24時間スーパーの流儀

最近、深夜のスーパーへよく行く。
オンラインに適応しきれず、若干の睡眠障害に陥ってしまった僕は4時に寝て11時に起きる、そんな生活をしてる。なので深夜2時頃どうしても腹が減る。

いても立ってもいられない僕は、エコバッグを持ち、マスクを装着し、スーパーへ向かう、そこそこ大きなスーパーなので出入り口に警備のおじさんがいる。おじさんに軽く会釈をし半額になっている惣菜を物色する。

テキトーに、ほんとにテキトーに買い物を済ませる、ただそれだけの事だ。ただそれだけの事なのだが、決めている事がある。

"絶対に明るく振る舞わない"だ

24時間開いているとはいえ、深夜なんてのは寝ているのが自然界において普通の事だ、買い物に行くこちら側がそもそもルールに違反している、ルールを破り労働させ、ルールを破り買い出しへ行く。掟破りを重ねて行った僕はせめてもとして減刑を願いたい。
だから、めちゃくちゃ申し訳なさそうに、忍びなさそうに買い物をする。それに加えて"しがない若者"でいる事を演じる事にしている。
『あ、〇〇切れてたんだ』『あ〜、明日これ作りたいからアレ買っておこ』なんて思っても絶対に買わないようにしている。
ちゃんとした買い物は日のあるうちに済ませておきたい。
決して僕が自炊してる奴、作り置きをする奴、定期的に家に人が来る奴、というような事を悟られてはいけない。

半額のモノをどちら買うか迷うフリをしたりする。
家を出ていることがバレて親に呼び出されるフリをしたりする。

深夜のコンビニでもそうだ、宅呑みの買い出しで行くときも僕は出来る限りしれっと、ひっそりと、買い物を済ましたい。
「ワインとか買ってっちゃう？」「これさ、あいつに食わせようゼ笑」「これモンエナと混ぜたらうめーから笑」こんな会話は絶対にしたくない。
僕が店員だったら絶対面倒くさがる、次の日神社へ行き五寸釘を打ち付ける、いや、五寸釘までは行かないがちょっとした不幸を望むくらいはウザがる。信号無視を巡回中のパトカーに注意され気まずい気分になれ、美人のあの子が酒乱である事が発覚し幻滅しろ、騒ぎ過ぎて隣の人にドンッってやられろ。そんな不幸を望む、それくらいウザがる。

スーパーでも同じく、深夜に卵や野菜、牛乳など買ってみろ、『朝買えや』『何こんな時間に出歩いといて健康気にしてんだ、「朝はヨーグルトとフルーツです。」じゃねぇよ！』そんな事思われちゃうよ、嫌だよ。
だから、半額お惣菜や半額スイーツを買うんだ、これなら『コレだよ、コレ、深夜の買い物はこーゆーのだよ、うんうん』と。

僕は博愛主義者なんだ、どんな状態であれ店員さんには少しでも気持ち良く働いてほしいんだ。

この前いつものように深夜1時ごろスーパーへ行こうとしたら、仲の良い隣のおばちゃんがゴミ出しをしておりバッタリ遭遇した。

「え〜、〇〇ちゃんこんな時間から買い物？ダメだよ〜早く寝なきゃ！」

全くだ、正論だ。