日本IBMのKAIZENnovation審査員体験談
こんにちは、日本IBMの片所(Katasho)です。
今年11月15日に、日本IBMグループ全体の社内一大イベントであるKAIZENnovationに、審査員として参加させていただきました。
KAIZENnovationとは
KAIZENnovationは、社員が主役となり、チームとして現場の課題解決や新しいアイデアの創造に取り組むという日本IBM発の改善活動プログラムです。(個人的には世間一般的な社内ハッカソンに近いイメージを持っています。)
最初はIBM藤沢工場の生産ラインから始まって、QCサークルからCS改善、そしてKAIZENnovationへ進化しました。60年の歴史と伝統を受け継ぎながらも社会の状況や会社の戦略に合わせて変革を続けています。
数年前に、IBM公式FacebookでKAIZENnovationのPR動画が公開されましたので、よかったらぜひチェックしてみてください!
KAIZENnovation Tournament 2022 レポート
今年のテーマは、「私たちは進化する(We evolve ourselves.)」
(ちなみに、この記事のカバー写真は今年のテーマです)
日本IBMグループ全体で約600チームが参加しました。600チームの中から、
部門大会を勝ち抜いた10チームは全社大会であるKAIZENnovation Tournament 2022に出場し、社長・役員・社員代表が審査員となり、金賞5チームと銀賞5チームを選出されます。この全社大会は全社に同時中継され、私は、同じくAgile Communityの山口さんと一緒に社員審査員として参加しました。
今年KAIZENnovation Tournament 2022に出場した10チームの発表は、IBMらしい技術力が詰まった施策や、身近なところから改善につなげている施策など、素晴らしい取り組みがたくさんありました。例えば、量子コンピューター・DevOps・メタバース・リモートワークなど様々な領域で、チーム内だけではなく組織の枠を越え、グローバルチーム、お客様、パートナー様と協力した活動も多く見られました。中には、社長をはじめ、役員の皆さんが「ぜひ実現してほしい」と評価されたチームも多く、さらに、アジャイルな進め方で取り組んだチームも複数ありまして、活動の過程についても興味が湧きました!
審査員チームは、15名の役員審査員と10名の社員審査員に構成されています。審査員向けの事前説明会や、審査専用のツールなど、事務局の方の手厚いサポートのおかげで、プレゼンに集中することができて、とてもやりやすかったです。また、全社大会はWebexで中継されていますが、発表チームと役員審査員には外国籍の方もいらっしゃいるので、Webexの同時通訳機能を初めて体験しました。日本語と英語を選べて、同時通訳の方の声の音量も調整できるようになっていて、とてもいい体験でした。
全チームの発表が終わった後に、集計を経ていよいよ審査結果の発表です。金賞5チームと銀賞5チームが発表されて、ちょうど私個人の採点結果と一致していることに驚きました(^^); 改めて、金賞・銀賞の皆さん、おめでとうございます!
全社大会の最後には、社員によるリアルタイムなグラレコ(Graphic Recording)も公開されました。
ちなみに、このグラレコの共同作成者には、同じくアジャイルコミュニティのメンバーである西さんも入っています!素敵なグラレコ、ありがとうございました!
受賞チームは、翌年に開催されるKAIZENnovation Capability Tourに参加できて、米国IBM本社で役員向けにプレゼンテーションする機会を与えられます。去年、3年ぶりに開催されたKAIZENnovation Capability Tourの様子も覗いてみましょう。(社員のプライバシーを守るためにマスキング加工しています)
今回審査員として参加したことで、非常にいい刺激を受けました。IBMのKAIZENカルチャーはやはりいいなと、改めて感じました。
KAIZENとアジャイル
KAIZENという言葉は、アジャイル開発のルーツの一つとも言われるトヨタ生産方式 (Toyota Production System、略TPS)にもありますね。
KAIZENは、継続的な改善活動を表し、アジャイル開発においても大切にしている活動です。
例えば、スクラムでは、毎スプリントの最後に、チームの進め方について振り返るSprint Retrospectiveというイベントがあります。その目的は、チームがより良いパフォーマンスを出して、より良いプロダクトを作るために、次のスプリントの改善に繋がることです。
アジャイル開発も、トヨタも、IBMも、KAIZENを大切にしているからこそ、時代と共に進化し、世の中を豊かにしているだろうと、改めまして感じました。
最後に、貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました!