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高校生のインターンシップを開催した話。

編集長の稲葉です。

先日このような記事を見かけました。

この記事の元になっているのがこちら。

難しいことはよく分かりませんが、狩猟社会(Society1.0)、農耕社会(Society2.0)、工業社会(Society3.0)、情報社会(Society4.0)といった人類がこれまで歩んできた社会に次ぐ新たな社会を、デジタル革新、イノベーションを最大限活用して実現するという意味で、Society5.0と名付けられたそうです(Wikipediaより)。そのSociety5.0で活躍する人材に求められる能力を育成する為に、学校教育を改革していきましょう、みたいな提言を経団連がしたとのこと。

その提言の中で、Society5.0の実現に向けて教育を受ける学生側はもちろん、教育を施す学校側や先生側もITとかICTとかのリテラシーを高めていく必要性があることや、人種、性別、国籍の違いや家庭環境の格差に関わらずに誰もが平等に受けられる教育を実現(うちが貧乏でPCが買えなくてリモートで授業なんか受けられない、という生徒をなくしていきましょうみたいな?)していこうみたいなことを説いています(詳しくは上の記事や経団連の提言を読んでみて下さい)。

Fラン文系卒は就職する職種の選択肢が少ない?

私は一応四大卒なのですが(Fランどころではない大学)、明確な学習目的があって進学したわけではないし、将来こういう会社に勤めたいとかこういう職業に就きたいという目標があって大学に通っていたわけでもありません。

そういうわけで、文系でしかも偏差値が高い大学ではなかったので、就職活動が出来る先の企業や職種がかなり絞られていたのですよね。「自分がエントリーできる職種はこれしかないのか!」と絶望したものです。それ以前に世の中にどのような企業とか職種があるのかをよく知らなかっただけなのですが。まぁキャリアセンターに行ったり自分で調べたり(辛うじてインターネットはあった)など真面目に就職活動してなかったというのもありますが・・・。

そして、本記事の本題のインターンシップですが、日本で一般の企業でのインターンシップ制度が浸透し始めたのは1997年頃からだそうです。その頃から比べればインターンシップを実施している企業は大中小に関わらずかなり増えてると思いますし、大学生は特に、将来就職活動でエントリーしようと思っている企業のインターンシップには必ずと言っていいほど申し込んでいるのではないでしょうか。

自分が現代の子供だったら「将来は柱になりたい」って言うと思う

インターンシップは簡単に言うと就業体験ということですが、そういう意味では現代では小学生や中学生も様々な企業や店舗での就業体験の機会が学校の授業の一環としてあったり、キッザニアなんかもあります。

現代の子供は、(私みたいな)昔の子供に比べれば世の中にどのような仕事や職業があるのかを知ることが出来る機会や手段が圧倒的多いと思うのですよね。尚且つ、時代の移り変わりやデジタル技術の進歩と共に新しい職業がどんどん生まれているし、逆に消滅していく仕事なんかもある。例えば私が学生の時は営業職くらいしか選択肢がなかったけど(いわゆるザ・営業みたいな営業)、現代では同じセールスと言ってもインサイドセールスのようにデジタル技術を駆使した営業職もある。学費を払わなくてもインターネットを活用すれば無料で自分が学びたいことを学ぶことも出来るのだから、文系卒でもシステムエンジニアになろうと思えばなれる。

子供に将来の夢を聞くと「YouTuber」という答えが上位になるみたいな話が話題になりがちでそれを批判する人もいますが(今は「柱」という答えが多いのか?)、それって子供が日常の中で触れることが多くて印象に残る職業が「YouTuber」だから、という原因の結果に過ぎないような気がするのです。

小さい頃からたくさんの職業に触れる機会を与えるべき

経団連の提言には教育環境のデジタル化の推進とかグローバル教育の対応とかについてが言及されていますが、子供の将来の夢の選択肢を広げる為にも(別にYouTuberが夢でも柱が夢でもいいと思いますけど)、小さいころから「世の中にはこんなたくさんの職業があるんだよ」ということをもっと教えてあげられる機会を増やしていくべきなのではないかと思います。そうすれば私みたいに「自分が就職出来る職業はこれしかないのか・・・」という風に未来に希望を持てないような若者を減らすことが出来るのではないでしょうか。

