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#1【音楽コラム】アーティスト紹介~The Beatles~

1.The Beatlesとは

 ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターの4人で構成されるThe Beatlesは言わずと知れた英国の大スターであり現在の音楽シーンは彼らがいなければ全く違うものになっていたと言っても過言ではない。1962年にデビューした彼らは1970年の解散まで実質8年弱の活動で英国内において13枚のアルバムと22枚のシングル、楽曲数にして213曲をレコーディングし、世界の音楽をがらりと変えてしまったのだ。チャック・ベリーやエルヴィス・プレスリーに影響を受けたロックンロールバンドを出発点とし、ブルース、フォーク、インド音楽、カントリー、前衛音楽など様々なジャンルから影響を受けながら急速に変化していったその音楽性はとてつもないバラエティに富み、それ以降の世代の追従も許さぬ確固たる個性を獲得している。

2.入門編!最初に手に取るべきアルバム

①「The Beatles1962-1966(赤盤)」

 バンドの前期のベストアルバム。「Yesterday」「Help!」など誰もが知る代表曲を多数収録し、前期の明るくポップで楽しいThe Beatles像を楽しむにはぴったりの2枚組。

②「The Beatles1967-1970(青盤)」

 こちらはバンドの後期のベストアルバム。芸術性が増した後期の革新性と円熟味を味わうにはうってつけの2枚組。「Strawberry Fields Forever」「Let It Be」など完成度の高い名曲が目白押し。

3.これさえ聴けばあなたもファン?!名盤紹介

①「A Hard Days Night」

 初期の名盤として名高いアルバム、それがこの「A Hard Days Night」だ。ロックンロールバンドとしてのフレッシュさが残りつつもレコーディングへのこなれ感も感じさせる本作はThe Beatlesとして初めて全曲自作曲で構成されたアルバムであり、特にジョン・レノンの活躍は目覚ましく、表記上Lennon/McCartneyの共作となっているものの全13曲のうち9曲が実際にはジョン主導で書かれた曲であると言われている。賑やかで楽しいコーラスワーク、ハーモニカの音色、フレッシュな歌声と初期の良さを凝集した“The Beatles初心者”にはぴったりの作品だ。

②「Rubber Soul」

 アーティストとしての革新性を獲得した中期の幕開けとなった本作は近年ファンの間での評価が鰻上りであり、実際に現在の私たちが聞いても古さを感じさせないようなポップながら捻りの効いた楽曲が多数収録されている。「ノルウェイの森」「Nowhere Man」に代表されるジョンの詩人としての才能、「Michelle」に代表されるポールのメロディーメイカーとしての才能、そして“静かなるビートル”ジョージのソングライターとしての成長が合わさりバンドの真の実力がやっと開花しはじめたアルバムとも言えるだろう。

③「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」

 音楽雑誌の名盤ランキングで何回も1位を獲得している、正にバンドの代表作ともいえる本作は世界初のコンセプトアルバムとも言われ、架空のSgt. Pepper(ペパー軍曹)のバンドがアルバムを通し演奏するというコンセプトで作られている。アルバムとしての流れもさることながら1曲1曲のクオリティも非常に高く、サイケデリック音楽の代表格ともいえる「Lucy In The Sky With Diamonds」、ジョンとポールの曲をドッキングして1曲として仕上げた大作「A Day In The Life」などThe Beatlesのみならず当時の音楽シーンを語る上で重要な曲が多数収録されている。

④「Abbey Road」

 実質的なThe Beatlesの最後のアルバムとされる本作は活動の集大成とも言える内容であり、円熟した演奏、最盛期であったポールの才能、ソングライターとして大成し「Something」「Here Comes The Sun」という超名曲を生み出したジョージ、俳句の影響もありシンプルながら深みのある詩を生み出したジョン、シンセサイザーの導入など様々な要素のぶつかり合いが生み出したバンドの最高傑作のひとつだ。有名な横断歩道のジャケットも含め手に取っていただきたいアルバムである。

4.最後に

 The Beatlesを知らずして一生を終えるのは音楽を好きな方であればあまりにも勿体ないことだと私は確信をもって言える。現在の音楽を好きな方はそのルーツとして、さらに昔の音楽(クラシック等)を好きな方はいかにその遺伝子が彼らによってロックミュージックに持ち込まれたのかを知ることができるだろう。是非The Beatlesの素晴らしい音楽遺産を楽しんでいただきたい。

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筆者:吉本伊吹

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