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[クラフトビール] 自然の中で激レアなビールを飲むことができるイベント: SARAthon 2024

SARAthon (サラソン)というイベントのことを初めて聞いたのは 2023 年の夏だった。ビア友が参加し、キルショット(飲んだボトルを並べて写真や動画を撮ること)で何本だか数え切れない Sante Adairius Rustic Ales のボトルが並んでいて驚いた記憶がある。Sante Adairius Rustic Ales のビールをマラソン(marathon)のように飲み続けることができるイベントと聞き、名前にも納得。

Sante Adairius Rustic Ales はアメリカのカリフォルニア州サンタクルズに隣接するビーチで有名な街 Capitola (キャピトラ) にあるブリュワリーで、様々なスタイルのビールを作っているが一番有名なのはバレルでエイジされたセゾン。ここ独自の自然発酵を促すハウスカルチャーは独特で、2020 年には RateBeer のウェブサイトで世界で 9 番目に選ばれるほどの人気だ。そんなブリュワリーのレアなビールを多く飲めるとは、、、

そんなイベントにいつか参加したいと思っていた矢先、今年の春頃に再度 SARAthon が開催されると聞き、カレンダーに日付を登録し詳細を待っていたところランビック好きなビアギークのチャンネルでその情報が流れ、興味を示したところ参加できることとなった。

しかもなんと今年で 10 周年という記念すべき回だという。詳しく聞いてみたら、過去には Sante Adairius の Adair さんも訪れたことがあるとか。本家にも認められたイベントというのは凄い。

開催日が近づくにつれ、ビア友含む常連さんをテーマにしたミームが次々とポストされ期待も高まるばかり。

いろいろな場所で開催されてきたらしいが、10 周年の今年は Sante Adairius に敬意を表してタップルーム兼ブリュワリーがあるサンタクルズの DeLaveaga 公園にて行われることに。

会場はこんなところ。大人数用のピクニックエリアを借り切って行われた。
レッドウッドの木に覆われとてもカリフォルニアらしい気持ち良い場所。

あくまでもボトルシェア会なので、各自グラスや食べ物を持参。我々は 2017 年の punk in drublic フェスのグラスが丁度良い大きさだったのでそれを持って参戦。サイズ的にも他の参加者からも好評だった。

持って行った punk in drublic のグラス。
Santeを代表するアプリコットセゾン West Ashley と共に。

以前からのビア友も数名参加していて、話をしているうちにそこから友達が広がり、最終的には会場にいたほとんどの人と話をしてビア友の輪が広がった感じ。

少し遅れて会場に到着すると、既に 20 本以上がボトルがオープンされていて、そこから皆自分のグラスに自由に注いでいた。方式としては、残っているボトルが少なくなってきたタイミングで各自自分の持ってきたのを開ける感じで緩ーく進んでいく。

数々のボトル!

その中でも、ハイライトの一つはリリース年が異なるバーティカルのバッチ違いをサイドバイサイドで飲めるやつ。これは持ってきてくれた人に感謝しかない。

こちらは Sante Adairius を代表するセゾンの一つである A Thousand Summers の 2018 年, 2019 年, 2021 年, 2024 年, Cuvée(2022 年リリース。1 - 3 年ものをブレンド)。Frederiksdal のチェリーワイン用のオークのパンチョンでネクタリンと共にエイジしたセゾン。

Sante Adairiusを代表するセゾンの一つである A Thousand Summers。

続いて Beaty Sleep のバッチ 1 からバッチ 4。こちらはラズベリーを使ったオーク樽エイジのセゾン。

Beauty Sleepは見た目だけではバッチの判断ができない。

スモーキーさが特徴的な Fumare のバッチ 1 からバッチ 3。

初めてみたFumare。独特故にファンが多い。

定期的に出来立てのセゾンを足してはボトリングし、秘伝のタレ的に育てていくソレラタイプのセゾンである Cask 200 のバッチ違い。Cherry バージョン の Cask Cherry も今回飲むことができた。

Cask 200は同じ全て同じバレルから。

Sante Adairius x Tired Hands x Side Project x Jackie O' という豪華コラボの We Are You バッチ 1 からバッチ 4。SF Beer Week中にドラフトでおそらくバッチ 4 を飲むことができたがボトルを見るのは初めて。

素晴らしき 4 way collab!

そして周年の数字がそのまま名前になった周年記念セゾン。右奥から Six (2018年), Seven (2019年), Eight (2020年), Nine (2021年), Ten (2022年), Eleven (2023年)。Seven は昨年ついにセラーしていたのを開けてしまったが、今回のメンバーの中で一番人気だった。2 番人気は Ten(West AshleyをFrederiksdal のチェリーワインパンチョンでエイジしたセゾン)。Sixは今回初めて見たので飲めて良かった。

これだけ並ぶと本当に圧巻!

他にも、懐かしの 16e ラベル (BJCP が定めるガイドラインのカテゴリ 16e は Belgian Speciality Ale なので Sante のラベルには一時期 16e と大きく書かれたものがあった) のものや、

Bygones Be は9.5%!

