茨城県北で本物のリゾートホテルを~120年続く老舗旅館の5代目の挑戦~vol.1
天妃山(てんぴさん)や二ツ島(ふたつしま)などがあり、「茨城百景」にも選定されている景勝地。北茨城市 磯原海岸。
水戸藩9代藩主、徳川斉昭も「四のとき咲きて 変わらぬ浪の華 ながめ徒つきせぬ磯原の里(どの季節をみても素晴らしい景色であり、見飽きない)」という歌を詠んでいます。
そんな磯原海岸に、2023年4月、海と空の大自然を体感できる温泉と食のリゾートホテルがオープンしました。
仕掛け人は、120年続く老舗旅館「としまや 月浜の湯」の5代目 渡辺 悦夫氏。
としまや別荘「海と空と...」の魅力と渡辺社長の想いを取材しました。
これから、3回に渡ってお伝えしていきます。
vol.1 ロビーの先には大きな窓 そして、穏やかで雄大な海が広がっていた
「ここでは、『穏やかな表情の海』と『荒磯の波が砕ける海』。2つの海が楽しめるんですよ。」
颯爽とあらわれ、軽快な口調で語りかけてくれたのは、としまや別荘「海と空と...」を立ち上げた渡辺社長。
ロビーの前には、海岸線を見渡せるテラス。その先には、白い砂浜と穏やかな海。そして、サーフィンを楽しんでいる人の姿もあった。
「ここは、岬の突端のようになっているところだから270度の海が見える。そして、後ろには茨城県で2番目に低い山があります。」
丘のようになっていると思っていたものは、実は " 山 " だと聞いて驚いた。「天妃山」といって、歩いて5分ほどで頂上についてしまうらしい。しかも、「天妃山」の名前の由来は、水戸黄門で有名な徳川光圀公が航海の守護神「天妃神」を祀り、「天妃社」を創建したことに由るとのことだった。
そして、何よりも270度の海が見えるなんて聞いたことがない。なんて贅沢なところに来たんだろう・・・思わずそんな気持ちになった。
渡辺社長は、更に続けた。
「その日の天気によっても、海の色が全然違うんです。
朝日の昇り始めは茜色だけれど、だんだん日が昇るにつれて色が変わり、真っ青な海になる。朝日が昇るまでのグラデーションが良いんです。
そして、夜のお月様もすごい。水平線から徐々に昇る月や星がすごくきれい。それを見たら人生観が変わっちゃうと思います!」
ただ黙って、波の音を聞きながら、ずっと朝日や月が昇るのを眺める・・・。日々せわしない毎日の中で、そんな体験をしたら、一気に心も身体も満たされちゃうんだろうなあ・・・妄想が果てしなく広がる我々に、渡辺社長はこれまた気さくに「部屋も見てみますか?」と声をかけてくれた。
そして、案内された部屋は格別な空間だった。