わったらまた書きます。

最近調子が悪い日が増えてきて、夜眠れなかったり、朝動けなかったり、日中も気持ち悪かったり、QOLが低くなってきてます。
専門医の指示のもと、日本では処方されないくらいの量の薬を飲んでます。。

ただの逆流性食道炎だろう、何なら若い女性に多い、目に見える炎症のない非びらん性胃食道逆流症ではと思う一方、検査が近づくにつれてもしかして悪い病気かもと不安になります。

そんな中、今日ちょっと久しぶりにランニングをしたら、「こんなに走れてるんだから大した病気じゃないっしょ♡」と前向きになれました。
今の病気が治まれば、ランニング中に胃酸が逆流して苦しい、なんてことも無くなるので、タイムも良くなるはず。

検査は怖いけど正しい診断&治療のために頑張ろう。

長くなりましたが、wish me luck!

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