竜神峡を泳ぐ『こいのぼり』に新たな命を吹き込む🎏 SCOI(水府コイノボリプロジェクト)vol.1
毎年、4月下旬から5月中旬にかけ、常陸太田市水府地区で開催される『竜神峡鯉のぼりまつり🎏』
およそ1000匹のこいのぼりが竜神大吊橋を中心とした竜神峡一帯を壮大に泳ぎ、例年沢山の人が訪れる常陸太田市の一大イベントです!
この竜神峡鯉のぼりまつりに使用されるこいのぼりは、全国からの使われなくなったこいのぼりの寄付によってまかなわれています。
さて、ここで破けたり色あせてしまったりして役目を終えたこいのぼりは、その後どうなるのかをご存じでしょうか。
廃棄される??? ・・・ いいえ、違います。
竜神峡のこいのぼりは、SCOI(スコイ)の方の手によって、新しいアート作品として生まれ変わり、新しい持ち主の手に渡っていくんです✨
10年前からこの活動を行っている『SCOI(水府コイノボリプロジェクト)』のメンバーを取材しました。
これから、3回に渡ってお伝えしていきます。
vol.1 『SCOI』が生まれたきっかけ
SCOIは、2013年に1人の現代美術家が常陸太田アーティスト・イン・レジデンスのディレクター兼アーティストとして移住したことから始まりました。水戸市出身で、当時大学院生だったミヤタユキさんです。
常陸太田アーティスト・イン・レジデンスは、全国的にも新しい取り組みとして、地域おこし協力隊事業の枠組みでスタートしました。
(※2016年に終了)
移住してすぐ、ミヤタさんは竜神峡鯉のぼりまつりについて、担当者に「破けたりしたこいのぼりはどうなるか。」と聞いたと言います。
すると「強風の影響や劣化でこいのぼりとして使えなくなったものが、毎年100〜200くらい廃棄になっている。」との回答が・・・
‟ 思わず「そんなにあるの?もったいない…」って”
そこから、お役目を果たしたこいのぼりを頭からしっぽまでアートしよう!をコンセプトに、ミヤタさんのアートプロジェクト「SCOI(水府コイノボリプロジェクト)」が始まりました。
最初の作品は、手差しや生地にまだ強度のあるこいのぼりを活用したエコバックなどでした。
(メンバーも増えた現在は、生地の弱くなっているこいのぼりも、さまざまなアイデアで活用されています。)
その後、地域の方を巻き込みながら活動を続けていましたが、2015年、大学院を修了し、アーティスト・イン・レジデンスを卒業したミヤタさんが、そのまま移住を決意。
常陸太田市民としてSCOIの活動を続けたいと、これまで関わってくれていた地域住民を中心にSCOIの説明会を開き、活動を手伝ってくれる人を募集したことで、SCOIがさらに地域に広がるきっかけになりました。