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レベルデザインと宝箱「オクトパストラベラー2」

RPGにおいて必ず存在するオブジェクト、宝箱
開けることで新たな武器やアイテムが手に入る便利な箱。しかし、宝箱の配置や中身によってはゲームの難易度を左右することもある。
宝箱はレベルデザインにおいても重要なポイントであり、我々冒険者にとって魅力的な要素であるが、あまりにも多く配置すると物足りなさを感じさせる場合もある。まさに「宝箱」という一つの要素がゲーム全体のバランスに大きく関わっている。

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レベルデザインのざっくり解説:ユーザー体験や没入感を向上させるというゴールに対して、マップやステージ、オブジェクト配置、イベント、音楽の設計を行うこと。
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今回紹介するのは、2023年2月に発売された「オクトパストラベラー2

タイトル画面

前作からさらに進化したグラフィック、戦闘システム、ストーリーに加え、レベルデザインはより一層洗練された印象をうける。

○本作における宝箱

あらかじめ外観が提示されている

手前に木製の宝箱。左奥には豪華な宝箱。

これは、作中で訪れるマップだ。画面左奥をみると豪華な宝箱が視認できる。このように、オクトパストラベラーでは、宝箱はほとんど隠されていない。開けてくれと言わんばかりに宝箱が鎮座する。
プレイヤーの視界に宝箱が見えるようにレベルを調整して緻密に計算されたカメラワークが宝場をとらえるのだ。
システム側で強制的に宝箱が視界に入るように設計されているのである。

このマップを探索すれば、宝箱が手に入るという報酬が事前に提示されているのである。その為、冒険者を自然とマップの奥地へと誘導しているのだ。

しかもこの宝箱、常にマップ上に表示されているわけではない。

手前に柱があり見えないが、
数歩先に進むと宝箱が見える。

さらに進むと、画面外から宝箱は消えてしまうのだが、、、このチラッと見せるが何とももどかしい。

宝箱を隠す必要が無い

従来の2Dゲーム(見下ろし型や、横スクロール型)では、マップ上でプレイヤーに与えられる情報の制限があり、宝箱を配置しても目に届く位置に置くとプレイヤーにすぐに入手されてしまう。

2D見下ろし型ゲーム「Enter the Gungeon」

そのため、宝箱はプレイヤーの目から隠さなければいけなかった。Enter the gungeonでは、宝箱が入手できる部屋の前に扉を設置し、その扉を開けるまではその先が敵が待ち受ける部屋なのか、宝箱なのかがわからなかった。

プレイヤーには入手してほしいけれど、簡単には入手させたくない。そこが宝箱の扱いの難しさだ。

だからこそ隠し通路を用意したり、看板を設置したり、豪華な扉で装飾、音で誘惑。といった宝箱へ導くための工夫やデザインが多く生まれたともいえる。

しかし、本作の目玉でもあるHD-2Dによるレベル階層の拡張により、ユーザーと宝箱を同時に表示させても、宝箱にたどり付く為の時間を十分に確保できるようになった。
早く宝箱を開けたいという好奇心と、宝箱への寄り道を行うとことで敵とエンカウントするリスクとがまじりあうひと時だ。

遠くの島に宝箱がある。船があれば桟橋から上陸できそう。

見せる宝箱だからこそ、オクトパストラベラーの宝箱は魅力的なのだ。

もちろん、隠しているほうの宝箱も存在する。滝の裏には隠し通路を作れって聖書にも書いてある。

滝の裏には一体何が?


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