Vol.1 小倉(こごい)の謎を解く~名前のルーツについて~ プロローグ
思い立ったら吉日
2021年8月31日午前、仕事のタスク処理を行っているとき、急に自分の名前のルーツを徹底的にしらべたくなった。きっかけは今年の4月から東京に単身赴任で越してきたから。なぜか?
~プロローグ~
私の名前は小倉。小倉と書いて「こごい」と読む
初見では絶対に読めない名前。通常はおぐら、こくら、ぐらいまでだろう。面倒なのは自分の名前を電話で伝えるとき。
「お名前は?」
「こごいといいます」
「え?おごいさん?」
「こごいです」
「どんな字ですか?」
「小さい倉とかいてこごいと読みます」
「おぐらではないのですね?珍しいですね!?」
これを恐らく100回以上は繰り返した。両親もそうだろう。弟、嫁、息子も同じはず。それ以前の祖父母、その上の方々も。面倒なのは中学校から。教科により先生が変わるため、毎回出席確認の1回目でつまずく。
「おぐらくん」
「こごいといいます」
「え?めずらしいね」
これが新年度に毎回発生する。いち早くクラスに名前を覚えてもらえるメリットはあった。機転のきく先生なら、あいうえお順なので「こくらくん」という。これで先生のレベルをみんなが確認するようになる。「おぐらくん」と呼んだ先生はクラスのみんなから笑われることも。僕の名前をどう呼ぶか、クラスが楽しんでいる節もあった。
忘れもしない高校2年のとき。新学年の英語の授業。「おぐらくん」といつも通り出席確認で呼ぶ。笑うクラスメイト。「こごいとよみます」ともう何度も繰り返してきたセリフを言う。「え?なに?」初老の英語教師。
前に来て書けと言われ、白板に大きく小倉にこごいのふりがなを書いた。「これでこごいと読みます」その教師はずっとしかめっ面をしていた。2回目の授業、冒頭でいきなり、「私はいろんな書籍でしらべたが、小倉をこごいと読むのは認めない」教室中が静まる。僕も何も言わなかった。それからというもの、目の敵のように毎回、2~3度は授業であてられた。おかげで英語の授業は集中できたものだ。みんなから笑われたことでプライドに傷がついたのだろう。ある教師はすみませんと謝ったりもするから自分の名前で相手がどう反応するか、リトマス試験のように楽しんだ。
社会人になり、名刺によみながをうってくれた。特別仕様で嬉しかった。名刺交換後、まず相手が驚く。そして珍しいからゆえ、すぐに覚えてもらえたのはメリットでもあった。そこで毎回、かならず聞かれること。
「ご出身は?」
「和歌山です」
「和歌山では多い苗字ですか?」
「いいえ、親と弟、私の3世帯だけです」
「いままであったことがないです」
「私もないです。ただ祖父からは1度大阪で会ったことがあると聞きました。また父からは山梨県にかつては多く存在していたと聞きました」
この話をもう何度してきたか。
プロローグとしては長くなったが、このように私の名前のルーツは明確ではない。またかつて同じ名前の人と会ったことがない。我が家にインターネットが初めてつながったとき、真っ先に検索したのが「こごい」。そして未だ、同じ名前の人や関連情報が何一つでてこない。
ただ、2014年に出版された書籍
「小倉(こごい)の謎を解く」以外は。
この書籍は未だ手に入っていない。一般販売していないのだ。
ここで冒頭に戻るが、単身赴任でなぜ思い立ったか。
一つは東京に来たことで何か情報に触れられると思ったから、二つ目はルーツらしい山梨県に近くなり、何かを調べるのに行きやすくなった。そして単身赴任は時間があるのも理由の一つ。
東京で一番大きな書店ならと思い、ネットで一番大きな書店と検索し、電話をかける。
かなり調べてもらったが、取り寄せは出来ないとのこと。東京の書店ならと思ったが、改めて考えるとそんなはずはない。全国同じ回答だろう。
唯一、得ている情報で、本が存在しているのは、駒澤大学の図書館、山梨の図書館、国会図書館にあること。
どうしてもまずこの本を読みたい
なぜ、タイトルに謎とあるのか!?
まずは駒澤大学へ電話。たしかにあった。しかし現在コロナウイルスの対策で一般人は入れない。
次に国会図書館へ電話。確かにあったが、貸し出しは出来ない。また入館するには抽選で当選しなければならない。早速、応募した。当たるかどうかは次週分かる。
次回 Vol2 祖父、父からの伝え に続く
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