Women in Agile Japan 2023 に行ってきました
こんにちは、IBMの谷生です。前回に続き、2回目の投稿です。
今回は、先日参加した Women in Agile Japan 2023 についてツラツラと。
Woman in Agile とは
Women in Agileとは、Agileコミュニティでの優れた女性の活動を支援するための包括的な活動を行う非営利団体です。日本のコミュニティは約1年半前に発足し、こちらにあるように「100人の女性アジャイルリーダーを創出する」ことをVisonとして活動されているそうです。
Women in Agile Japan 2023 概要
Women in Agile Japan 2023 は2月17日に開催され、大きな流れはこちらでした。私は都合により、OSTの途中まで参加してきました。
基調講演(REALs理事長 瀬谷ルミ子さん)
基調講演は、Reach Alternatives (以下、REALs) 理事長の瀬谷ルミ子さん。REALsは、紛争やテロ、民族対立、性差別や性暴力などの争いの予防に取り組むNPO法人です。
運営からは「アジャイルのことは気にせず、自由に話してください。参加者の皆さんが何かを感じ取ってくれるはずなので。」と言われたそう。その言葉通り、REALsの活動事例をたくさん聞かせてくださいました。
アジャイル云々の前に
まず、アジャイル云々の前に、一市民としてハッとさせられました。二児のワーママとなった私は、仕事・家事・育児に手一杯でヒーヒーぶつぶつ言っていたけど・・世界には、何の罪もないのに紛争に巻き込まれて命を落とす子供がいる。子供や自分の命を守れない母親がいる。いまの日常がいかにありがたくて尊いか、改めて気付かされました。
では、ここからはアジャイルやビジネスに繋がると感じた事例を2つ。感想は長くなるので割愛しますが、皆さんにも響くものがあれば幸いです。
信頼関係と成功体験
治安の悪い地域は、往々にして警察が機能していないことが多いですよね。でも、犯罪抑止や持続可能なコミュニティ形成には、住民・警察・行政との連携は不可欠。
そんな状況下、REALsの対応の一例がこちら。まず、警察向けに研修を行い、そこからコミュニティワーカーとして適切な人材を5名選ぶ。同様に住民からも5名選ぶ。選ばれた10人を集め、犯罪予防などについて議論する場を設ける。警察と住民は、議論や小さな成功体験を重ねながら、信頼関係を育んでいく。徐々に周りの警察官や住民・行政を巻き込んで拡大し、自分達で持続可能なコミュニティを築いていく。
ちなみに、大事なポイントは人選だそうです。いかに知識・経験があるかではなく、「自分たちで自分たちを変える」ことに強い意欲を持っている人。それがコミュニティワーカーに一番重要な素質なのです。
この例はボトムアップのアプローチですが、行政にテコ入れしてトップダウンで対応していくケースもあるとか。現場の状況や文化などを鑑みて判断するそうです。
問題解決とチームビルディング
南スーダンでの避難民キャンプでは、異なる地域・民族の避難民が密集して生活しており、食糧等の資源が限られる状況下でも対立が絶えない。そんな中で平和を築くにはどうしたらいいか。「みなさん仲良くしましょうね」と説く?それで平和になるわけないですよね。
REALsは、まず現場の洞察から、避難民に共通する悩みを見出します。この場合は「食糧不足」です。次に、異民族同士でグループを組みます。先の例と同じく、人選は大事。グループが結成されたところで、共同で食物を育てるよう促します。ここで1つ大事なポイントは、目標を低く設定することだそうです。メンバーとすごく仲良くならなくてもいい。喧嘩せず、食糧に困らなくなればOK。
この事例では、結果的に食糧問題を解決できたことに加え、自分たちの民族の頭文字をとってチーム名まで定める仲が良くなったそうです。
Open Space Technology
概要
たっぷり時間が確保されていた Open Spece Technology(以下、OST)は、以下のように進められました。3つのセッションに参加しましたが、特に印象的だったセッションについて書きたいと思います。
1. OSTの進め方概要の説明
2. 各自でテーマ検討
3. 全員の前でテーマ発表
4. 約1時間のセッション × 4コマ
Women in Agile はどんなコミュニティであればいい?
「女性」「Woman/Women」と冠するイベントや施策って多々ありますよね。賛否両論、皆さん思うことがあるのではないでしょうか。
私自身、このイベントに参加しておきながら「なぜわざわざWomenと冠するコミュニティ/イベントをやるのだろう」と思う一人でした。ということで、セッション開始後すぐ、運営の方に単刀直入に聞きました(笑)
話してみると、他の参加者だけでなく運営担当者も、Womenと冠することに色々な思いがあるようでした。女性優遇/男性蔑視にならないのか。女性だけが集まってしまったら、多様性が育まれないのではないか。
一方、Womenと付くことでイベント参加のハードルが下がったという声も多く聞かれました。男性社員に囲まれた環境で吐き出せずにいる、出産・育児や性差別などに対する思い。それを吐き出して分かち合えるんじゃないか。このイベントに希望を感じていた方も多かったのだろうと感じました。
Womenと冠することには、否定的な方もいると思います。一方で、Womenと冠することで救われる人もいます。私自身、Womenと付いていたから、なんとなく参加しやすそうと思って応募しました。それなら、そういう人たちでイベントや施策を小さく始めればいい。それだけのことだ。正解のない議論の中でそう思えたことは、私にとって大きな収穫でした。
最後に
私は今年、「社内外のアジャイルイベントや研修に参加し、知見と人脈を広げる」という個人目標を掲げています。
このスローガン、すごく私の背中を押してくれている!(笑)
最初の一歩を踏み出させてくれたこのイベントに感謝します。
今後のWomen in Agileの活動にも参加していければと思います。この記事を読んで興味を持たれ方、ぜひ一緒に参加しましょう!
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