外国につながる子どもたちの日本語支援団体(YSCグローバル・スクール)
今回は、外国につながる子どもたちの日本語支援活動をしているYSCグローバル・スクール(NPO法人 青少年自立援助センター)をご紹介したいと思います。
YSCグローバル・スクールは、外国につながる子どもたちを対象とした専門家による日本語支援事業のさきがけで、この分野で一歩も二歩も先を行っている存在です。
<YSCグローバル・スクール>
YSCグローバル・スクールでは、外国につながる子ども・若者に対して専門家による日本語教育・学習支援機会を提供しています。ほかにも教科指導や進路相談などを行っています。YSCグローバル・スクールの教室に通うことができない全国各地の子どもたちは、オンラインで授業を受講することができます(NICO こども×にほんごプロジェクト)。
様々な国・地域にルーツを持つ子ども・若者たちを年間200名以上受け入れているそうです。
事業責任者の田中宝紀さんは、外国につながる子どもたちの現状や課題などについて、あちこちで講演されたり、書籍執筆やヤフーニュースをはじめ様々なメディアで発信されています。
<ヤフーニュース>
『海外ルーツの子ども支援 言葉・文化・制度を超えて共生へ』田中宝紀 青弓社
わたしも最初に外国につながる子どもたちの現状を知ったのは、田中宝紀さんのヤフーの記事でした。
これまで、わたし自身が活動する日本語教室に外国につながる子どもや若者が来室し、行き詰った状況になることがありました。YSCグローバル・スクールを知ったことで、今では、子どもたちやその保護者に1つの選択肢として紹介することができるようになりました。
子どもたちの時間はとても貴重で、待ったなしです。理解できない日本語があふれる教室で、毎日を過ごすしかないという状況があるなら、それは社会がなんとかしなければなりません。
義務教育を修了してから来日する、日本語が全く話せない10代後半の若者が、みなさんの教室にも来室することがあると思います。このような若者の行き場がないことを、いつも実感しています。
でも、残念ながら、社会はそんなにすぐに変わったりしないし、ひとりひとりにできることはとても限られているのも事実です。そんな現状で、YSCグローバル・スクールの活動は本当に貴重なものだと思います。
社会が少しずつでも変わり、外国につながる子どもや若者たちが、日本人の子ども・若者たちと同じように教育を受け、楽しんで毎日を過ごすことができるように、田中さんの声やYSCグローバル・スクールの活動を少しでも多くの人に知ってほしいなと思っています。
(山)