初めて見た丸いシールに名前が書かれている更にヴィンテージのボトルまで登場。しかも伝説の Fruit Punch

写真を撮り忘れたがバッチ1の方が美味しかった。

一通りSanteのビールが空くと次にはnebuleusのマグナム(!)やHomageまで登場した。

Homage の The Flower Called Nowhere。

こんな凄いビールたちが次々と開けられていく。天気も良く、気温も 20 度ぐらいで過ごしやすい。適度の日陰もあり、まさに夢の様な空間。

風もなく気持ち良い

食事も充実していて、なんとピザ窯を持ってきてその場でピザを焼いてくれる人がいたり、15 時間かけた手作り BBQ のブリスケットを持ってきてくれる人がいたり。皆の情熱が凄い。

ピザ窯も持参

さて、今回のこのイベントに私が持っていったのは Dear Jon Letter と Darkness Doubled。

2020 年にリリースされた Dear Jon Letter は Cask 200 の一部を Fredrikdalのチェリーワインパンチョンと Venus Spirits のアガベバレルに移しエイジ後再ブレンドという手間暇かかったセゾン。ブリュワーの Jonさんが Sante を辞めるときに彼への感謝の意味も込めてリリースされた一本で、実はその後少しの間オークランドの Arbor タップルームでスタッフとして復活しているときに彼と話をすることができた。

このシンプルなラベルも好き

Darkness Doubled (写真を撮り忘れた)は Private Press とのコラボのアルコール度数17%のバレルエイジされたベルジャン ハニー スタウト。こちらは最後の方で開けた。 

今回のイベントの個人的なキルショットがこちら。途中で帰ったのだけど、最後までいた参加者の写真をみると、更に手前の机の上にもずらーっとボトルが並んでいた。最終的には 201 本のボトル/缶がシェアされた様だ。

このイベントで味わう事ができたビールはこちら。全部飲めたわけではないのでシェアされたボトルの一部だけど、それでも改めて眺めるととんでもない量だ…….。

Sante Adairius Rustic Ales のビール

  • Dear Jon Letter

  • Love Birds

  • Mirepoix (2015)

  • Wondermutt (2017)

  • Each a Little Token

  • Farmhouse Noir

  • Treachery of Images

  • Cask Cherry

  • Four Legs Good

  • Bygones Be

  • Circus of Light

  • Wesy Ashley

  • West Ashley Cuvee (Waxley)

  • A Thousand Summers (2018)

  • A Thousand Summers (2019)

  • A Thousand Summers (2021)

  • A Thousand Summers (2024)

  • A Thousand Summers Cuvee

  • Six

  • Seven

  • Eight

  • Nine

  • Ten

  • Eleven

  • Yeoman's Pride

  • The Arborist

  • Tripod (Brandy)

  • Monte Verde

  • Barrel Aged Fumare (Batch 1)

  • Barrel Aged Fumare (Batch 2)

  • Barrel Aged Fumare (Batch 3)

  • Bluffer's Tell

  • Cask Strawberry

  • A Visit on July

  • Parenthetical (s) - Toronado 30th collab

  • Then Again

  • Sun's Warmth (Batch 1)

  • Sun's Warmth (Batch 2)

  • Appreciation

  • Reverence

  • Another Realm

  • Fruit Punch (batch 1)

  • Fruit Punch (batch 2)

  • Gentle Repose

  • Beauty Sleep (batch 1)

  • Beauty Sleep (batch 2)

  • Beauty Sleep (batch 3)

  • Beauty Sleep (batch 4)

  • Cask 200

  • Variations on a Theme

  • Celestial Cadence

Sante Adairius Rustic Ales とのコラボやその他ブリュワリーのビール

  • Times & Places / de Garde x Sante Adairius x Side Project

  • We Are You (Batch 1) / Sante Adairius x Tired Hands x Side Project x Jackie O'

  • We Are You (Batch 2) / Sante Adairius x Tired Hands x Side Project x Jackie O'

  • We Are You (Batch 3) / Sante Adairius x Tired Hands x Side Project x Jackie O'

  • We Are You (Batch 4) / Sante Adairius x Tired Hands x Side Project x Jackie O'

  • Darkness Doubled / Sante Adairius x Private Press

  • Sunrise 2023 / Side Project x Sante Adairius

  • Duck Duck Gooze / Lost Abby

  • Avenue No.1 / de Garde x Altbrau x New Avenue for Youth

  • Details to Discern / nebuleus - Magnum bottle

  • Florence / Hill Farmstead

  • Entangled Year / Monkish 

  • Mizunara Electric Roads / Private Press

  • Coastal Blue / Homage

  • The Flower Called Nowhere /  Homage

  • Wild Pink Robots / Homage

  • Oude Geuze Cuvee Armand & Gaston / 3 Fonteinen

このバッチは飲んだ事がない!とか、あれ?このラベルでのリリースあったのか?など参加者のコメントがマニアックでとにかく楽しいイベントだった。

アメリカに限らずだが、ビア友の繋がりというのはとても面白く今回の様なイベントがビールが好きというだけで開催されるというのも凄い。このようなイベントに限らず、日頃様々なブリュワリーを訪問しているので、今回の記事でアメリカ西海岸のブリュワリーやビールイベント、ビール情報に興味を持った方はこちらも是非。

楽しいビールの発見がありますように🍻


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