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ネタバレ注意⚠️ 私の好きな本『汝、星のごとく』
私が紹介する本は凪良ゆう著『汝、星のごとく』という恋愛小説です。そして、この作品は2023年本屋大賞受賞作に選ばれた世間が認める名作です。最初に私が言いたいことはこの本は読む人の心の奥深くに響く作品であるということです。
あらすじ
この本の粗筋は瀬戸内の小さな島が舞台で父親が不倫相手のもとに走り、少しずつ心を壊していく母と暮らす井上暁海と自由奔放な母の恋愛に振り回され暁海の通う高校に転校してきた青埜櫂の関係を中心に描かれます。孤独の中で生きる二人は徐々に惹かれ合い、大人になっていきます。しかし、自分の人生を生きていく中で二人の間にはすれ違いが生じていくのです。
感想
私がこの本を読んで素晴らしいと思ったところはプロローグとエピローグは同じ場面を描き、文章の内容もあまり変わらないにも関わらず、本を読み進めていき最後にエピローグを読むとプロローグを読んだときとは全く感じる印象が違うということが構成としてとても綺麗で感動する一つのポイントになっています。
私がこの本を好きな要因である文章をp263から引用して紹介します。「誰とでも、何とでも、結婚できればいいのにとも思う。(中略)名字の変更はしたい人だけがして、しなくてもいい人はそのままでいさせてほしい。他にもある数限りない不便や理不尽がなくなってほしい」という自分の力では解決できない理不尽に晒され続けてきた暁海の心の声が描かれているのですがこのシーンは実際にヤングケアラーやLGBTQなど様々な社会問題によってこの小説の主人公である暁海が悩まされてきたことを分かりやすく示していてとても悲しくなるシーンですが素晴らしい文章だと思います。
まとめ
私はこの本はただの恋愛小説とは言ってはいけない作品だと考えました。
私がこの作品に抱いた感想は正しさそして、人生における正解とは何なのかということを深く考えさせられ、世間が考える「普通」や「当たり前」は全員に当てはまるものではなくそのような枠組みに苦しめられる人がいることを忘れてはならないと感じました。
この本は恋愛小説としての楽しむことも可能ですが、同時に多くの社会問題が出てくるため読者が社会問題を考えるいい機会になると思います。それゆえあなたに『汝、星のごとく』をおすすめします。