インターンシップとは別の話になりますが、高校生とか大学生のアルバイトと言えば飲食店が過半数を占めていると思いますが(最近はそういうアルバイトに受かるのも一苦労みたいですが)、いわゆるホワイトカラーの業務がある一般企業で、学生がやりがちな接客・販売・調理以外の業務をやる為のアルバイトをもっと雇ってもいいと思うのですよね。東京とか都市部ではもちろんそういう企業は多くあると思いますが、静岡県のように地方にはまず無い、というかあったとしても周知出来ていない。勤務時間帯など(17:00とかに終業してしまう企業で学生アルバイトを採用するのは現実的には難しいですよね)クリアすべき課題はあると思いますが、今はリモートで出来る業務もありますし、そういうアルバイトの機会が増えれば、若いころから社会に対する知見も広げられると思うのです。

高校生のインターンシップを開催しました

前置きが長くなりましたが、先日弊社で開催されたインターンシップに富士市立高等学校(ふじいちりつこうとうがっこう)の生徒たちが参加してくれました。

ウインターインターンシップnote用写真1

3名の生徒が参加してくれました。インターンシップ開始前のアイスブレイク中。

3日間の日程で開催されたインターンシップの内容は、主に弊社の若手営業社員2名が企画を考え、進行や生徒のアテンドもその2名に担当してもらいました。

3日間の日程の中で実施された内容は主にこんな感じです。

■社会人マナー

■アイ・ブロードのビジネスモデルの説明

■電話営業体験(テレアポ)

■企業訪問体験(名刺交換)

■SNSに投稿する為のコンテンツ制作体験

■動画制作体験(企画・撮影・編集)

モノづくりの企業であれば○○製作体験のようなことが実施出来ますが、弊社ではそういう体験をさせてあげることが出来ませんし、日々の業務も営業活動が主体です。とはいえ、営業社員への同行とか電話営業だけをひたすらやってもらっても生徒からすれば面白くないだろうし、どうせなら弊社が最近力を入れているSNSマーケティング(の、ようなもの)の一部も体験してもらおうということになりました。学生とSNSの相性って良さそうですしね。

高校生、商店街に取材に行く

「SNSに投稿する為のコンテンツ制作体験」で生徒たちに何をしてもらったかというと、「近所の商店街にある店舗を取材し、インスタグラムでお店の紹介をさせてもらう」ということでした。飛び込みで各店舗を訪問し、何を販売しているかやお店のPRポイントなどを取材して写真を撮影させてもらうというミッションでした。プラス、今の小売店、特に地方の商店街の状況は非常に厳しいものだと思いますので、少しでもそういったお店の営業に貢献できればという社会貢献的な意味合いもありました。

その成果がこちら↓

スポーツ用品店や、

かりん糖専門店、

静岡っぽくお茶屋さん。

※こういう時期なので、それぞれの取材はしっかりソーシャルディスタンスを保って実施してもらいました。

富士市の高校生は基本的にはアルバイトが禁止されている為(家庭の経済的な理由があれば許可してもらえる場合もある)、高校を卒業するまでは社会と接する機会があまりありません。今回は飛び込みでお店を訪問し取材許可をもらい取材をする、ということを体験してもらったのですが、それ自体もハードルは高かったかもしれません。ですが、「他人の話を聞いて要点を纏める」って、地味なようで結構大事なスキルだと思うのですよね、社会人にとって。

インターンシップが単純な職業体験の場にならないように

今回の生徒たちには今後も職業体験を経験する機会があると思いますが(進学するか就職するかは分かりませんが)、今回の弊社のインターンシップではいつか社会人になった時に活かせる汎用的なスキルを、ほんの少しかもしれませんが身に付けることが出来たはずです。

この記事の読者の皆様の会社にもし学生がインターンシップで来る機会があった際は、単純に社内にあるどれかの業務を体験させるだけでなく、学生が「インターンシップを通じてこういうスキルが身に付いた」と思えるようなことを体験させてあげてはいかがでしょうか。

学生のキャリア教育は、なにも学校だけの責務ではありません。地域や企業が積極的に関与して、なるべく早いうちに若者が社会と接点を持つ機会を与え、自分が目指す将来の姿の為には何が必要なのかという気付きを与えてあげることも、キャリア教育の一部だと思います。

将来「○○になりたい」の「○○」の種類が増えるかどうかは、大人達次第ですね。「水柱になりたい」とか「恋柱になりたい」とかそういう意味じゃないですよ。

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